村井氏の新ネタと言い訳を嗤いましょう【1】(#1189)
先日、「村井氏大好きなんですねw」というコメントを頂戴してしまいました管理人ですw
当ブログには【エセ科学・オカルト排除】というカテゴリがあるくらい、防災情報からその類を排除したいと思っている管理人、確かに“愉快なご老人”村井氏のネタは、確かに目の色変えてやってますね。
こりゃ、好きと言われても仕方ないですなw
理由を説明するそうです
さておき、村井氏大好き『週刊P』4月25日発売号に、熊本地震についての言い訳が載るというので、管理人、売り上げに貢献しましたw
ちなみに管理人、週刊誌はやったことはありませんが、編集やライティングに関しては、まるっきり素人ではありません。そういう目で見ると、とても興味深い記事ではありました。
本当ならば、既にまともに取り合うレベルの話ではありませんが、“インチキ”がこれだけ拡散している以上、敢えて重箱の隅をつつくようにやらせていただきます。
扱いが変わりましたね
誌面を見て、「P編集部、やるな」と思いましたよ。
今まで、村井氏の記事は単独特集でした。でも今回は、大都市圏での巨大地震を想定したシミュレーションや、どの断層が危ないなどと言う『専門家』のコメントを集めた、まあありがちな防災関連特集全12ページの中のPART3、最後の3ページにランクダウンされてます。
本では、トリは偉くないんですよ。前の方が偉いんです。 しかも、村井氏の記事の分量は、図表を除けば1ページ半くらい。扱い、小さくなりましたね。
特集全体の体裁は、熊本地震の情報を多少絡めながらも、あくまで他の大都市圏を対象とした内容。発売までの時間的に見れば、ある程度事前に準備していたら熊本地震が起きてしまったのかもしれませんが、なにしろ熊本地震がまだ予断を許さない中、そこは下手に触ると批判されるし、詳細な取材は間に合わない。
ならば、熊本を見て不安が高まっている大都市圏、すなわち“巨大市場”の不安をすくい取る記事をメインに据え、何かと批判が大きくなった村井氏ネタはその中に紛れ込ませて、インパクトを薄めようという編集意図ではないかと。今後の流れが見えて来るようです。
ちなみに、メイン記事もほとんど電話取材と過去ネタの使い回しで済むレベルですね。新ネタは東京、飯田橋の断層云々という話だけで。違いますか?w
ちなみに、村井氏の記事の見出し、『またも予知的中!』だそうです。ここで注目したいのは、今まで、村井氏ご本人の意向で『予測』と表記していたものが、ここへ来て『予知』に変わったこと。
実は村井氏も、当初は『予知』を名乗っていたのですが、あまりにも当たらないせいかどうかは知りませんがw、トーンダウンして『予測』としていたのです。
このタイミングで、記事を『予知』に戻したのは何故か。熊本地震“的中”をアオって、さらにヒーロー化させるためのタイトルとしてなのか、それとも、批判派がイラっとくるようにわざと派手にかまして、読者や関係者からの『反響』を引き出すためなのか。
管理人は、後者じゃないかと思いますね。村井氏への批判の流れは、もう止められないと読んで、華々しく“炎上”させても良し、という判断ではないかと。
いや、本屋はどっちに転んでも数字になるから、オイシイのです。
で、続くタイトルが、『東大名誉教授の悔恨と警告』だって。 つまり、こんなにすごい人が素直に反省しつつ、それでも警告しているという“立派な人”感を演出しようということですね。
その実、人が何人死のうが、自分の理屈が正しいと主張することしか頭に無いご老人だということは、これまでの記事でご覧の通りです。管理人の意見とかじゃなくて、あのツイート(#1180号記事に掲載)を見れば、誰でもわかります。
まず大前提として
村井氏の“インチキ”は、重層化していて、ともすると論点がズレてしまいます。
村井氏が主張する、『巨大地震の前には、数ヶ月前から地表面に異常変動が現れる』という理屈があり得ないとか、『異常変動』が起きたとされる広大なエリアを、ほとんど恣意的に『警戒ゾーン』指定して、”下手な鉄砲数撃ちゃ当たる”式に“的中”を演出しているとか、そういう批判も多くなります。
