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2016年6月18日 (土)

【東京防災ってどうよ04】巨大な敵に立ち向かう覚悟はあるか(#1211)

『東京防災』は、巷ではかなり好評のようですね。ネット上でも、批判はほとんど見かけません。

でも良く良く見ると、行政の企画としてはかなり突っ込んだ内容やデザイン性の高さ、企画自体への賛辞などが主で、危機管理本としてのクオリティや、情報の質、見せ方に言及した的確な意見は、ごく少ないようです。

要は、今まで見たこと無い行政の企画と情報にちょっとびっくりして、「東京都やるじゃん」という感じが多数かと。


それでも叩っ斬る


管理人は、あくまで「何をやらせたいのかさっぱりわからない」と叩っ斬ります。

おまえの理解力が無いんだろうと言われそうですが、曲がりなりにも管理人、こんな変態防災ブログをやるくらいの防災ヲタですよw

じゃあ見方がマニアックすぎるのか。でも、どんな世界でもそうですが、表向きは一見簡単そうなことの裏に何が隠れているか、それを見いだすには、マニアックな視点が不可欠です。

例えばスポーツ中継では、なにげないプレイの裏にある技術や修練などを説明できるのは、深い知識と経験を持った解説者であって、アナウンサーではありません。

そう。この本はまるで、アナウンサーが原稿を読んでいるだけみたいなんですよ。とにかく平板で、卒なくまとめているけれど、その裏の“熱”が感じられない。

そうなる理由のひとつに、行政が無償配布する本だということがありそうです。

内容や言い回しにクセが出ないよう、既存の市販防災本などと露骨にカブらないよう、特定の人の見解に偏らないよう、とにかく「ここはあれと似てる」とか思われないように、ものすごく気を遣っているように見えます。

情報ソースが限られている世界だけに、それは結構難しいことだったかと。その他にも、“関係各方面への配慮”が見え隠れしていて、切れ味を鈍らせているような。

だってこの本、東京での防災関連本の売り上げを、確実に激減させてますよ。講演にしても、聴衆の防災知識レベルを確実に押し上げてますから、半端な『専門家』は、相当やりずらくなっているはずです。『商業ベースの防災の専門家』にしてみれば、ものすごい民業圧迫w

だから、著作権がどうのとか言われないようにしないと、ということでしょう。なんたって、巨大企画『東京防災』を訴えて勝てたら、それはぶっといシノギになりますぜダンナwwまあ、D通様はそんなヘマやらんでしょうが。

でもどうせなら、この際半端な『専門家』には、ぜひ引導を渡していただきたいものですw

と思ったら、コンパスでおなじみのw渡辺実氏は早速、『東京防災』に難癖つけて商売やってますよ。この大企画に呼ばれなかった恨みでもあるのでしょうかwでも、元手はタダで話題性抜群だからな、あの連中にはオイシイね。

ちなみに、『本冊子掲載の漫画・図・写真の無断複製、転載、複写、借用などは、著作権法上の例外を除き禁じます』と明記されてますから、そういうの得意な『専門家』の皆様、講演とかでもやっちゃだめですよww

ライブショーで放送禁止用語とか言っちゃうのとは、訳が違いますから。そういうとこ、見る人は見てますよ。管理人も含めてね。

ちなみに、当ブログでも多少は画像を掲載させていただきますが、画像による内容の提示が主目的ではないので、記載内容が鮮明に判別しづらい画像を使うことと、個人による非営利目的であることで、事実上、上記には該当しないと判断します。

でも、東京都さん問題あったらいつでも言ってくださいね。


体裁は整っている


さておき、『東京防災』の構成は、一応理にかなっています。

01章は、大震災シミュレーション
”その時”何が起こるか、そこでどうすべきか、避難生活の心得、生活再建へ向けての知識が示されます。

02章は、今やろう、防災アクション
防災用備品・備蓄、室内・室外の対策、地域・職場等でのコミュニケーションの必要性など、『今やろう』という優先度の高い、具体的情報が示されます。この本のメインと言えるでしょう。

