村井氏の新ネタと言い訳を嗤いましょう【3】(#1201)
今回は、『週刊P』4月25日発売号に掲載の、村井氏の“言い訳”本文にツッコみます。いやはやネタ満載ですw
村井氏と『週刊P』の素敵な関係
本文の冒頭で、管理人「なーるほどね」と思いました。今までスルーしていたのですが、とても重要なひとことが。
『高い的中率で本誌読者を驚かせてきた「MEGA地震予測」は、今回の熊本大地震の予兆もつかんでいた。』
ポイントは、『本誌読者を驚かせてきた』という部分。決して“世間を驚かせてきた”とかではなく、あくまで『週刊P』読者という、とてもドメスティックな限定をしています。
わざわざこういう書き方をするのは、『週刊P』としては、世間に積極的に発信しているものではなく、あくまで読者向けのネタ記事ですよ、芸能ゴシップ記事とかと変わらないスタンスですよ、読みもしないで批判されても困りますよという、ある意味で“逃げ”を打っているということかと。
もちろん『週刊P』は、村井氏と心中するつもりなど最初から無いでしょうけどねw数字になるうちは使う、ということで。
この辺の表現、過去はどうだったのでしょうか。もしおわかりの方がありましたら、是非教えてください。
今回、管理人はしっかりと購入したので、『本誌読者』の権利獲得ですw
これはいい人だ
本文を要約すると、村井氏は2016年1月発売の『週刊P』で、『熊本・鹿児島で顕著な沈降を確認』という警告を出していて、熊本地震も予知していた。しかし、地震前に警戒を解除してしまい、
『「MEGA地震予測」を信頼してくださる方々に申し訳ない」とうなだれた』と。
うなだれた、というのはライターによる、落ち込み感増幅のためのレトリックでしょう。ここが、見出しの『東大名誉教授の悔恨』に当たる部分ですねw
言い分は、箇条書きにします。
■2015年末(熊本地震の4ヶ月前)に、九州南部で顕著な沈降現象を確認していた。
■メルマガでは、今年3月末まで熊本・宮崎・鹿児島の警戒を呼びかけていた。
■九州南部の警戒は、2014年4月(2年前)から呼びかけていた。
だから、自分としては熊本地震を『予知』していたと。でも、地震前に警戒を削除してしまってうなだれている、まあなんて公正で、人間愛に溢れた方なのでしょう。
でも、『MEGA地震予測を信頼してくださる方々』と限定しているのは、有料読者しか目に入っていない、なんて考えるのはうがちすぎでしょうかねw
まあ、商売ならば有料顧客第一です。商売ならね。
大丈夫かこの人?
ところで、上記のコメントを見て、村井氏大好きでも大嫌いでも、とりあえずチェックしている方は「あれ?」と思われた方もあるでしょう。
こういうことです。
2014年4月から南九州を『警戒ゾーン』としていた、と言っていますが、あくまで南西諸島の続きとしてゾーンに入れていただけ。
しかし、2015年には、その理由の説明は無いまま、南九州は外されています。
『顕著な沈降』による南九州の『警戒ゾーン』指定を外したのが3月末と言っていますが、ツイートでは、南九州を外したのは2016年4月13日と。
それは勘違いとしても、遅くとも今年1月から『週刊P』では南九州警戒としていたはずなのに、2016年3月6日のテレビ番組『Mr.サ○デー』出演時には、
ご覧のように九州全域がノーマーク。
どう見ても、思いつきでやってますね。
元来が村井氏の頭の中にしかない、一般化できない思いつきの理屈にすぎませんから、この話に限らず、ほんと言い分に統一性が無い。インチキならばインチキなりに、スジ通して欲しいものです。
なにしろ『警戒ゾーン』指定も解除も、何の説明も無いか、あっても裏付けの取れない適当な説明だけでコロコロ変わる。
自分の理屈を公開も説明もしていないから、ハズしても理屈を修正する必要もなく(統一された理論も無いし)、「反省」だけしていればいい。
しかし、これはエセ科学全般に言えることですが、科学の上澄みだけを使い回した屁理屈に対して、科学的に反証するのはとても困難なのです。
