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2016年7月13日 (水)

【東京防災ってどうよ08】ここがダメなんだよ【4】(#1220)

『東京防災』にツッコむ、4回目です。さて、あと何回続くんでしょうかねw


【034ページ】百貨店・スーパー・コンビニ


Conbini
百貨店、スーパー、コンビニでは商品の散乱やショーケースのは層などに注意して、階段の踊り場や柱の近くへ。コンビニでは買い物かごをなどをかぶり、身を守ります。

スーパーやコンビニが大地震に遭遇した時の映像は、報道やネット上でたくさん公開されています。

そんな映像の一例です。 1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)で、震度7に達した地域のコンビニの状況です。激しい音がしますので、再生音量にご注意ください。

映像を見ると、震度7クラスの場合でも、重心が低い陳列棚が倒れる可能性は、それほど大きくないことがわかります。しかし、棚は床の上を激しく動き、商品が一気にバラ撒かれます。

陳列棚の近くにいたり、棚を押さえようとしたりすると、激しく動く棚に“体当たり”を食らい、吹っ飛ばされる危険がありますから、強い揺れを感じたら、通路の交差点などなるべく広い場所へ、それが間に合わなければ、『通路の中央部』で、陳列棚からできるだけ距離を取ります。

特に、酒類などガラス瓶が多い売場に大きな危険があり、上のイラストも、そういうイメージなわけです。

しかしその際、“防災トリビア”として有名な、買い物かごで頭部を守るという行為が、どれだけ身を守ってくれるのでしょうか。 上動画のような状況で、そんなことができますか?

イラストでは、しゃがんだ状態でガラス瓶が落ちてくるという、一番危険な状態が描かれていますが、買い物かごかぶる前に、棚から距離を取る、ということを最優先するべきなのです。 しかし実際には、それほどのスペースが無いことも多いのが現実ですが。


できる人、やった人はいるのか?


管理人は、過去記事の中で、こう指摘しました。 (関連記事は文末にリンクします)

スーパーで大地震に遭った人で、実際に買い物かごで頭を守った人、ましてやそれで命拾いした人は、ほとんどいないのではないか。

現実の場面では、買い物の途中であり、地震が来たからと言って、かごの中の商品をとっさに床にぶちまけて頭にかぶれる人が、果たしてどれだけいるのか、管理人には無理だとも。

さらに、スーパーでは空のかごは大抵出入り口近くにあるので、それがすぐ手に取れる場所にいる人は、揺れがひどくなる前に、屋外に脱出する方を優先せよと。

すなわち、強度と衝撃吸収性に優れ、防護面積も広い、“防災トリビア”としては優れたネタとなる買い物かごも、実際の場面ではほとんど使えない、そんな記事は、興味を惹くだけに過ぎないと指摘したのです。実際、そうじゃありませんか?


ところが、まだこんな内容が堂々と。でも上のテキストを良く見ると、『コンビニでは買い物かごなどをかぶり』と、コンビニ限定なんですね。

コンビニでは買い物かごを使うことは少なく、でも、それほど広くない店内に何カ所かに空のかごが置いてあって手に取りやすいから、ということでしょうかね。

これは、長いこと“定番”としてきたことが、スーパーじゃ無理だと認めた、ということでしょうか?

まさか、当ブログの記事が影響したんでしょうか?wwwいや冗談じゃなくて、ネタ元が素人のブログだろうとそういうことがあり得るほど、安易な受け売りがはびこってるのが、この防災って世界なんですよ。

何度でも言う。監修者出て来い。


加えて、百貨店・スーパーでの初動にしても、『階段の踊り場や柱の近くへ』というのもどうかと。

強い揺れが来た時に、たまたま階段の踊り場にいる人なんて、買い物につき合われて疲れたオトーサンかお年寄りくらいでしょうw

柱の近くというのは、天井材が落ちにくい場所であるということと、建物が崩壊するという最悪の場面でも、生存空間が残りやすい場所、ということなのでしょう。

でも、百貨店・スーパー店内を思い出してください。柱の近くは棚の近くなんですよ。

それ以前に、百貨店などの実際の避難訓練では、激しい揺れが来たら、まず客をなるべく広い通路の中央に誘導し、頭を守りながら姿勢を低くさせる、ということが行われており、管理人もそれが一番合理的で安全な初動だと考えます。

