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2016年8月10日 (水)

【東京防災ってどうよ17】ここがダメなんだよ【13】(#1238)

『東京防災』にツッコむ、13回目。今回は、落雷です。 落雷編は、2回に渡ってお送りします。


【154ページ】落雷


Thunderstorm
雷は、命を奪うこともあります。高い所、高く突き出た物に、雷は落ちやすい性質がありますが、実は、落雷事故死の半数以上を占めているのが、ゴルフ場などの開けた平地にいるときと木の下で雨宿りをしているときなのです。雷鳴が聞こえたり、雷雲が近づいてきたりした場合は、速やかに安全な場所(鉄筋コンクリートの建築物・自動車・バス・列車の内部など)に避難します。

この部分は、おおむねその通りです。ただ、155ページの状況別解説も含めて、本当に大切な情報が抜け落ちているのです。


状況は厳しくなっている


雷が鳴ったら開けた場所にいてはあぶない、という意識をお持ちの方は多いかと思います。

実は管理人、雷の多発地域である群馬県出身でして、雷に対する経験値は、子供の頃から十分に積んでいます。

しかし近年、そういう経験をもってしても事前に予想しにくいような落雷事故が、確実に増えています。

地球高温化の影響でしょうか、雷を発生させる積乱雲が、昔に比べて大型化、強力化しているのは確実です。積乱雲は上昇気流で発生しますので、地表近くの気温が高いほど強い上昇気流が発生し、積乱雲を巨大化させるのです。

積乱雲の巨大化は、局地的なゲリラ豪雨、竜巻、突風、降雹、そして落雷被害の増加という形で、我々に襲いかかってきます。


最も危険な落雷とは


管理人が考える、最も危険な落雷は、ふたつあります。

ひとつは、雷がひどくないのに、突然起きる落雷。

もうひとつは、側撃雷(そくげきらい)です。

このふたつにより、実際に生命に関わる落雷事故が多発しています。

しかし『東京防災』には、あくまで一般論のふんわりした記述しかなく、生命に関わる危険な状況を警告していません。

少なくとも、雷がひどくなったら『絶対にやってはいけない』行動を明記すべきでしょう。とはいえ、それは実際にはかなり困難なことなのですが。


落雷事故が多発する場所


落雷事故に遭いやすいケースとしては、かつてはゴルフと釣りが筆頭でした。

どちらも、郊外や山間部、すなわち強い雷雲が発生しやすい開けた場所で、金属やカーボンなど導通性のある『棒』を振り回すという、危険極まりない行為です。

しかし、最近は雷情報が得られやすくなったり、避難施設の充実などの対策により、ゴルフや釣りでの落雷事故は、かなり減っているようです。

その一方で確実に増えて来ているのが、開けたグラウンドでのスポーツ中や、普通の街中での落雷事故です。

グラウンドや河川敷などでの落雷事故は、雷は遠くでゴロゴロいっているだけで上空はまだ明るかったり、場合によっては雷鳴や稲光は全く感じられない中でも、実際に起きています。

その最大の原因は、かつてに比べて積乱雲が巨大化しやすくなっているということです。積乱雲は、強雨や雷が発生している中心部の周りにも、非常に広い範囲にまで広がっています。
Cb
上画像は気象庁資料からお借りした、巨大に発達した積乱雲です。雷雨や突風が発生するのは中心の柱状の部分ですが、上部は成層圏に到達して横に広がり、これだけ広い範囲を覆っているわけです。

この、横に広がった部分(形状が金床に似ていることから「かなとこ雲」とも呼ばれます)の下では、まだ良く晴れていて、遠雷くらいしか聞こえないでしょう。

しかし、強力な積乱雲の場合、低く垂れ込めた中心部以外からでも落雷が発生することがあり、積乱雲が巨大で勢力が強いほど、その危険は大きくなって行きます。


一方、開けた場所はもちろん、街中でも起きやすいのが、側撃雷(そくげきらい)です。

強い雷雨の中では、ビル、鉄塔、電柱、立木などへの落雷は、かなり頻繁に発生しています。

このうち、ビルや鉄塔のように避雷針とアースが設置されている場所は、雷の電流はアース線から地中に流れますから、側撃雷はおきづらいのです(絶対に起きないわけではありません)。

しかし、特に立木に落雷した場合、電流のほとんどは幹や枝葉の表面を流れます。その時、幹や枝葉の近くに他の物体があると、雷が『飛び移る』ことがあり、それが側撃雷と呼ばれます。
Sideattack
これも気象庁資料からお借りした、マネキンによる実験画像です。これは小さな木での実験ですが、もちろん大きな木の下の方が、より起こり易くなります。

強い雷雨の最中に、幹の近くに電気を通しやすい人体がある、すなわち雨宿りをしている時は、側撃雷を非常に誘発しやすい状況なのです。

では、どうしたら良いのでしょうか。 次回へ続きます。

■『東京防災』は、東京都防災ホームページからデジタル版が閲覧できます。また、PDF版や電子書籍版も無償で配布されています。詳しくは下記リンクからご覧ください。

東京都防災ホームページ


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。


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