反証しきれなければ、エセ科学発信者や信者は、「現代科学は万能ではない」という当たり前の、しかし自らの理屈を補強するわけでもない話を強引に拠り所にして、“現代科学に対する勝利”とする。
村井氏がよくやる、地震学など地球物理学者への批判的発言など、まさにそれと同類です。物事は、対立軸を作ってこそ盛り上がるのです。某アイドルグループの総選挙と、全く同じ理屈。
そして、今回の記事で、村井氏はこう言い放っています。
『エンジニアである私の使命は、現在得られる最良のデータと予測法で地震予測を行うことです』
まさにエセ科学の発信者の言い分です。
「最良のデータ」とは電子基準点のノイズに過ぎず、「最良の予測法」とは、他人に公開しないから追証されて“インチキ”がバレることもない、村井氏の頭の中だけにある理屈なのです。
さらに、
『批判されようとも自分の理論において異常なら警戒を呼びかける』
と宣言しています。まあ、これだけ周囲から叩かれれば意固地にもなるわな。一度は『世界的権威』となった人だし。なにしろ、言い続けないとおカネ入らないしねw
でも、続けるのは勝手ですけど、“インチキ”は、社会からはご退場いただかないとなりません。『信者』と楽しくやっていてください。
エセ科学色がより濃厚に
この記事の後半では、例によってどこが危険だとかいろいろ書いてありますが、内容は信じるに値しません。しかし、その言い分が問題。
南鳥島の『異常変動』(それ自体ノイズですが)が、バヌアツ諸島M6.9地震の前兆だったと断言したり、ひずみエネルギーの放出がどうのとか、自分は地震学者じゃない、エンジニアだと言いながらがら、エセ地震学をひけらかし始めました。
他の場所も、上がった下がった、逆方向に動いただの理屈をつけて警戒せよと言っていますが、大きな上下動はノイズ、一見逆方向の動きに見える二地点の水平変動も、根本的にデータの読み方が誤っていて、実際にはそうではない、ということが、きちんと科学的に説明されています。
つまり、村井氏の理屈の根拠となる数値は、すべて現実世界には存在しないものだという、大前提を忘れてはいけません。
ここで本題です
これだけ見てくれば、村井氏がとりあえず科学を標榜し、曲がりなりにも理論的に考えていると主張していることがわかります。
そこで、今回記事のハイライトとも言えるこの一言。
2年に渡って警戒せよとしていて、しかも地震の4ヶ月前に『顕著な変動』を確認しておきながら、3月末だか4月に九州南部の警戒を外した理由への言い訳が、これです。
『あまりにも長く警戒を続けていては読者を不安にさせてしまうということで』
もう何も言うことはないwこれだけ科学ごっこやってきて、大ハズしの言い訳が、言うに事欠いて、読者を不安にさせないためだと。
こんなのが通用するんですよ村井ワールドは。すなわち、最初から論理的な理由など必要無い。思いつきでどうにでもなる世界ということだし、過去の諸々はそれを証明しています。
というか、理論派ぶりながらこういうコメントをできる人物、もう完全に“アッチ”行っちゃってるとしか思えないのですが。
これで「村井氏はなんて優しいんだ」とか思う方には、何も申しません。
最後に
これで、今回の『週刊P』記事に関する当ブログ記事は終了しますが、また新たなネタがでてきたら、随時やります。
記事の地の文に、こんな一句が。
『ネット上では、村井氏の予測を評価する声がある一方で、不正確さを批判する声も上がっている』
P編集部のみなさま、ここもご覧いただいてますかwwwわかってますよ。アンチが騒ぐほど、実売に結びつくことは。感謝してほしいくらいだw
でも、少なくとも当ブログでは、村井氏の不正確さを批判しているのではありません。
当ブログでは、社会的地位のある人物がその立場を利用し、科学を好き勝手にねじ曲げて“インチキ”をバラ撒いているということを批判しています。
そして、そんな不良情報を拡散する人物の社会からの退場を願って、こういうことをやっているのです。
記事のクロージング文で、
