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2016年4月17日 (日)

【平成28年熊本地震】これからどうなる?(#1179)

■当記事は、4月17日時点での、管理人の個人的見解です。

2016年4月14日に熊本地方で発生したマグニチュード6.5、最大震度7の大地震以降、過去に例を見ない激甚な地震活動が続いています。


経験則で判断できない


この一連の地震活動は、過去の経験則が全く当てはまりません。地震学的には“未曾有の”出来事なのです。

気象庁の公式発表では、14日のM6.5を前震、16日のM7.3を本震、それ以降を余震とする位置付けとしています。しかし、それはあくまで従来の概念による区分であり、現実は大きく異なってます。

もはや『群発地震』とも呼びたくなるような現象ですが、従来の『群発地震』の概念とも異なるために、公式にはその表現も使えません。

また、大分県内など他の地域での地震が誘発されているのは確実と言えるものの、公式には『誘発地震』という概念が無いために、「誘発されたと思われる」というような、曖昧な表現になっています。

理屈や言葉はともかく、九州で強い地震が集中して発生し、巨大断層帯に沿って震源域を拡大しつつ、活発な活動が続いているというのが、紛れもない現実です。


中央構造線断層帯の地震


この地震活動は、西日本の地盤構造を南北に分断する『中央構造線断層帯』の一部である、熊本県内の『布田川・日奈久断層帯』から始まりました。

4月14日に発生した最初の地震(M6.5、最大震度7)の、震度図をご覧ください(Yahoo地震情報からお借りしました)
Kumamoto7
東日本の長野県内に、ポツンと震度1が観測された場所がありますが、これは別の地震が起きたわけではありません。

震度1が観測されたのは、長野県諏訪市です。
Suwa_2
上図の通り、諏訪市は中央構造線と、フォッサ・マグナの西側境界となる糸魚川・静岡構造線が交差する場所なのです。

熊本地震の地震エネルギーが中央構造線を、あたかも糸電話のように遠方まで伝わり、巨大断層の交点である諏訪市で、糸魚川・静岡構造線の断層面に“ぶつかって”止まり、身体に感じる揺れとなって観測されたわけです。

なお、4月16日の地震(M7.3 最大震度6強)は、さらに規模が大きかったために、関東から東北の一部までが揺れました。
M73
その中で、山形県内でぽつんと震度1を観測した場所(中山町)が、『新発田・小出構造線』に沿った場所なのは、非常に興味深い事実です。

また、九州から東へ、震度3の地域と震度2の地域が、中央構造線に沿って続いているというのも、そこが地震エネルギーが伝わりやすい道であることを示しています。

このように、今回の熊本地震は、西日本から関東付近までの、“日本列島の骨格”を大きく揺らし、地震エネルギーの主な通り道となった中央構造線断層帯に、少なからぬ影響を及ぼしているはずです。


これからどうなるか?


2016年4月17日現在、地震活動は小康状態に入ったように見えます。しかし、これまでの地震の余震活動が少し落ち着いてきているだけで、新たな誘発地震が発生する可能性が高い状態が続いています。

防災科学技術研究所のHi-net自動震源処理マップの、24時間震央分布図をお借りして掲載します。
Hinet_kyusyu
熊本県の中央部から始まった地震活動は、中央構造線断層帯に沿って、北東と南西方面に拡大しています。

熊本県内の『布田川・日奈久断層帯』から北東方向、大分県内に続く『別府・万年山(はねやま)断層帯』にまで広がっているのがわかります。大分県内での地震は、熊本県内の地震の余震ではなく、明らかな誘発地震です。

一方、南東方向は『布田川・日奈久断層帯』に沿って、八代海沿岸部まで震源域が広がって来ているのがわかります。4月17日時点の気象庁発表では、この地域での無感地震の回数が急増しているとのことで、今後さらに大きな地震活動に繋がる可能性が高まっています。

南東方向は、震源が八代海などの海底になる可能性もあります。震源深さは10kmより浅くなると思われるため、海底の震源でマグニチュード6台後半程度以上の地震が起きた場合、ごく短時間で被害が出るレベルの津波が、沿岸に到達する可能性があります。

いずれにしても、九州の地震活動は、まだしばらく活発な状態が続くと考えられます。これは管理人だけの見解ではなく、気象庁の見解でもあります。


九州だけじゃない?