なのに、『東京防災』様にはこんなことが堂々と。だから、監修者なんか言えよ。

ついでに付け加えれば、このネタなど、自分で買い物カゴをもって買い物なんか滅多にしないオッサン連中が頭だけで考えたことですよ。現実には、女性がこういう状況に陥る可能性が高いわけですよね。でも、女性目線は皆無。

女性目線でなくても、買い物カゴに強度があっても、激しい揺れの中で両手を使ってかぶるなんて、できやしないわけです。せめて、起震車の上でもやったことがある『専門家』は、ぜひ反論してくださいw

この世界、こんなのばかりだ。


【035ページ】地下街


Subground
停電で多くの人がパニックになり、非常口に殺到すると負傷の危険があります。落ち着いて落下物から身を守り、柱や壁のそばでゆれが収まるのを待ちます

なんと、ツッコむことはありません。おおむねその通りです。

管理人も、過去記事では地下街で強い揺れを感じたらすぐに動くな、通路の端に位置を取り、パニック状態の群集をやりすごす余裕を持て、としています。地下街は、地震でぺちゃんこに潰れることはまず無いのです。

イラストも、なかなか現実的です。地下街にはいろいろな店舗やショーウインドウがあり、出火、商品やガラスの飛散などの危険があるわけで、パニックに加えて、それらの危険からも身を守らなければなりませんが、そういう状況が描かれています。

ではなんでピックアップしたかというと、後ページにある関連記事で、ブチ壊しになっているからなんですよ。


トリビア書きたいばかりに机上の空論が


048ページには、各種の危険から避難する方法をまとめた『安全避難チェックポイント』というコーナーがあります。

その中の一項目で、せっかくの正しい情報を、なんと自己否定してしまっているという。これも、目を惹きやすい“トリビア”を出したいがための矛盾です。

そこには、こうあります。

【地下では壁伝いに移動】
停電した地下街は、パニックが起こる可能性が高い場所のひとつ。地下街には60mごとに非常口が設置されているので、ひとつの非常口に殺到せず、壁伝いに歩いて避難します。

Wall

地下街の出入り口が、最長でも60mごとに設置されているのは、建築基準法で定められた全国共通の基準です。ですから、暗闇でも壁伝いに進めば必ず60m以内に脱出口にたどりつける、という“指導”が、昔からの定番でした。

でも、ひとつ前のイラスト、ショーウインドが割れていましたよね。それだけじゃなく、商品や什器が通路まで散乱するでしょう。言うまでもありませんが、実際の地下街はこういう感じです。
Subgroud2
これは大阪の梅田地下街。まあ、どこでも似たようなものですね。

一体どこに伝って歩ける壁があるんだと。

過去記事でも指摘していますが、暗闇で壁伝いに進める場所など、地下駅のコンコースなどごく一部に過ぎません。

これなど、『壁伝いに進めば60m以内に出口にたどりつける』という“定番トリビア”を書くために、壁があって危険物も無いという話になってしまっているし。 前の関連記事を自己否定してます。

ただ『60m以内に出入り口がある』とだけ書き添えて置けば良かったのにね。


現実には、地下街は停電しても非常灯が点灯するでしょうし、それが無くても、地下店舗には非常用照明が用意してもあるでしょう。

さらに、スマホや携帯電話の明かりもありますから、完全な暗闇を手探りで移動するということは、現在ではまず無いわけです。

実はこのネタ、スマホどころか携帯電話が普及する前、すなわち個人が明かりを持っていない時代からずっと生き残っている“定番トリビア”というわけで、目を惹くネタのためには現実も曲げるという、これも防災の世界に良くある話というわけです。

まだまーだ続きますよ。

■関連記事リンク■
☆再掲載☆買い物編01【首都圏直下型地震を生き残れ!8/54】
☆再掲載☆買い物編02【首都圏直下型地震を生き残れ!9/54】
☆再掲載☆買い物編03【首都圏直下型地震を生き残れ!10/54】

■『東京防災』は、東京都防災ホームページからデジタル版が閲覧できます。また、PDF版や電子書籍版も無償で配布されています。詳しくは下記リンクからご覧ください。

東京都防災ホームページ

■当記事は、カテゴリ【東京防災ってどうよ】です。

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