『村井氏が予測を続ける最大の理由は、国民に常に注意を促すことにある』
とあるのは、『警戒ゾーン』があまりに広大で警戒期間も長いという、村井氏への一般的な批判に対する、貴誌の言い訳と受け取っております。『予知』が当たろうが当たるまいが、大地震が来るリスクは確実に存在する。だから村井氏を使う意味もあるのだと。
細かい間違いも、例えば『お国のため』とか言って、大義を振りかざして普遍化してしまえば反論しにくい。そんなのと一緒の理屈ですけどね。
しかし、たとえ人類愛だの社会正義だのを標榜しようと、“間違いは間違い”なのが、科学的態度です。てか、『国民に注意を促す』って、どれだけ上から目線なんだよw
でも、この“愉快なご老人”も、そろそろ限界じゃないですか?もう、お気づきのはずです。いろいろアレなことに。
最近、Twitterでは地震学者ごっこ始めてますね。記事の信憑性維持のためには、暴走を止めた方が良ろしいかと。
でも、管理人が編集者ならば、しばらく泳がせてひと炎上させて、そこでひと叩きしてから関係の遮断に持ち込みますがw
・・・と、当初は村井関係の記事を、ここで一旦終わりにしようと思ったのです。でも、その後の発言が楽しすぎるので、それを是非知っていただきたく、まだやりますw
■当記事は、カテゴリ【エセ科学・オカルト排除】です。
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コメント
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人の上げ足取るようなことは どうでもいいですね
投稿: カマタ | 2016年5月31日 (火) 06時46分
>カマタ様
コメントありがとうございます。揚げ足取りは、まああまり望ましいことではありませんが、これに関しては、どうでも良く無いんですよ。
まず、揚げ足取りとは、普通は他人の間違いをあげつらうものです。でも村井氏の場合は間違いではなく、インチキなんですね。それも、科学的に証明できるインチキ。
インチキを指摘、批判するのは、揚げ足取りではありません。
で、この人はお金を取って情報を「売って」いるわけです。メルマガはもちろん、メディアに出てギャランティを受け取ることも同様です。
例えば、貴殿が外国語を習いたいと思ったとしましょう。で、ハーバード大卒の講師ついて、授業料を払って習い始めました。
ハーバード出るくらいの人だから、語学力もすごいはずという期待もあって、安くない授業料を払います。
でも、教えてもらったのが、方言だらけで時代錯誤で文法もメチャクチャの、全く通じない言葉だったらどうします?
その国の言葉ならまだしも、実は違う国の言葉だったりしたら?
当然、看板に偽りあり、詐欺だ、カネ返せって話になりますよね。で、ハーバード出てるのになんでだ?ってネジこんでも、「ワタシはハーバード出たと言いましたが、外国語が上手とは言っていません。私は語学の専門家ではなく、趣味でやっています」なんて開き直られたら?
村井氏のやってるのは、そういうことです。本人たちが、自分たちの情報にウソ、インチキがあることを知りながら、正しい情報として「販売」しているとしたら、刑法の詐欺罪が成立することなんですよ。
それを指摘することが、どうでも良いことでしょうか?
このブログの文章は、対象を小バカにしたような表現ですが、これは意識的な演出です。この程度の輩に、まともに取り合う価値はない。でも、巨大なインチキは事細かに検証しないと、その全貌が見えずにダマされる。
そういう人を少しでも減らしたいので、私はこういうことをやっています。
もちろん、不快に思う方がいるのは重々承知。それでも、インチキはインチキなのです。
真っ当な科学者のみなさんが、こぞって村井氏の理屈を科学的に、理路整然と否定しています。それはどうでも良くありませんね。
私は科学者ではないので、一般人目線で否定している、というわけです。
投稿: てば | 2016年5月31日 (火) 09時21分