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2016年5月17日 (火)

茨城県で震度5弱+その他諸々(#1197)

Image_2
5月16日の地震発生1分後の強震モニタ画像。表示は加速度(gal)

昨日5月16日の午後9時23分頃、茨城県南部の深さ42kmを震源とするマグニチュード5.5の地震が発生し、茨城県小美玉市で震度5弱を観測しました。

震源に比較的近い埼玉南部の管理人宅では、最速で発報するケーブルテレビの緊急地震速報前に、ズシンという感じのたて揺れを感じました。

すぐに玄関部に移動する途中で、ケーブル、テレビ、携帯が緊急地震速報を鳴らし、玄関到着と同時に横揺れが始まる、という感じ。こちらの震度は4でした。

気象庁の発表によれば、発震機構は『北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型』とのことです。


いつもの地震


この地震は、東日本大震災後に関東南部で多発するようになった地震のうち、現在最も発生頻度が高い震源域の地震と言えます。

茨城県南部震源域のうちでも西寄り、埼玉県境近くの深さ40~70kmの逆断層で起きる『スラブ内地震』、もしくはフィリピン海プレート上面で起きる『プレート境界型地震』です。

管理人にとっては、ほとんど「いつもの地震」であり、緊急地震速報前に、最初のズシンというたて揺れを感じた時点で、「あ、茨城南部埼玉寄り震度4だ」と判断できたくらいです。

ちなみに、最初のたて揺れを、もしドスン!やドン!というくらいに強く感じたら、それは“近くて浅いくて大きい”、最も危険な地震です。

そのような地震は大抵、緊急地震速報より揺れが先か、せいぜい2~3秒の余裕しかありません。

そして最初のドン!やドスン!からほんの数秒で、激しい横揺れが始まります。その前に、身を守る体制を取らなければなりません。


皮肉な天の配剤?


熊本地震はまだ収束しないものの、しかし1ヶ月以上経過して、他の地域での関心が薄れつつある中で、関東で久しぶりに震度5弱が起きました。

言うまでもなく、両者にはメカニズム的に何の関係も無く、全くの偶然です。

しかしこの地震は、首都圏の人々に、地震災害は決して他人事では無い、ということを、改めて突きつけました。

その一方で、“地震で利益を得ている”連中を、一気に活性化するでしょう。

熊本と関東を構造線だトラフだ断層だと、一見もっともらしく見えるエセ科学で強引に結びつけ、怪しい学者や学者崩れを引っ張りだして、「日本列島全体が地震活動期に」とか根拠なくアオり、大都市圏の人々に「明日は我が身」という意識を持たせようとする。

それは、防災意識の啓蒙という美名の下に行われる、単なる数字取り、カネ儲けに過ぎません。大都市圏の人間をアオるのが、一番商売になるわけです。そんな手合いにとって、この地震は最高の追い風というわけです。

来週辺り、週刊誌などで『次は首都圏か!?』的なノリの企画が出まくるでしょうね。コンビニとかで、週刊誌の見出しをチェックしてみるのも一興です。


ここで、エセ科学者をごらんください


当然、あの村井氏も何らかの反応をするでしょうね。なんたって、自称『震度5以上100%的中実績』を誇っていますから、この地震を外したと言うわけには行かない。(管理人は、他の可能性もちょっと考えていますが)

村井氏は、最近になって東北-関東の太平洋岸や関東地方を、その根拠を論理的に説明することなく『警戒ゾーン』に加えています。

ここで、村井氏が言う最新の『警戒ゾーン』を、確認してみましょう。まず、今年3月のTV番組『Mr.サ○デー』出演時の図表。
Murai2

次に、4月発売の『週刊P』掲載の図表。
Murai16

ご覧の通り、最新版だけでなく昨年以前の過去も含めて、茨城県南部は『警戒ゾーン』に入っていないんですね。実際に多発している地域なのに。

でも、すぐ近くまではカバーしているから、きっと「的中した」と言い出しますよ。今まで“的中”も、全部そうなんですから。みんなでウォッチしましょう。もちろん、管理人も見逃しませんよw

