2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

« テロは対岸の火事なのか?(#1215) | トップページ | テロ関連記事リンク集(#1217) »

2016年7月 8日 (金)

【東京防災ってどうよ06】ここがダメなんだよ【2】(#1216)

『東京防災』の誤りや不備にツッコむ2回目です。


【024ページ】浴室


Bath
裸でいる浴室はケガをしやすい場所です。鏡や電球などのガラス類の飛散から身を守るため、洗面器などを頭にかぶり、すぐに浴室から出て安全な場所に移動します。

入浴中の地震、考えるだけで怖いですよね。で、『東京防災』での対処法が、上記太字部分です。どう思われますか?


浴室内での最大の危険は、その通りガラス類です。特に鏡の落下が怖い。でも、天井や壁に取り付けられた電球類が地震で割れた落ちたという話、聞いたことありますか?管理人はありません。

それに、浴室の照明はほぼ例外無く、軟質樹脂製の防水カバーがついているはず。電球の飛散は、まずあり得ないでしょう。ごくまれにはあるかもしれませんが、主な危険とは言えません。

浴室は、一般的には比較的狭い空間に柱や壁が集まっているので、構造強度的には比較的強い場所でもあります。

マンションなどのユニットバスの場合、鉄筋コンクリートの躯体構造の中に、強化プラスチック製のバスユニットが組み込まれていますから、建物が完全崩壊でもしない限り、天井の剥落などもなく、かなり安全性が高まります。

さらに、バスタブという強固な『シェルター』もあります。

天井や梁が落ちるような場合でも、バスタブの中に入れば、生存空間が残る可能性が非常に高くなります。自力脱出できなくなる可能性もありますが、最悪の場合の逃げ場はある場所なのです。

木造家屋の場合は、完全崩壊したとしても、バスタブまで押し潰されることはまずありません。 そしてバスタブは、大竜巻の場合の最後の逃げ場でもあります。

しかし、何より入浴中の最大の問題は、素っ裸だということですね。それが、避難行動の遅れに繋がりやすいのです。


ピントのズレとやっつけ仕事


それに対処する方法が、冒頭の太字部分だそうで。

浴室で洗面器を頭にかぶれという話、管理人は『東京防災』で初めて見ました。そんなことしても、鏡の落下、飛散には何の効果も無い。鏡でやられるのは、腰から下です。

一戸建てだと窓の大きな浴室もあり、ガラスの危険はさらに大きくなりますが、洗面器ヘルメットに何か意味がありますか?

そして上記の通り、照明器具は大した危険ではない。どうも、洗面器はヘルメット代わりに最適という“トリビア”を書きたいがために、照明器具という頭上の危険をわざわざ作り出したようにしか見えないのですが。

監修した奴出てこいよ。


で、洗面器ヘルメットをかぶってどうするかというと、ほら出た『安全な場所に移動します』だって。

だから『安全な場所』ってどこなんだよ。それぞれの家で違うから特定の場所は書けない?書いちゃって、それに従った人が負傷して、後で訴えられたりしたらマズいから書かないということ?

それに、ここでは揺れている最中に浴室からの脱出を勧めているようですが、洗面器ヘルメットで片手が塞がれ、素っ裸で全身無防備のまま、おそらく停電している中を『安全な場所』へ移動しろと?

仮に、監修者がこれ以上の詳細を書きたくても、割り当て文字数が少ないから書けないわけですよ。

こんなやっつけ仕事で、誰の命を守れるというのでしょうか。


だからこうしろという話


ではどうするか。

浴室は前述の通り、建物の構造的には、比較的安全度が高い場所です。大昔の灯油式風呂窯とかでも無い限り、火災の危険も小さいでしょう。

しかも素っ裸で、窓が無いことも多いので、停電すれば昼間でも真っ暗になる。 そのような条件下での、効果的な避難行動とは。


まず、慌てて飛び出すことは避けるべきでしょう。洗面器をかぶりたかったらどうぞ。でも管理人ならば、片手が塞がれる方がイヤですね。

素っ裸で無防備、停電で視界も限られる中、揺れる居間などに戻ることは、危険極まりありません。まず浴室及び脱衣所で、脱出体制を整えるべきです。

そこで必要な要素は2つ。
■停電下での視界を確保する
■屋外脱出できるレベルまで最短時間で身支度する


まず、暗くなりがちな脱衣所には、暗くなって人がいると点灯する、人感式センサーライトは必須でしょう。壁につけておいて、脱出時には外して持って行けます。1000円くらいから市販されています。

脱出前に、脱いだ服を着られる余裕があれば良いのですが、脱出が必要な規模の地震の場合、まず無理です。

そこで、脱出専用と割り切って、丈が長めのガウンやバスローブ、コート類を、脱衣所に常備しておくことをお勧めします。足の防護のために、スリッパなど履き物も必須。

寝室などにスリッパやスニーカーをとは良く言われますが、一番無防備な浴室は、ほとんど無視されてますね。


そこまで備えている上で、揺れている最中に動けなかったら、浴室から脱衣所のスペースで持ちこたえるべきです。

ただ、脱衣所に洗濯機や乾燥機がある場合、それが最大の危険です。倒れて来たり、最悪の場合吹っ飛んで来る可能性もあります。

ですから、浴室内で待機という選択肢も十分にあり得ます。もちろんこれは、すぐに倒壊しない程度の耐震強度が見込める建物の場合ではありますが。

それでも、倒壊が始まって逃げ場を失ったら、最後にはバスタブに飛び込むことです。

多くの場合で、浴室は廊下に面しています。モノが少ない廊下に出られれば、そこは屋外にも直結する、かなり安全な場所です。その時点で、ガウンなどを着ていて、スリッパを履いていて、手にはライト類があれば、その後の行動の自由度が、素っ裸の盲目状態とは比較にならないわけです。

入浴中の大地震に対処するためには、このくらいは必要ということです。

それを200文字かそこらで収めようというだけで、もうダメダメなんですよ『東京防災』は。しかも、いらん事まで書いてあるし。

まだまだ続きます。

■『東京防災』は、東京都防災ホームページからデジタル版が閲覧できます。また、PDF版や電子書籍版も無償で配布されています。詳しくは下記リンクからご覧ください。

東京都防災ホームページ

■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。

« テロは対岸の火事なのか?(#1215) | トップページ | テロ関連記事リンク集(#1217) »

『東京防災』ってどうよ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【東京防災ってどうよ06】ここがダメなんだよ【2】(#1216):

« テロは対岸の火事なのか?(#1215) | トップページ | テロ関連記事リンク集(#1217) »