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2016年8月26日 (金)

【東京防災ってどうよ番外編】テロ・武力攻撃解説【2】(#1245)

『東京防災』のテロ・武力攻撃、番外編の2回目です。今回もツッコみではなく、補足・解説です。

【165ページ】着上陸侵攻・航空攻撃

Terror

着上陸侵攻は沿岸部が侵攻目標になりやすく、航空攻撃は都市部の主要な施設が攻撃目標になることも想定されます。

“敵”の大軍が我が国の沿岸に押し寄せ、上陸用舟艇や水陸両用戦闘車両に分乗した大勢力が、攻撃しながら一気に上陸してくる状況です。

広い意味では島嶼部への上陸、占領も含まれますが、ここでの着上陸とは列島本土への上陸侵攻であり、他国が我が国の領土を広く占領したり、国体を転覆することを意図して行う全面戦争状態です。現代では、なかなか想像しにくい状況ではあります。

この場合、着上陸作戦が単独で行われることはなく、上陸地点や軍事拠点への航空攻撃やミサイル攻撃、内陸部への空挺部隊や特殊部隊の降下・潜入による破壊・攪乱工作、さらには社会インフラや反撃のための指揮命令系統の混乱を狙ったサイバー攻撃などが、同時に行われることになります。

そして沿岸部に安全な拠点(橋頭堡)が確保ができたら、戦車や大砲などの重火器や多数の兵員など大兵力を揚陸して、さらに内陸への侵攻を行います。その際、侵攻する先にはほぼ例外無く、事前に守備側の勢力を弱体化させるための航空攻撃や砲撃が行われます。

現代の航空攻撃では、ピンポイント爆撃が可能な精密誘導爆弾も使われるかもしれませんが、それを大量に保有しているのは米国など一部の国だけなので、現在北アフリカ地域で行われているような、多数の無誘導爆弾による広範囲の爆撃も行われるでしょうし、遠距離からの砲撃の場合は、事実上の無差別攻撃となります。

もしそんな状況になったら、防空壕ひとつ無い現代都市では、対処方法は限られます。現実的には地下室、地下街と地下鉄のトンネルくらいしか有効な避難場所はありませんが、皆が入れるわけでもありません。

そういう状況、すなわち他国との戦争状態にならないようにすることが、最良の対処法ということです。(政治的意図はありませんからね。念のため)


化学剤などによる攻撃


化学剤、生物剤、核物質を用いられた場合、人体に影響があり、特別な対応が必要になってきます

なんともふんわりした記述ではありますが、毒ガス、病原体、放射性物質が散布される、事実上の無差別攻撃です。

散布方法は、軍事的にはミサイル、爆弾、砲弾によるものが主となりますが、簡単な装置や手順でも散布が可能です。

一見、非現実的な話に思えますが、我が国は世界で初めて、そして唯一非国家組織によって毒ガスが製造され、実際に散布されて犠牲者が出た国です。オウム真理教(当時)による、いわゆる松本サリン事件や地下鉄サリン事件など、未遂も含めた一連の毒ガス事案です。

また、同教団は東京都世田谷区で異臭騒ぎを起こしたことがありますが、あの事案、実は致死性病原体である炭疽菌を含んだ液体を、教団が拠点とした建物から散布した生物テロでした。

あの事案では、菌の培養や加工技術の不備により、実際に感染が発生することはありませんでしたが、少し状況が違っていたら、地下鉄サリン事件以上の犠牲者が出ていたかもしれません。

それを、特定の集団による特殊な例とお考えの方が多いとは思いますが、例えば国家レベルのバックアップがあれば、これからも日本国内で比較的簡単に実行できるのです。

米国内では、テロリストが炭疽菌を粉末状に加工して、郵便物などに仕込んで拡散するという方法で、感染者や犠牲者が出ています。


一方、放射性物質による攻撃は、なにも核爆弾を作らなくても良いのです。

放射性物質を爆弾で爆発・飛散させたり、航空機やドローンで散布して環境をを汚染する、水源地に投げ込んで水を汚染するなど、特別な知識や技術が無くても、効果的なテロ攻撃が可能です。

『東京防災』167ページには『ダーティボム』についての記述がありますが、それは核爆発の後に高濃度の汚染を残すタイプの核爆弾のことです。しかし、単純に放射性物質をばらまくだけの爆弾も、『ダーティボム』の一種と言えます。

現実には、このような攻撃は国家レベルでは考えづらく、主にテロリストが国家等にダメージを与えたり、社会活動の停滞や心理的恐怖の醸成を狙って行うものと考えられます。

その場合でも、テロリストと特定の国家が結託するなどの可能性は常にあり、これからも決して絵空事ではないのです。

対処法などについては、次回へ続きます。


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。


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