【東京防災ってどうよ07】ここがダメなんだよ【3】(#1218)
『東京防災』の誤りや不備にツッコむ、3回目です。なお、このシリーズはかなり長くなりそうですので、専用カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】に、過去に遡ってまとめさせていただきます。
この『東京防災』、どうにも記事の表現に疑問を感じることが多いのです。重箱の隅をつつくようですが、大切なことなので、がんがん指摘します。
【028ページ】繁華街

落下物から身を守り、ビルの倒壊にも注意しながら、公園など安全な場所へ。広い所へ逃げる余裕が無い場合には、耐震性の高い比較的新しい鉄筋コンクリートのビルに逃げ込みます。人混みで最も怖いのがパニックになることです。人の多い場所こそ、冷静な対応が求められます。
繁華街の屋外で大地震が来たら、最大の危険はガラス、看板類、外装材などの落下物です。なのに『落下物から身を守り』だけですか?どうやって守るのですか?
ここで必要な行動は、
■歩道などビルからの落下物の飛散範囲から離れる
■バッグ、上着や腕で頭と首への直撃を避ける
■移動時は、周囲だけでなく上方も視認する
特に、ビル前の歩道など最も危険な場所から、最低でも10m以上の距離を取ることが必要です。
『人混みで最も怖いのがパニック』、その通りです。でも、『冷静な行動が求められます』って、みなさんパニクらないでくださいね、冷静にね、と言っていて、それができると思っているのでしょうか?
群集の秩序が保たれている状態でも、余震、爆発や、時にはひとりが上げた悲鳴がきっかけで、群集が一気にパニック状態に陥ることがあります。それがコントロールできるのならば、苦労はしません。
パニックの危険を回避するためにできることはただひとつ、群集に近づかないことしかありません。
駅などに集まっている群集の中には入って行かず、最低でも群集の辺縁部に位置取りして、パニック発生時の行動の自由を確保しておかなければなりません。
【029ページ】学校

教室で身を守るためには、飛散した窓ガラスの破片や照明器具の落下を避けるため、窓から離れ、机の下に隠れ、脚を持って揺れが収まるまで待機します。廊下ではすぐ窓から離れ、階段では転げ落ちないよう手すりにつかまります。揺れが収まったら、先生・教師の指示に従って行動しましょう。
もうお気づきでしょう。イラストのような一般的な教室で、『窓から離れ、机の下に隠れ』ということが両立できない場所があります。みんな大好き窓際列の子は、危険に晒されても止むなし、ということでしょうか。
イラストでは、大型テレビが吹っ飛んで来ていますし、実際に起こるでしょう。窓ガラスより危険とも言えます。席の場所によって、危険度が大きく異なるのです。
この文は生徒向けですが、それより学校側にガラスの飛散対策や備品類の固定を徹底させることが先決。東京都が予算つけてくれるんでしょwそれが完全ならば、何も無理に窓から離れることもありません。
それよりも、机上だけの発想で、同時にできないことを平然と“指導”している姿勢を疑いますね。
だから監修誰なんだよ。
せんせーい、イラストの真ん中の男の子、机の脚を持っていませーん。いけないとおもいまーすww
【030ページ】駅

落下物などから身を守り、ホームから転落しないよう近くの柱に移動。混雑して身動きがとれないときは、うずくまって揺れが収まるのを待ちます。地下鉄の場合、いち早く地上に出ようとしてパニックになる危険も。ホームから線路には絶対に下りず、揺れが収まったら駅員の指示に従います。
また出た『落下物などから身を守り』。やり方はイラストでご覧ください、ってことですかね。
駅のホームで一番落ちて来やすいものは、蛍光灯でしょう。他に駅名票、時刻表など、鋭い金属とプラスチックの破片となる、かなり危険なものもあります。
いちばんおかしいのは、混雑して身動きできなければ『うずくまって揺れが収まるのを待つ』と。身動きできない混雑では、うずくまることなんかできません。
ひとり当たりの占有面積が一気に2~3倍になりますから、みんながやれば、確実にホームや階段から人がこぼれ落ちるでしょう。
ギリギリ、片膝または両膝をついて踏ん張るくらいでしょう。イラスト左側の、上着をかぶった人のように、しゃがんだだけでは強い揺れで確実に転げ回ります。
ハイヒールを履いている場合は、どうしてもしゃがむ形になりやすいのですが、揺れが激しく、つかまる場所が無い場合は、思い切って膝をつくことです。
【031ページ】電車内

強い揺れを感知すると電車は緊急停車するため、人に衝突したり倒れる危険があります。座っていたらカバンなどで頭を保護し、立っている時は姿勢を低くして身を守る。満員電車では手すりやつり革にしっかりつかまり、足を踏ん張って倒れないように。揺れが収まったら、乗務員の指示に従います。
意味不明。『座っていたらカバンなどで頭を保護し』って、何のため?電車は、激しい揺れの中で非常ブレーキをかけて急減速中です。車内で落ちて来るものは、網棚の荷物くらいですが、座っている人の頭部を直撃するようなことは、ほとんど無いでしょう。
それより、ひとりで座っていたら椅子から転げ落ちるかもしれませんし、満員だったら、思い切り圧縮されます。ですから、必要なことは両足を思い切り踏ん張って、手すりなどに手が届けば掴まって、身体を保持することです。
揺れと減速Gの中で、重いバッグを頭の上に上げていること自体が困難でもあります。もし電車が脱線したら、凄まじい減速ショックが来て、場合によっては身体ごと吹っ飛ばされます。その段階でバッグを頭の上に保持することなど、全く不可能。
それでも、ある『防災の専門家』は、「電車が脱線転覆したら、頭を守れ」とか、暢気なことを言っていたりしますし。その程度の『専門家』が監修したんでしょうね。
なお、電車の中で大地震が来た時の基本は、とにかく掴まる、できるだけ姿勢を低くして重心を下げる、の2点です。そうすることで乗客同士による激しい圧縮に耐え、万一転覆した場合でも、怪我の程度を軽くできる可能性があります。
という感じで、細かく見ればおかしな事、できない事、役に立たないことが、『東京防災』には山ほど書いてあります。
これからもどんどんツッコみますよ。
■『東京防災』は、東京都防災ホームページからデジタル版が閲覧できます。また、PDF版や電子書籍版も無償で配布されています。詳しくは下記リンクからご覧ください。
東京都防災ホームページ
■当記事は、カテゴリ【東京防災ってどうよ】です。
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