でも、実際には“的中”なんかしていないのは、今まで述べた通りです。
しかし、そこじゃないのです。大前提として、村井氏が『異常変動』だと主張する電子基準点のデータは、そのほぼ全てがノイズに過ぎない、ということです。
すなわち、1日~1週間程度で、地表面が5cm以上、それも全国あちこちで、地震などを伴わずに上下するというような現象は、最初から存在しません(局地的な特殊な現象はあり得ます)そのことは、 これから電子基準点を管理する国土地理院の発表などで、どんどん明らかになって行くでしょう。
本来ならば、そういうあり得ない理屈を主張する時点で“インチキ”認定なのですが、東大名誉教授だ世界的権威だという肩書きのインパクトと、それに乗っかったメディアのアオりで、ここまで来てしまったというのが、最大の問題なのです。
さて、例の図表です
ここで、『週刊P』恒例の、あの図をお借りします。いつもありがとうございます。
と、言いつつ、ツッコミどころ満載です。
今回の対象期間は、2015年10月18日から2016年4月16日だそうです。つまり、冬を挟んでいます。
そこで『異常変動』が出たとされている点を見ると、以前も指摘した通り、降雪地域に思い切り偏っていますね。
電子基準点は、大気中の水蒸気量が増えるとノイズが出やすい、すなわち雨や雪の影響を受けやすいので、こうなるわけです。
でも、村井氏にかかると、全部地表面の『異常変動』ということで。
ところで、お気づきでしょうか。以前の図に比べると、『異常変動』が出ている点がとても少なくなっていることに。こちらが2015年の冬を挟んだ時の図。
だいぶ、減りましたね。
これは、村井氏が、各界の専門家から電子基準点のノイズの扱いについて、合理的な指摘や批判を受けた結果、国土地理院がノイズの原因としてサイト上で公開しているひとつの理由、周辺での樹木の繁茂を理由に、データを採用する電子基準点を、自ら減らしているからです。
ちゃんとノイズは削除してますよ(だから私の理論は正しい)、というポーズですね。でも、水蒸気による影響は、あくまで認めていませんけど。もしそれを認めたら、『異常変動』の大部分が無くなるのですからw
やりたい放題ですね
村井氏の基準点選定にしても、その適当さ加減を示す“エピソード”をひとつ。
当シリーズ過去記事(#1169)で触れていますが、2013年4月に、村井氏は和歌山県北部の電子基準点「広川」に『異常変動』が出たとして、和歌山県を『警戒ゾーン』に指定しました。
その後和歌山では目立った地震は起きない一方で、メルマガを出した2日後に、対岸の淡路島で震度6弱が発生しました。『週刊P』では、時間と水平距離の近さだけから、強引に“的中”としています。
それはともかく、その時は有効なデータとしていた「広川」基準点を、批判を受けた後は「樹木の繁茂」を理由に、他の多くの電子基準点と共に、不採用としてしまっていたりします。
当然ながら、全国1300カ所以上の電子基準点を視察できるわけもなく、要は自分に都合の悪いデータを出している点をまとめて不採用とした、ということかと。
もちろん、国土地理院は日々のノイズ発生状況から各点の状況を把握して、メンテナンスやデータ補正をしているわけですが、そんなもの関係無く、専門家でも無いいちデータユーザーが勝手に無効としてしまった。
ちなみに村井氏、専門は写真測量であって、電波測量の専門家ではありませんけど。
さて、今回の記事もあまりにもツッコミどころが多いので、続きはまた次回に。
管理人は別に偏執狂じゃありませんがw、この件に関しては徹底的に重箱の隅をつつきます。
イメージだけで膨れ上がった巨大な“インチキ”を突き崩すのは、あちこちに現れる矛盾を積み上げるしかありませんから。
※タイトルがしっくりこないので、変更させていただきました。
■当記事は、カテゴリ【エセ科学・オカルト排除】です。
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