2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

« 【東京防災ってどうよ20】ここがダメなんだよ【16】(#1243) | トップページ | 【東京防災ってどうよ番外編】テロ・武力攻撃解説【2】(#1245) »

2016年8月24日 (水)

【東京防災ってどうよ番外編】テロ・武力攻撃解説【1】(#1244)

『東京防災』には、なんと『テロ・武力攻撃』への対処法まであるのです。

テロやミサイル攻撃も現実味を帯びるこの時代、知っておくに越したことはないでしょう。

しかし、多くの方にとって非現実的で理解しづらいこのネタを、軍事にはやたらウルさい管理人が補足・解説させていただきます。ツッコみではありませんので、番外編とさせていただきます。


【164ページ】テロ・武力攻撃


Terror


上のイラストでは、なんかサイレンが鳴ってますね。ではまず最初に、こちらのYoutube動画をどうぞ。最初に緊急地震速報のチャイム音が流れますので、再生は人のいない場所でするか、イヤホン等を使用してください。大きな音がしますので、音量にもご注意を。

これはJアラート(全国瞬時警報システム)の警報音集です。ご存じでしたか?巨大災害が発生したり、我が国の領域が攻撃下に置かれた場合、テレビ、ラジオや防災行政無線から、これが流れるのです。

弾道ミサイルやゲリラ・特殊部隊による攻撃時の警報音は、4分55秒から始まります。

ある日、こんな不気味な音がテレビや街のスピーカーから流れました。あなたはどうしますか?という話の前に、攻撃の種類について解説しましょう。


ゲリラや特殊部隊による攻撃


突発的に被害が発生することが考えられます。攻撃目標が原子力事業所などの場合は大きな被害が生じるおそれがあります。

まず、ゲリラとは何かという話。基本的には反政府、反国家集団などに属する戦闘・攻撃部隊のことで、少人数で攻撃、撹乱などを行い、すぐに姿をくらますような行動、いわゆる『ゲリラ戦』を展開します。我が国の場合、一般的には過激派の実行部隊をゲリラと呼んでいます。

次に特殊部隊ですが、所属は基本的に国家の軍事・警察組織です。選抜された精鋭に過酷な特殊訓練を施して、戦闘力はもちろん、知力・体力・精神力を極めて高いレベルにまで高められた、超エリート部隊です。

活動は少人数での隠密作戦が基本で、兵器による軍事的攻撃だけでなく、敵地に潜入しての情報収集や破壊活動(サボタージュ。“サボる”の語源)などから、協力者やスパイの育成、騒乱の扇動など、心理作戦まで手がけることもあります。

北朝鮮による一連の日本人拉致事件、あれがまさに特殊部隊の活動の一部だといえば、イメージできるでしょう。強制的な拉致だけはなく、接触を繰り返して信頼させて連行することもあったのです。

このように、我が国にも過去から何度も特殊部隊の潜入が繰り返されており、それを水際で阻止することは現在でも非常に困難なので、決して絵空事では無いということです。

なお、我が国にも陸上自衛隊の『特殊作戦群』、海上保安庁の『SST』(Special Security Team)、警視庁の『SAT』(Special Assault Team)をはじめとする各種の特殊部隊が存在し、隠密裏に他国の特殊部隊やテロ攻撃などの脅威に備えています。


『東京防災』の記事では、ゲリラとは非国家組織の戦闘員が日本国内で破壊や撹乱行動を行うことを意味していますが、国内の過激派などだけでなく、海外から潜入して来る可能性もあります。

一方特殊部隊は、国家に属する高度に訓練された兵士が日本国内に潜入・浸透し、隠密作戦を行うこと、というわけです。


記事中、原子力施設への攻撃に言及していますが、少人数の特殊部隊が使用するような兵器では、外部から原子炉などに致命的な損傷を与えることはできません。

最大の脅威は、原子力施設を敵性勢力に占拠されて、破壊や脅迫をされることです。原子力施設は、一旦中に入ればまさに“要塞”そのものであり、爆撃や重火器による攻撃もできないので、それが最悪のシナリオと言えます。

そのような事態を防ぐために、原子力施設には武装が強化された警察部隊『銃器対策部隊』が常駐警備を行い、その他の組織も隠密裏に警備を行っています。


弾道ミサイルによる攻撃


攻撃目標の特定が極めて困難で、短時間での着弾が予想されます

弾道ミサイルとは、目標に直接向かって飛ぶミサイルに対し、ロケットで打ち上げられ、放物線に近い軌道を描いて飛び(弾道飛行)、目標に到達する中・長距離ミサイルのことです。基本的なメカニズムは、人工衛星を打ち上げるロケットとほぼ同じです。

