報道されないから、真実を伝えます(#1202)

HAARPの短波帯ダイポールアンテナ群。エセ科学の人々は、ここからVLFやマイクロ波まで発射させちゃうw
熊本地震被災地の被災建物に、スプレーで落書きをして回った輩が検挙されました。
報道されない部分が
ニュースでは、例えば損傷した熊本市役所の建物に「もう少しで倒壊だったね」などと書いた、という内容になっています。
でも、ニュースメディアのほとんどが、敢えて避けた内容があるのです。
それは、落書きにHAARP(ハープと発音)がどうのこうのという内容が頻出していること。詳しい説明は後にしますが、“熊本地震はアメリカの陰謀で起こされた人工地震である”と主張したいらしい。
この手の輩は、阪神・淡路大震災の頃から増えはじめ、東日本大震災ではもちろん、海外の大地震災害の際にも、何かと騒ぎます。
なにしろ、ネットニュースなどで、HAARPってなんだろう、と思われた方も多いかと。
究極万能兵器ww
HAARPとは、米軍や大学の研究所が合同で行っている、電離層実験プロジェクトです。軍事目的も含まれるために機密事項が多く、陰謀論の温床にもなっています。
簡単に言えば、アラスカにある巨大アンテナ群から、地球のどこへ向けてでも強力な電磁波を指向でき、それで大地震や異常気象を引き起こしたり、人間の精神もコントロールきるという、“夢のような”兵器だという主張。
実は当ブログ、初期にHAARP陰謀論について、シリーズ記事にまとめています。例によって、まあ実に荒唐無稽なお話なんですが、理屈の展開というか言い分というかが、村井氏の言い分と良く似ているのがわかります。
エセ科学を強引に事実に整合させようとしたら、陰謀マニアでも東大名誉教授でも言い分が非常に似通って来るというという、非常に興味深い現象が見て取れます。
そんなこともお楽しみいただきながら、下記リンク記事をご覧ください。HAARPについて、その本当の機能と、陰謀論の概要がおわかりいただけるかと。
2012年8月掲載のシリーズです。
HAARP陰謀論過去記事リンク集
もう十分でしょう(笑)☆HAARP陰謀論を斬る【5・最終回】
ちょっと補足
記事では触れていない部分を。別記事で書いているのですが。
ハリケーンを大型化できるというのは、海水を電磁波で温めて、水蒸気を大量に供給するという理屈。そして、海や陸地の一部を加熱することで風を変え、進路もコントロールするということらしい。
人間の意識をコントロールするというのは、低周波(なんでも出るぞあのアンテナはw)をピンポイントで照射することで、そこにいる人間の意識に作用させるということらしい。
低周波が人間の意識や精神に影響を与えるのは本当で、冷戦期、ソ連が極東向けモスクワ放送の高出力中波送信機を使って、日本に向けて低周波を送信する実験をしていたのは事実。だから、あり得るという話なのでしょう。HAARPはソ連のハイテク版ということなんですねw
国家レベルで電子機器を無力化するというのは、大気中の核爆発で放出されるEMP(Electric Magnetic Pulse)による効果を、無理矢理こじつけたもの。実際に、もし上層大気内くらいでメガトンクラスの核爆発が起きれば、北米大陸全体くらいの電子機器が不可逆的なダメージを受けて、致命的な混乱が起きます。あらゆるコンピュータや電気関係が全滅するのですから。
核ミサイルは、何も地上に落とすのだけが目的じゃないのです。なんて怖い話もありますが、もちろんHAARPとは無関係です。
対潜水艦通信用VLF(超長波)通信の高効率化とか言っても、これもHAARPとは無関係。それに、すでに米国は対潜水艦通信をVLFではほとんど行っていません。日本にも、青森県三沢などにある「象のオリ」と呼ばれる巨大円形アンテナがVLF送受信用ですが、それがHAARPにより小型化、高効率化されたという、どこかのミリヲタが喜びそうな大ウソです。それ以前に、もう使って無いんだってばw
人工オーロラで赤外線が発生するのならば、オーロラを赤外線カメラで見たら、昼間のように真っ白だねwそれに、北極圏は温暖化が促進されますなw
電離層を操作して敵の通信の妨害、ってのは、まあ不可能じゃない。でも、敵がローテクな短波通信をしてくれればの話だけど。それよりも、水平線の向う側まで探査するOTH(Over The Holizon)レーダーは、短波を電離層で反射させて水平線を越えるので、それは妨害できそう。
でも、せっかくできそうな話、HAARP大好きな人には難しすぎるみたいで、全然出て来ないwまあ、そんなのはHAARPじゃなくても、イージス艦で実際に可能です。
いずれにしても、説明するまでもなく、ぜーんぶウソですwこのように、関係がありそうな断片的な事実をつなぎ合わせて、「そうに違いない」で構築されるのが、こういうエセ科学話というわけ
とまあ、ここまで無茶苦茶な話ができるのも、無知のなせる業ということ。知らないって、ワクワクwww
それにしても、何か矛盾が出て来ると、なんとかして整合性を取ろうとして、どんどん無茶な理屈をこじつけ出す辺り、どこかの東大名誉教授とそっくりですよね。というか、こっちが先輩かw
まあ、エセ科学は仲間内で楽しくやっている分には良いのですが、外部からの合理的な検証に晒されると、いずこも同じように、論理破綻が加速して行くのです。
これを『村井化』とでも呼びましょうかwww
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2回目の登場です。毎日、チェックさせて貰ってますよ。しかし、人工地震ですか・・・信じてる人、少なくないですよねぇ。まぁ、未来人に本気で脅えるぐらいですから(失笑)
投稿: 神部 | 2016年6月 1日 (水) 21時49分
>神部様
毎日チェックしていただけて、とても光栄です。最近、更新が滞ってしまい申し訳ありません。
人工地震信奉者は、実はかなり多いんですよ。でも大半は10~20代で、そういう情報に影響を受けやすい世代です。でも、ネット上では発信者の年齢とかわからず、なんでも同列になっちゃいますからね。
東日本大震災後も、海底探査線「ちきゅう」号が震源域のボーリング調査に出た時などは、また新たな爆弾を埋め込んでいるとか騒いでました。
そんな連中には、「ちきゅう」号は核爆弾による人工地震の象徴みたいに見られていて、「ちきゅう」号の動向を監視するサイトもあるくらいです。
まあ、これほどバカバカしくて、単純に機密保持とかの問題とかも気にせずに本気になれるのは、基本的に若くてアレなw連中ですよ。
真っ当に社会人やってれば、こんな機密保持なんか無理ということがわかりますが、経験が無ければ「きっとそうに違いない」だけで凝り固まれるというわけで。
熊本地震の後も、子供がこの手のデマを信じて不安が増幅されているという現実もあります。こういうクソ情報が現実に悪影響を及ぼしているのが、残念なことにこの国の現状なんですよ。
未来人の話も、NHKとかに問い合わせが殺到したみたいで、ネタと現実の区別がつかない層が、これまた残念なことに、確実に増えてしまっているみたいです。
投稿: てば | 2016年6月 2日 (木) 02時33分