まあ、それでも「先生すごい!」とか言っておカネ払ってくれる人がいるから、正義とプライドを捨てれば、おカネは集められるんですけどね。


それはさておき


地震は、人間の都合など一切お構いなく襲って来ますから、誰が何を言おうとやろうと関係なく、地震から自分の身を守る算段は、自分でやっておかなければなりません。

やったらやっただけ、災害から『生き残る』ことができる確率が上がる。そこまで酷くなくても、被災生活において、確実にいろいろ“楽ができる”のです。

なんてこと書くと、防災グッズ屋の宣伝みたくなりますが、当ブログの過去記事をご覧いただければおわかりいただける通り、管理人のセレクションには、いわゆる防災グッズとして製作されているものは、ごく少ないのです。

別に、防災グッズ屋が嫌いなのではなく、その方が安くて高性能で応用範囲が広いから、そうしているだけのことです。

なんてこと書くとw、なんだかグッズ優先みたくなりますが、大半の防災グッズは、あくまで“生き残ってから”役立つもの。

それ以前にやっておくべきことは、自分に危害を加える可能性の排除と、『その時』の行動を想定、訓練しておくこと。

それが、最も重要であることをお忘れなく。


■当記事は、カテゴリ『地震関連』です。


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コメント

都内の家が手狭になってしまい、かと言って年寄りもいて移住はなかなかできないので、我が家も埼玉南部にアパートを借りて二重生活をしています。昨日のは久々にガタガタっときましたねー。下の子はサッと勉強机の下に潜り込んだのですが、上の子はちょうどお風呂に入るため服脱いだところにガタガタ来たので驚いて素っ裸で飛んできました。

特に停電や棚が落ちたりといったこともなかったのでよかったのですが、揺れ次第ではひどいことにもなり兼ねないので裸で飛び出すのは言語道断と注意しました。
大きな家具は私のパソコン机くらいなものなので、壁や天井が落ちない限りは上から落ちてくるものはないんですが、それでも停電すれば何も見えないことになるので気を付けたいですね。

>tntさん

なんか最近、テンション下がっているんですよ。自分のブログが世の中を動かしているなんて大それたことは考えていませんが、相変わらず「明日南海トラフ地震が来る」とかのデマが騒ぎになり、少なくないエセ科学者とかが、全く筋の通らない「予知」をバラまき、それが真面目に検証されることもなく、メディアが数字取りに利用する。

エセ防災の専門家は、地震を利用して太り、そんな奴らをありがたがる人々が多数。

もとより、このブログは防災意識の啓蒙なんて考えておらず、「本当に役立つこと」を、その情報を必要としている方々にお伝えしたい、という目的でやっています。

だから世間はどうあろうと、需要がある限りやって行きたいと思っています。それでも、所詮は派手なクソ情報の方がありがたがられるのかなと。

次元が違うとは思いますが、なんかバカバカしくなってきたのも事実です。なんて、愚痴みたいですいません。

先日の地震は、関東では来た瞬間に「でかい!」と感じる規模でした。さすがにtntさん、お子さんに正しい行動を教育されていますね。実際の場面での教育に勝るものはありません。

私もいつも考えているのですが、風呂入っている時にものすごいのが来たら、どうすべきか。完全な答えは無いのですが、モノの準備である程度対処でき、平時の精神面でも、少し余裕ができることはないかと。

特に女性は、入浴中だったらどうしようと、不安に感じている方が多いですし、もちろん男性でも、困ったことになります。

それに対応して、実はあるモノを既に、中国の工場で試作しているのです。きちんとプロに頼んで。現在、量産してくれる先を探し始めています。正直、世に出せるかはわかりませんが、特に女性からは、かなり好評なんですよ。

ご想像の通り布ものなんですが、まとめて作って販売してくれるいい業者さん、いませんかねw

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