1万km以上を飛翔し、他大陸の目標まで到達する弾道ミサイルは、大陸間弾道弾(ICBM, Inter Continental Ballistic Missile)と呼ばれ、固定発射台、移動式発射台、潜水艦から発射されるタイプがあります。

潜水艦発射タイプは、特にSLBM(Submarine Launch Ballistic Missile)と呼ばれ、最も隠密性が高い弾道ミサイルです。

現在の我が国における最大の脅威である、北朝鮮のいわゆるノドン、テポドンなどと呼ばれるミサイルが弾道ミサイルですが、最近は新型のSLBMの開発も進み、発射が繰り返されています。

一方、我が国を仮想敵国とする周辺国の弾道ミサイルの中にも、我が国の領土を目標として設定されたものもありま す。これは実際に攻撃するしないに関わらず、可能性がゼロでなければ準備する、ある意味で軍事の常識と言えるものです。


弾道ミサイルは非常に高速のため、例えば朝鮮半島での発射を探知できたとしても、数分以内に我が国の領域に着弾しますから、警報が出されても対処する時間はごく限られます。

ただし、核弾頭ではない通常弾頭(爆薬)の場合は、直撃されず、爆心からある程度の距離と頑丈な遮蔽物があれば被害を防げる可能性が大きいので、極端に恐れる必要はありません。

問題は、発射を探知・警報できても、それがどの目標に向かっているかわかるのは着弾の直前なので、局地的な警報が間に合わず対処時間が無いこと、ミサイル自体の性能が低い場合は、落下地点が目標から何kmも逸れたり、全く違う場所に落ちる可能性もあることです。

このように、弾道ミサイルとは狙われたら防ぎ切れない、どこへ落ちるかわからないという、心理的恐怖を敵に醸成することが、最大の効果と言うことができます。


しかし、自衛隊と在日米軍の弾道ミサイル防衛能力は世界最高レベルにあるので、実際に発射された場合、迎撃ミサイルで破壊できる可能性はかなり高いと言えます。

迎撃ミサイルでの破壊に成功した場合、弾頭の落下・爆発は防げますが、破壊された破片が落下してくることもあります。

燃料タンクなどの大物が落ちて来ることもあるので、ミサイル警報が発表された場合は、安全が確認されるまで、地下や頑丈な建物に避難しているべきです。


なお、米国、ロシア、中国などが保有する高性能弾道ミサイルは、ミサイル一発につき6~10発の弾頭を持ち、宇宙空間で分離して、それぞれ別の目標を狙えるというものです。

弾頭が分離して大気圏に再突入する際には、長さ2m程度の小さな弾頭が音速の20~30倍で落下して来るので、その段階(ターミナルフェイズ)での迎撃はかなり困難です。

ですから、弾道ミサイル迎撃はロケットを噴射して上昇する段階(ブーストフェイズ)、宇宙空間を慣性で弾道飛行している段階(ミッドコースフェイズ)で行えるのが理想です。


我が国の現段階(2016年)での弾道ミサイル迎撃体制は、まず海上のイージス艦から発射するSM-3ミサイルで、高度500km~70kmの範囲で迎撃し、撃ち漏らしたミサイルがあれば、地上に配備されたペトリオットPAC-3ミサイルが、高度15km程度で迎撃する2段構えです。

また、近い将来米国が開発したTHAAD(サード 終末高高度地域防衛ミサイル Terminal High Altitude Area Difense missile)が配備される予定です。これは高度150km~40kmで迎撃しますから、3段構えの迎撃体制となり、世界最高レベルの弾道ミサイル迎撃体制が整います。

高性能迎撃ミサイルの配備は、“敵”にすれば莫大な資金と技術を投入して開発した弾道ミサイルの脅威を大きく殺ぎ、平たく言えば“脅しに使えなくなる”ので、配備場所ひとつでも国際問題になることもあるわけです。


次回へ続きます。


■当記事は、カテゴリ【東京防災ってどうよ】です。


« 【東京防災ってどうよ20】ここがダメなんだよ【16】(#1243) | トップページ | 【東京防災ってどうよ番外編】テロ・武力攻撃解説【2】(#1245) »

『東京防災』ってどうよ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/543100/64105388

この記事へのトラックバック一覧です: 【東京防災ってどうよ番外編】テロ・武力攻撃解説【1】(#1244):

« 【東京防災ってどうよ20】ここがダメなんだよ【16】(#1243) | トップページ | 【東京防災ってどうよ番外編】テロ・武力攻撃解説【2】(#1245) »