【東京防災ってどうよ01】お待たせしました始めます(#1205)
かねてから予告はしていたものの、インチキ地震予知をイジったり、熊本地震関連の記事をやっているうちに、すっかり出遅れてしまったシリーズ、始めます。
いよいよ、あの『東京防災』にツッコむ、題して【東京防災ってどうよ】です。
実はベストセラー
『東京防災』とは、東京都の全世帯に、無償で配布された防災冊子です。

地域によって内容に若干の差があり、ネットオークションでは、なんでも渋谷区のものが一番高値がつくそうでw確かに、渋谷駅周辺など、防災的には都内有数の危険地帯ではありますね。
その後、東京都庁や都内の主要書店で有償販売されましたが、予想以上の人気であっという間に品切れとなり、重版の予定も立たない、という状態がしばらく続きました。
埼玉県民の管理人は、その頃都庁や主要書店の在庫を探し回ったのですがどこにもなく、結局人伝てでお願いして譲ってもらい、やっと入手しました。タダじゃありませんw
現在は大量に重版されて取り扱い書店も増え、ネットショップでの取り扱いもあって、比較的簡単に手に入ります。
熊本地震の発生後は、またかなりの勢いで売れているようですが、それは、もちろん東京都以外からの需要ですから、もう決して、東京都民だけの話では無いのです。
なお、有償頒布されている版は、地域による違いが無い共通版です。
このように、防災本としては事実上、史上初のベストセラーであり、“防災本のマスターピース”のような存在になっているわけですが、じゃあ内容に文句無いかというと、これがまたいろいろアレなわけです。
もちろん、大半の内容は“きちんと使えば役に立つ”ものです。でも、それが、誰にでも本当に役に立てられるようになるか?というと、大いに疑問なんですね。
その辺り、これからシリーズでツッコんで行きます。
そして真打も登場
参考として比較対照とするのは、民間防災・防衛マニュアルとしては、究極とも言える本です。
永世中立を宣言し、国民皆兵制度を敷くスイス国民必携の『民間防衛』です。もし、より高いレベルでの自主防災を目指されるのならば、早い話が『東京防災』では満足できないあなたの参考資料として、これ以上のものはありません。

お値段は10倍以上しますが。
『民間防衛』は、ある意味で『東京防災』が一番比較されたくない対象でしょうね。もちろん、バックグラウンドが異なるので、一概には比べられませんが。なにしろ、ビギナーとプロフェッショナルくらいの違いです。
その違いを一言で言えば、“真剣さとノウハウが違う”のです。
■『東京防災』は、東京都防災ホームページからデジタル版が閲覧できます。また、PDF版や電子書籍版も無償で配布されています。詳しくは下記リンクからご覧ください。
東京都防災ホームページ
■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。
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東京防災。読んでみたいと思っていました。ここでやってもらえるなんて、願ってもないありがたい話です(⌒‐⌒)
民間防衛は持っているので、これを機会に再読を…と思ったら、どこにしまったのか見当たらない! 絶対に捨てたり売ったりしてないはずなのに、引っ越しの時にどこに入れたんだあ!
宝の持ち腐れとはこのことですね💧
投稿: ぼたもち | 2016年6月14日 (火) 21時15分
>ぼたもちさん
これから、かなり細々とイジって行きますよw
でも、版権やらなんやら、かなり厳しそうなので、ビジュアルはあまり引用しないつもりです。あくまで内容をぶった斬ります。
これだけの体裁で、それなりに役立つ情報もたくさんあるのに、なんでこんなに印象に残らないというか、ユルすぎるというかを、つぶさに考えます。
結局のところ、我が国の防災の根本的な問題が見え隠れしているんですわ。
民間防衛は、読み物としても最高に面白いですね。でも当然ながら、その内容のハードなことと言ったらw
なんとか探し出してくださいw真っ赤で目立つし。
投稿: てば | 2016年6月15日 (水) 19時48分
以前からこのサイトを閲覧させて頂いておりますが、今回ちょっと気になることがあり、初めてコメントさせて頂きます。
「東京防災」ですが、東京都防災ホームページ(トップページ>防災ブック「東京防災」http://www.bousai.metro.tokyo.jp/1002147/
ページ内リンク先[「東京防災」報道発表(「東京防災」PDF版添付)])にて、pdf版を無料でダウンロードできます(ただし、ダウンロードは章ごとなどバラバラになっています)(別のリンク先[「東京防災」デジタル版]からはサイト上でデジタル版が閲覧できます)し、平成28年3月30日(水曜)より、複数の電子書籍サイトにて電子書籍版が無料配布されていますよ。
もしすでにご存知でしたら申し訳ありませんが、読んでみたい方への参考までに……。
ちなみに私は一応東京都民(伊豆大島在住)なので「東京防災」は配布されていますが、一世帯に一冊だけなので、予備として電子書籍版をタブレットにダウンロードしてあります。ただし、内容がいまいち物足りなくて、何度も読み返す気にはなりませんが(一応、一回は全部に目を通しましたよ(^_^;))。
投稿: にーな | 2016年6月16日 (木) 19時04分
>にーな様
有用な情報のご提供、ありがとうございます。
実は、私もWEB版の無償提供については知っておりました。ただ、このシリーズ記事の大きなテーマのひとつが、本としての構成ということもあり、とりあえずその情報はオミットしておりました。
でもおっしゃる通り、当ブログの記事をご覧になって、読んでみたいと思われる方もいらっしゃるでしょうから、今後は記事末尾にWEB版と電子書籍版の情報を掲載するようにします。既存記事にも、リンクなどを付け加えます。
にーな様は伊豆大島にお住まいということで、地震より火山噴火と豪雨災害が怖いですね。一冊の本ですべて十分に網羅するのは困難ではありますが、情報があるのに、お体裁程度にちょっとだけでは、かえって不満も残ります。
WEBと連動するならば、各項目ごとにWEBでさらに詳細な情報が見られるなど、「本気の」人に応えられる仕掛けも必要かと思います。
本の内容だけでは、まさに「ゆとり防災教育」でしかありませんね。
今後とも、よろしくお願い致します。また、ご意見ご感想など頂戴できましたら幸いです。
投稿: てば | 2016年6月17日 (金) 10時28分