03章は、そのほかの災害と対策
大雨、暴風、土砂災害、落雷、竜巻、大雪、噴火、感染症、そしてテロ・武力攻撃に対処するための知識が示されます。

04章は、もしもマニュアル
応急救護法など緊急、水やトイレなど衛生、被災生活での代用技術など生活、通信に関する各項目についての情報が示されます。

最後の05章は、知っておきたい災害知識
地震、津波、台風などのメカニズム、大規模災害の記録、被災時に役立つ行政対応や支援制度、各種行政窓口、外国人向け情報などの、各種インフォメーションです。

そして巻末に、かわぐちかいじ氏描き下ろしの劇画『TOKYO X DAY』という構成。

このように、最初に状況が示され、それに対する優先度の高いアクションが示され、その他の知識が示され、最後にお役立ち情報的な構成です。

特に優先度が高い情報には、『今やろう』マークがついていますし(でも多すぎますw)、章構成自体には、それほど問題は無いように見えます。


誰に何を伝えたいのか


なのに、なんでこんなに大切なことが頭に入りづらく、印象も弱いのでしょうか。これは管理人だけの印象でしょうか?

さらに、既に知識を持っている人や、現場での経験がある人が見れば、「ここは足りないだろう」とか「これはいらないだろう」、「なんでアレが無いかなぁ」などと思う部分も多いはず。

もっとも、制作側も本の内容がすべて読者に伝わるなどとは考えていないでしょう。極端な話、イラストの印象だけ残って、『こういうことが起こるよ、何もしてないと大変だよ』くらいに思われれば良いとか。つまり“ゆとり向け”的な。

でも、普段から防災について考えていない層を目覚めさせる効果は、あまり無さそうです。そんな層は大半が、パラパラとめくって終わりか、開くことさえ無いかもしれない。

こういう企画でコアターゲットになるべきは、巨大災害には不安を感じているけれど、具体的な知識や対策が後手に回っていることを自覚している、きっかけさえあれば能動的に動き出す層のはずです。

そして、そのような層が最大多数になるはず。

果たして、そういう人たちに、本当に役に立つ情報を効果的に伝えられる媒体かというと、とても効果的とは言えないと、管理人は考えます。

端的に言うと、情報が総花的で、その多くが“尻切れトンボ”になっていることが、大きな問題のひとつ(具体的には、後記事で指摘して行きます)

はじめに文字数ありきで(それも少なすぎ!)、項目による情報量の差には対応していません。多くの項目が、すべて同じ文字数で語られること自体がナンセンス。 必然的に、要約しすぎになる。

ですから、読者がこの本を読んで、ある程度の知識を得たことや、多少は具体的な行動を始められたことに満足していても、『本番』で“本当に役に立つとは限らない”ということです。 大半はこんな感じです。
Tb1
Tb2
とりあえず、もうちょっとイラスト小さくして、その分文字情報量増やせよ、という感じですね。 絵本じゃないんだから。


敵はあまりに巨大だ


もちろん、どんなことでも何も知らない、何もしないよりははるかにマシ。

でも、最大の危険を効果的に避けられるようになるためには、すなわち、本当の意味での『今やろう。災害から身を守るすべてを』を実現するためには、この本の伝え方も、情報の分量も内容も、全く不十分だと考えます。

なにしろ、『東京防災』の主戦場は、世界有数の人口と間違いなく世界最高の集積度を持つ巨大都市の真下で起こる巨大地震、言うなれば人類史上最大の被害になり得る超巨大災害なんですよ。その“覚悟”はあるのか。

甘過ぎます。


次回へ続きます。


■『東京防災』は、東京都防災ホームページからデジタル版が無料で閲覧できます。また、PDF版や電子書籍版も無償で配布されています。詳しくは下記リンクからご覧ください。

