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2016年7月27日 (水)

防犯にはまず『可能方法』を考えよ(#1229)

ひとつ前の記事(#1228)で、相模原殺傷事件に関係した記事を拙速でまとめましたが、書いたのが事件発生当日の午前中だったために、まだ詳細な情報がありませんでした。その後、新たな状況がいろいろわかってきましたので、改めて。


本質的には変わらない


昨日の記事では、犯行の動機は施設をクビになった私怨も原因のひとつとなったものの、その裏には過去多くの連続殺傷事件と同様の、『ゆがんだ自己主張』の発露があるのではないかと考えました。

しかし現実はさらに醜悪で、犯人は障害者に生きる権利を認めないという、ナチスドイツを彷彿とさせる過激思想に染まっていたようです。

しかし、過激な自論を他人に吹聴したり、政府関係者に自論を書いた手紙を届けるなどの常軌を逸したアピールは、やはり『ゆがんだ自己主張』の発露でしょう。

犯人は他への攻撃性向が強く、一時は措置入院をさせられていたとのことです。しかし仮に、犯行時は精神的に不安定であったとしても、やはり『ゆがんだ自己主張』に繋がる気質または素質を持っていたのは間違いなく、過去の類似事件と本質的には変わらないと考えます。

なぜなら、あれほど凄惨なことを平然とやり切るには、強い自己愛が不可欠、すなわち“自分のため”でなければならないからです。

犯人は、障害者の存在を認めないという自論を実行に移している自分に、強い高揚感を感じていたのではないでしょうか。管理人は、そう考えます。

この犯人の思想や行動は、犯罪史に残る特異なものです。でもその裏にある、他の存在や人間性に考えが及ばない、自己主張のためなら他を消去することを厭わない人間性や気質は、決して特異なものではなくなってきている、そういう時代なのです。


どうやって身を守るか


犯人の気質がどうあろうと、その“攻撃”から我々が身を守る方法は、あくまで『戦術論』です。

それにはまず、敵の『可能方法』を考えます。『可能方法』とは軍事用語で、敵がその目的を達成するために行い得る方法のこと。

例えば今回の事件の場合、仮に犯人の襲撃が予測できたならば、可能性が高い『可能方法』を、このように考えたでしょう。

■時間帯:職員が少なく、入所者が寝ていて攻撃が容易で、逃走時も目立たない深夜帯
■侵入方法:窓ガラスを破るのが最も容易
■武器:刃物、鈍器類
■襲撃方法:居室の鍵を入手するために、最初に職員を襲撃・拘束する必要がある
■移動方法:車の可能性が高い

このような『可能方法』があれば、例えばこういう対策になります。

■警察と巡回、通報、初動などについて相談しておく
■夜間には耐刃ベストなど防具を着用したガードマンを配備、鍵はガードマンが携帯し、職員巡回時は同行する
■侵入可能なガラス窓などを特定し、センサーやカメラで警備、異常があればすぐに110番する体制をとる
■施設内にさすまた、警杖などを備え、使用法の訓練をする
■屋外カメラを設置し、深夜帯に敷地に車が接近、停止した段階で、ガードマンが警戒態勢に入る

このような対策で、侵入を防げる可能性が飛躍的に上がるわけですが、4つ目の屋外カメラ監視は、もしやっていても、現実には施設から離れた場所に車を止めるという方法で、元職員の犯人に破られたわけです(テレビで流れたのは別施設のカメラ映像)

しかし、上記のような対策をしていれば、建物への侵入段階で感知、阻止できたか、最悪の場合でも警察に通報するくらいのことはできたはずです。このように、敵の『可能行動』を考えて、それに対する二重三重の防御を固めることができるわけです。

現実には、経費などの問題でガードマン常駐など難しいことも多いでしょう。でも、もしここが襲撃されるならどういう方法になるか、防ぐために何ができるか、その時はどう動くかという情報を共有しておくだけで、相当の効果があるのは間違いありません。

そして、例えば侵入しやすい窓下や隠れやすい場所には音が出る砂利を敷く、空き缶を並べる、人感センサーライトをつけるなどの簡単な対策で、実際の侵入を阻止する効果はかなり上がりますし、「ここは警戒が厳重だ」というアピールにもなるのです。

施設警備を考えられる際には、この考え方を参考にされてみてください。


災害対策より効果的


現実には、ほとんどの家や施設はこのような“攻撃”の対象になることは無いでしょう。

しかし、強盗犯や窃盗犯に狙われることはありますし、得体の知れない人物が侵入してくることも考えらえます。後者は、特に都市部で、これから顕著になって行くでしょう。

そういう時に慌てず、効果的な感知と対応、そして可能ならば反撃ができる備えをしておく必要があります。もし実際に被害に遭ってしまった時、あまりにも無防備だったとしたら、管理責任を問われることにもなりかねません。

このような犯罪対策は、相手が人間だけに行動がある程度は読めますし、それなりにコントロールすることも可能なのです。

しっかりとした犯罪対策は、自然災害に対する対策よりも、はるかに効果が上がることは間違いありません。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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