2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

« 【シリーズUDL37】心理編9・『寄り添う』ということ(#1207) | トップページ | 【シリーズUDL38】心理編10・寄り添うにもハードルがある(#1209) »

2016年6月13日 (月)

【東京防災ってどうよ03】コンセプトは立派なんだけど(#1208)

今回から、『東京防災』の内容について考えるというか、ぶった斬って行きます。


何のために生まれた?


この『東京防災』は、東京都の全世帯に無償配布されました。

20億円という、ものすごい経費と手間をかけたビッグプロジェクトであり、小さな国以上の人口と財政規模を持つ、東京都ならではと言えるでしょう。

これだけのプロジェクトですから、行政だけでは困難です。実際に仕切っているのは、あの最大手の広告代理店。

それもあって、非常にこなれた部分も多いのですが、こと生命がかかった防災に関しては、その方向性で良いのか?という疑問も少なくありません。

なにしろ、『東京防災』本来の目的は、巨大都市東京をいずれ襲うことになる、巨大地震を主とした大災害から、都民が自ら『生き残る』力を養ってもらうことです。

ひとりひとりの『生き残る』力がアップすれば、犠牲者や負傷者が減り、被災生活の混乱も減り、ひいては行政への負担も減る(はず)。

『東京防災』は、そのための巨大な“先行投資”と言えなくもありません。


基本コンセプトとは


『東京防災』の表紙には、こう書いてあります。

『今やろう、災害から身を守るすべてを』

表紙を開くと、最初のページに、こう書いてあります。

『30年以内に70%の確率で発生すると予測されている、首都直下地震。あなたは、その準備ができていますか。』

次の見開きには、大きな文字で、こうあります。ちょっと長いですが、全文を引用させていただきます。

『もしも今、東京に大地震が起きたら。そのとき、家にいたら?地下鉄にいたら?真冬だったら?真夜中だったら?ひとりでいたら?守るべき誰かといたら?東京が一瞬にして姿を変えるその瞬間、あなたはどうする?今想像しよう。今正しい知識を得よう。今備蓄しよう。今家族や近所の人たちと話そう。一つひとつの小さな備えが、あなたを守る盾になる。人は、災害と戦える。今やろう。災害から身をまもるすべてを。』
Tokyodp
そしてご覧の通り、特大の文字で『今やろう』と。

表紙を開いて2ページで、この本のコンセプトが明快に示されました。こういうところが、行政だけの広報などではなかなかできない、実に“こなれた”部分です。

しかしこのコンセプト、当ブログがずっと提唱していることとカブるなあwいやもちろん、『東京防災』様(そしてD通様が)が素人のブログをパクったなんて言うつもりはありませんよ。

個人レベルの効果的な災害対策は、突き詰めれば常にこういう考え方になるのです。むしろ、こうじゃなかったらおかしい。これがもし、どアタマで『東京大地震の恐怖!』とか脅しているようでは、中身も推して知るべしでしょう。

派手なアイキャッチで注目を集める必要のない、ある意味で行政ならではの、望ましいスタイルと言えましょう。


そのために役立つのか?


コンセプトはわかりました。ならば、中身がついて来てくれないと。

『今やろう、災害から身を守るすべてを』というくらいですから、その『すべて』を明快に指導してくれなければなりません。

この時点で、『すべて』はとても多岐に渡りますよ、そんなに簡単じゃないですよ、ということが暗に示されています。災害対策は、『一つひとつの小さな積み重ね』なのです。

とにかくこの本を読めば、ひと通りのやるべきこととその理由がわかる。そうでなくてはなりません。


覚えてますか?


ではここで、『東京防災』がお手元にある方に質問です。

340ページあるこの本、全部読まれましたか?

複数回目を通された方はいますか?

目を通された後に、どの部分が記憶に残っていますか?

とりあえず、巻末の劇画、太陽の・・・じゃなかったw『TOKYO X DAY』は皆様お読みでしょうし、一番印象に残っているはずです。強烈なビジュアルの効果ですね。

あ、ちなみに、崩壊した東京の下町のシーン、さすがかわぐち氏という感じのリアルな表現ですが、あの、“危機管理ジャーナリスト”を名乗る渡辺実氏は、こういう状況で方位磁石(コンパス)が必要だって力説されてるわけですね。

(画像を掲載したいけど、いろいろアレなので断念w)

スカイツリーが見えなくても、帰る方位がわからなくなるようなランドマーク全崩壊などあるわけないというか、世界のどこの都市災害でも起きていないのに、あの御仁のアタマの中だけでは起きてるらしいですよwアホくさい。


さておき、管理人は思いました。

全文を読まれた方は、ほとんどいない。

複数回通読された方に至っては、ほぼゼロ

劇画以外で記憶に残っているのは、乾電池のサイズ変換とか、代用リュックサックの作り方辺りだけじゃないですか?いわゆるトリビアの類ですね。

あと、「テロ・武力攻撃」編。あれは、多くの人が初めて触れる情報でしょうし。でも、そういう情報があったと記憶していても、具体的な必要行動は覚えていないのでは?


はっきり言って、読んでいてつまらなくないですか?管理人のような防災ヲタでも、じっくり読もうというという気にならない。

ブログのための情報収集と思っても、集中力が続かない。

こういう情報に初めて触れる方でも、興味を持ってどんどん読み進んだ、という方はほとんどいないんじゃないかと。

内容だけでなく、構成がふんわりとしていて流れが見えず、いつの間にか違う話になっているような。

しかもユルくて緊張感の無いイラストばかりで、「ゆとり用教科書かよ!」という感じ。若い世代は文字ばかりじゃ読まないからイラスト多用しましたみたいで、なんだか若者バカにしてないか?

基本構成は、ユルいイラストがドカンとあって、それに関連するテキストが少々ということの繰り返し。しかし幅広い災害や状況を網羅しているから情報は総花的で、実用レベルでは無い、あくまで知識のための知識みたいで、じゃあ実際にはどうやるんだ?みたいのが多数。

では、被災後など困った時に調べやすい構成かというと、決してそうでもない。

『今やろう。災害から身を守るすべてを』という割には、本気でわからせる、やらせるつもりあるのか?と、ツッコみたくなる内容と構成ではないかと。

というか、身を守るすべてを一度に、それもすぐになんかできるわけ無い、ってのが現実ですけどね。

『東京防災』をご覧になった皆様、いかがですか?「これは役に立つ」と思われましたか?

管理人としては、都民や読者に何を伝え、何を、何から、どのようにやらせたいのか、さっぱりわからないのです。


次回は、個別の内容に入って行きます。

■『東京防災』は、東京都防災ホームページからデジタル版が閲覧できます。また、PDF版や電子書籍版も無償で配布されています。詳しくは下記リンクからご覧ください。

東京都防災ホームページ


掲載当初は143円だったけど、なぜか193円に値上がりしているのは何故なんでしょうね・・・


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。

« 【シリーズUDL37】心理編9・『寄り添う』ということ(#1207) | トップページ | 【シリーズUDL38】心理編10・寄り添うにもハードルがある(#1209) »

『東京防災』ってどうよ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【東京防災ってどうよ03】コンセプトは立派なんだけど(#1208):

« 【シリーズUDL37】心理編9・『寄り添う』ということ(#1207) | トップページ | 【シリーズUDL38】心理編10・寄り添うにもハードルがある(#1209) »