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2016年5月27日 (金)

村井氏の新ネタと言い訳を嗤いましょう【2】(#1199)

更新がしばらく滞ってしまいましたが、『週刊P』2016年4月25日発売号掲載の、“愉快なご老人”村井氏の記事を検証する2回目です。

1回目記事はこちらからどうぞ
村井氏の新ネタと言い訳を嗤いましょう【1】(#1189)

それにしても、お休みしている間に、熊本地震などに関して、村井氏から信じ難いほどの異常発言が連続しておりまして、本当にオツムは大丈夫なのだろうか?と思えるような状態です。

もう、子供の下手な言い訳みたいなレベルで、まともに検証するような対象じゃ無いです完全に。そんなのも順次お知らせしますが、とりあえずは『週刊P』から。


例の異常変動マップです


まずは、『週刊P』恒例の、『異常変動全国MAP』から行きましょう。まずは前回記事のおさらいから。

前回記事で指摘した通り、2015年から2016年に渡って冬を挟んだ時期の『異常変動』(=ノイズ)は、毎年のことながら、降雪地に集中しています。

電子基準点は、大気中の水蒸気量、すなわち降雨や降雪の影響を受けて、ノイズが出やすいからです。
Murai16
2015年以前より『異常変動』地点が減っているのは、村井氏が各界からの批判を受けて、「樹木の繁茂」などでノイズが出ることを理由に、データを採用する電子基準点を、独断で減らしているからです。

あくまで、「ノイズも考慮している」というポーズにしか見えません。で、前回記事で触れた通り、過去に『予知』に採用した電子基準点さえ、なぜか今は削除されているんですけどw

それに、樹木の繁茂などでノイズが出やすい電子基準点を削除するのは、お門違いもいいところ。最大の問題は気象条件による影響であり、得られたデータを精査して修正しなければ、正確なデータとはなりません。

村井氏は、それを一切やっていないのですから、最初から問題外ということです。これが『世界的権威』の現実です。


下手な鉄砲の狙いを変えた


今回掲載の図表で目立つのは、合理的な説明は何も無いうちに、今年の3月にいきなり『警戒ゾーン』に加えられた東北-関東の太平洋岸が、『震度5クラスの常襲地域』とかいうおどろおどろしいタイトルで、より強調されていること。

おまけに、『太平洋側は特に警戒』だと。良くもまあ、今更恥ずかしげもなくねえ。

そんなこと、震災後の様子を見れば誰でもわかっていますし、現実に震度5クラス以上の大きな地震が何度も起きているじゃないですか。でも、村井氏は、震災から5年経って、やっと『警戒ゾーン』としました。

これは、村井理論では震災後東北から関東で多発した大きな地震の前兆を全く掴めていませんでしたと、自ら認めているのに等しいのですがw

自分が『予知』していない地域で起きた地震は全く無視しつつ、やたら広い範囲を『警戒ゾーン』として、その近くで起きた地震を強引に『的中』とするのが、村井氏のスタイルなわけです。

ところが現実は、東日本大震災後、村井氏の『警戒ゾーン』内で起きた震度5クラス以上の地震は1回も無い、という体たらく。

なのに、メディアや本人は『100%的中』を喧伝しているという、バカバカしいにも程があるという状態です。


ちなみに、関東-東北の太平洋岸が、他の地域に比べていかにエセ予知屋にとって“魅力的”な場所か、防災科学技術研究所Hi-netからお借りした図表をご覧ください。
Hinet160527
これは5月20~27日に起きた地震の震央分布図です。ご覧のように、今でも東北ー関東の太平洋岸における地震発生回数は圧倒的であり、必然的に震度5クラスも多発する可能性が高いのです。

このエリアを入れておくだけで、“的中率”を上乗せすることができるわけですね。下手な鉄砲も、的が多い場所を狙えば命中率が上がるというだけのことです。

そして2016年5月16日、茨城県南部を震源として、茨城県小美玉市で震度5弱を観測する地震が起きました。

前述の通り、茨城県南部は過去も含めて一度も『警戒ゾーン』に入ったことがありません。さあ、この地震をどう理屈をつけて『的中』と言って来るのでしょうか。楽しみで仕方ないww


無関係のデータによる印象操作


もうひとつ目立つのは、九州。

記事には『九州は引き続き警戒』と、熊本地震を受けて、なんだかナメてるとしか思えない表記が。言うまでもなく、現在も活発な地震活動の中にある地域です。なお、掲載誌の発売は、最初の地震から11日後の、4月25日です。