東京都防災ホームページ

■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。

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『東京防災』ってどうよ」カテゴリの記事

コメント

東京防災、私も入手しましたよ!埼玉民だけど!!!
都内各所を廻って入手したけど、イラストの多用とあっさり説明で読みやすく知識の平均レベルや裾野を広めるにはいいけどあと一歩が欲しかった。

それよりも、近所のホームセンターが市のハザードマップと避難所マップを印刷して売場に提示していました!毎月日本の何処かで異常事態が起きるので防災の意識は高まってきているのだど思います。けど、「防災用」と銘打てば只の軍手が6000円位の防災セットにしれっと入っているのはね、、、

こんにちは。

この本を第一印象は「ふ~んなかなかヤルじゃん」
ちょっと読んでみると「序論の次は・・・終わりかい!」
感想「都民の税金で政治家の人気取り、パフォーマンスかい!」

こんな感じで本棚の肥やしになってますね。
役に立たないとまでは言いませんが各論が薄すぎて・・・

まあ取り組みとしては良いのですがね
批判ばかりで対案を出さないのは卑怯だと思いますのでこの辺にしておきます。
私の代わりにてばさんがガツンとやって下さい。
私は草葉の陰で応援しております。

>クラール様

コメントありがとうございます。

都民じゃないのに、早い段階でおカネ払って入手したレベルの方には、かなり物足りないのは否めませんね。

初の試みだし、わかりやすさを優先したという感じではありますが、やはりビギナー中心の「ゆとり教育」なのかなと。

災害が増え、防災意識は確実に高まっているのですが、じゃあどうすればという情報が本当に弱い。どうしても水だ食品だトリビアだに偏って、被災地の本当の教訓が伝わっていないんですよね。

ホームセンターのやり方は、良いですね。漠然とした災害の恐怖を、地元の身近な危険として可視化するのは、少なくとも防災商品の売り上げには貢献するでしょうw

でも、市販の防災セットもかなり問題が多くて。過去記事で何度も指摘していますが、採算優先で、性能が量が不十分なものがとても多いのが現実。

軍手の例など最たるものです。私ならば、厚手と薄手のゴム手袋を複数セットしたいところですが、コスト的に軍手10組の方が全然安いという。

それどころか、軍手ひと組なんてのが平然と売られています。

『東京防災』も、つまるところそんな感じなのかなぁと。これからネチネチやって行きますw

ぜひまたご意見ご感想など頂戴できましたら幸いです。

>whokiさん

毎度ありがとうございます

そうですね。とっつきはなかなか。でも、激しく底が浅いw後で指摘しますが、致命的に間違った情報もあります。誰が監修したんだあれ。

あの知事が、辞任会見で「成果があったもの」の一つとして挙げたのが『東京防災』で、東京版『民間防衛』を作ろうとしたのでしょう。

でも、何が何でも都民を災害から救うんだ、という強い意志が感じられないのは、やはり”出すこと”が目的であって、内容にはあまり関わらなかったのかなと。正直、私もパフォーマンス臭を感じずにはいられません。埼玉県民ですがw

20億円かけるのならば、もっとやりようはあったでしょうよ、という感じ。

効果的な防災知識をあまねく広めよう、なんてのは夢ですよ。現実には、意識の高い人々をレベルアップすることで、波及効果が生まれていくものだと。

まあ、全体の意識を押し上げる効果は、かなりあったかと思います。でも現実的な効果は、もって3年でしょうな。おそらく継続はされないから。

私としても、そんな立派な対案が出せるわけじゃないですけど、押さえどころというか、「何をどのように伝えるか」という部分で、いろいろ言わせていただこうかと。

ほとんどは、「ここが違う」とか言う個別の話じゃないので、それほど切れ味は出せませんが。

てかwhokiさん、草場の陰はまだ早すぎますww

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