ひとつの歴史的事実があります。

1596年9月、豊臣秀吉の治世である文禄時代に、それは起きました。まず、現在の愛媛県伊予地方を震源とする、推定マグニチュード7.0程度とされる大地震(慶長伊予地震)が発生。

その4日後、大分県別府湾口付近を震源とする、これも推定マグニチュード7.0程度の大地震(慶長豊後地震)が発生。

そしてその翌日、現在の京都府伏見区付近を震源とする、推定マグニチュード7.25~7.75の大地震(慶長伏見地震)が発生したのです。

一連の地震は、すべて中央構造線に沿って発生しており、『連動型地震』とされています。なお、これらの天変地異の影響で、その年のうちに元号が文禄から慶長に改元されたため、慶長○○地震と呼称されるようになりました。


今回の熊本地震は、熊本県中央部から始まり、その震源域は慶長豊後地震の震源域である、大分県別府方面へ広がりつつあります。

熊本地震の激甚な活動が中央構造線上の震源域に影響し、この先大分県をはじめ、豊後水道を挟んだ伊予灘や愛媛県内陸部、さらにはその先の西日本各地で、『連動型地震』が起きる可能性が確実に存在するのです。

慶長時代の地震から、今年で420年です。その頃の地震で、ひずみエネルギーがすべて放出されているのか、まだ“割れ残り”の岩盤が存在するのか、その後にまた蓄積しているのか。それは、現代の科学では解明できません。

しかし、過去の例を教訓とするならば、九州地方だけでなく中国・四国地方から関西地方まで、警戒レベルを上げるべき状況だということです。四国以東でも、決して“対岸の火事”では無い、と考えるべきです。


あなた自身の行動がすべて


しかし、そのような危険が存在するにしても、九州地方以外の方々は「まさか」という気持ちが先に立ち、具体的な警戒行動には結びつける人は少ないでしょうし、自治体、職場、学校などでも、具体的な対策や広報が行われることも無いでしょう。

そこでできることは、あなた自身の意識と行動のみです。災害対策備品の備えができているならば、あとは大地震が近いうちに来ることを前提とした行動を、しばらくの間続けるしかありません。

具体的な方法は、当ブログ過去記事(特にカテゴリ【地震・津波対策】)をご覧いただきたいのですが、その効果は、もしあなたが大地震に遭遇した時、最初の1分間を『生き残る』ことができる可能性を高めることです。

その1分間を乗り切れば、その後の状況を、ほとんど『生き残る』ことができるはずです。


※4月18日追記
本文中、慶長時代の連動型地震の順番が誤っていましたので、訂正しました。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。

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コメント

今回のは地震だけで言えば東日本大震災よりもひどいですね。当時、ここまで倒壊はしてませんから。

>ジェダイトさん

ご無沙汰しております。お元気でしょうか。九州は大変な状況です。

この地震は、浅い断層が動いた内陸直下型であり、揺れのタイプとしては阪神・淡路大震災、新潟中越地震などに近いものです。

浅い断層の地震は、震動周期が短い揺れが大きく発生し、構造物への破壊力は、東日本大震災のようなプレート境界型よりはるかに大きくなります。

同じ震動7でも、東日本とは別ものなのです。建物は短時間で倒壊するため、逃げる時間もあまりありません。

それが連続しているのですから、被災地は本当に大変なのです。

すっかりご無沙汰しちゃいましたね!^_^
今も同じ職場で働いてます。私生活も変わりなく過ごしてますよ。3年前にてばさんに言われた事がキッカケになり今の幸せがあるので、感謝してます*\(^o^)/*ありがとうございます!

九州の皆さんも、これからが本当に大変になると思います。生活再建の為の資金がいちばんの悩みとなるので、今後は義援金がとてもとても大事になります。国には長期的な支援を期待したいところです。私も募金します!

地震が落ち着くまで県外に避難するのが一番良いです。被災地だけが別世界で他の都道府県は平常です。被災地にいるとまるで日本全体がおかしい錯覚に陥りますが、それは違います。今、あなたのいる世界だけが崩壊しているのです。だから、県外への脱出を勧めます。

>ジェダイトさん

幸せという言葉を伺って、なんだかほっとしております。

でも、私何かそんなお役に立てること言いましたっけ?www

熊本の地震は、非常に広い範囲に渡り、最大の被災地が地方部で、都市部の被害はそれに比べれば小さいこと、まだ収束が見えず長期化の可能性があることなどから、国の対応も大震災ほどの体制にならなそうです。

でも、被災者の苦しみは何ら変わらないわけで、民間からの支援が大きな力になると思います。

コメント欄をご覧いただいている読者の方のためにちょっと説明させていただきますと、ジェダイトさんは福島県の地震・津波・原発事故被災地から関東に避難されてきて、現在も関東にいらっしゃいます。

ブログの中で、「被災者の方から直接伺った話」としていることの多くが、ジェダイトさんのご体験です。

そういったご体験から、熊本や大分の皆様に向けて、上コメントのようなメッセージを送られております。ご参考にされてください。

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