でもさすがに『週刊P』、派手にアオりすぎて、危機まっただ中の被災者や関係者の反感を買わないよう、絶妙のさじ加減ですね。プロの仕事です。村井氏じゃなくて『週刊P』編集部ね。

ともあれ、本人の主張はともかく、熊本地震を全く『予知』できなかった村井氏ですが、4月20日発行のメルマガで、恥ずかしげもなく「阿蘇地方と大分地方は震度5以上に警戒」とか、偉そうに言っております。

誰でもまだ起きると思っている、ある意味で、今の日本で一番大きな地震の可能性が高い地域を指定しておいて、起きたら“的中”を宣言するつもりでしょう。


この図表の最大の問題は、震度7連続発生後に熊本地方の電子基準点が記録した大きな変動を、まるで村井理論と関係があるがごとくに表記して、それを元に村井氏が『九州は引き続き警戒』と、“被災者のためを思った警報”を出しているような印象操作がされていることです。

一応、村井氏の理屈では、地震の前に地表変動が現れる、ということになっていますが、『週刊P』掲載図に記された変動は、地震発生に伴って発生した断層のズレによるものです。というか、地震とは断層がズレた衝撃で地盤が揺れる現象です。

なにしろ、村井氏の理屈においては、断層のズレ、すなわち地震発生後の変動は、一切無関係です。日頃から「地震学の専門家ではないエンジニア」であることを殊更主張している村井氏にとっては、地震発生後のことは完全に『専門外』であり、村井理論としては無意味な変動データにすぎません。

なのに、いきなり「これも村井理論で予測された変動」と思わせるような、巧妙な印象操作、というわけです。

こんなこと、熊本や大分の方は、今更村井予知などどうでも良いのでしょうが、他の地域に与える印象が全く違います。

ところが、実はこの数値も意味不明なのです。村井氏にとって、「数値なんか本当どうでもいい、自分の印象がすべて」なのかが、良くわかります。


上でも下でもどちらでも


図表には、熊本県の4つの電子基準点に、地震発生後に現れた変動数値が示されています。
■熊本 28.07cm
■城南 25.21cm
■長陽 27.95cm
■阿蘇 8.09cm

と、毎度ながら10分の1ミリ単位まで記されていますが、電子基準点て、そんな精度ありましたかね? とりあえず、地震発生から11日後という『週間P』発売時期からしても、例によって補正前の生データなのでしょうが、こんな数値見つかりません。

国土地理院が公開している、震央周辺における、M7.3地震後の電子基準点変動データがこちらです。ウェブサイトで一般公開されているデータは、ご覧の通り。

■垂直変動
Afterm73ver

■水平変動
Afterm73hol

なお、これはいわゆる生データである『速報解』を、一度精査した『迅速解』の段階です。ノイズなどを完全に除去した『最終解』を導くには、まだ多くの手間が必要なのです。

そんなデータを、村井氏は生のまま使い、動いた動いた地震が来るぞと騒ぎ、金を取ってバラ撒いているわけです。 それにしても、数値が全然違うのは、一体何故なのでしょうか。全く意味不明ではあります。

さておき、数値の違いはともかく、垂直変動図を良く見てください。近隣の電子基準点でも、隆起しているところと沈降しているところがあります。

今回、熊本で動いた断層の主な動きは横ずれですが、それに伴って、狭い範囲でも激しい上下動が起きているのです。

なのに、記載された数値にはプラスもマイナスもなし。あれほど「一斉沈降」とか騒いでいて、それを警戒の拠り所にしていたはずなのに、とりあえず、出所も曖昧なでかい数字だけ並べて、インパクト狙いでしょうか。

この数値が村井氏から提供されたものか、『週刊P』側がネタのために独自に拾ったものかはわかりませんが(恐らく村井氏からの提供でしょう)、こうやって公開された時点で“正しいもの”という前提で見られますが、こんな大ウソもあるのです。

その他にも、記事にはなんだかいろいろ書いてありますけど、どれもその根拠は無く、なぜそうなるかの理論も一切公開されていない、村井氏の頭の中だけに存在する理屈ですから、このへんにしておきましょう。

でも、まだ終わりではありません。次回は、記事本文における村井氏の発言についてです。

これがまた笑えるんだww

■当記事は、カテゴリ【エセ科学・オカルト排除】です。


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