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2016年9月 8日 (木)

【東京防災ってどうよ26】ここがダメなんだよ【22】(#1254)

『東京防災』にツッコむ22回目は、英語編の2回目。
English

前回記事のラストで登場した「言葉は度胸!」 という言葉、管理人の友人である米国人英語教師の言葉なんです。実に本質を突いた言葉だなと。

喋る前に考えてちゃ、ダメなんですよ。

というわけで、今回は2ネタお送りします。


家族を探しています


質問:I am looking for my family.
(家族を探しています)

答え:Please visit an emergency shelter near your home and ask staff there for information.
(家族が住んでいたところの近くの避難所で、係の人に聞いてください(近くの避難所を案内)

学校で習うイディオムの代表格、look for~が出てきましたね。似たものに、look forward to ~(~を楽しみにしている)てのもありますが、どちらも実際の会話で良く使います。

さておき、質問文はともかく、答えがなんとまどろっこしてくて非現実的なことよ。

こういう構文ができる人にはこんなマニュアルほとんど必要無いし、できない人には覚えることもできないんですから。仮に丸暗記しても、状況が変わったら応用も効かない。

てか、監修してるの絶対に日本人だぜw それも、昔の英語教育にどっぷりの『大御所』という感じ。


まず、相手に指示するのに頭にPleaseなんかいらない。お願いしてやってもらうわけじゃないんだから。日本語における丁寧語のニュアンスはありません。

動詞も、わざわざvisit(訪問せよ)なんて言う必要なし。どこかへ行けと指示する場合は、すべてgoで大丈夫。

なんか変に難しい単語使いたがるんだよね日本の学校英語はw

ここで伝えたいことは、「家族が居た場所の避難所で情報を得よ」ということですよね。

管理人ならこう言います。文法的にどうのじゃなくて、できるだけシンプルに伝えるのです。

Go evacuation area near your home, and get imformation.

これで確実に通じるし、行ったらば誰でも係員ぽい人見つけて声かけますって。

ちなみに、goは実際の会話でも良く出ます。行くという意味だけでなく、~になる、という意味でもネイティブは良く使いますよ。

例えば、良くなる=go better、暖かくなる=go warmのように。管理人も、困ったら強引にgo+形容詞を使ってしまいますが、大抵通じます。

なお、上のgo betterも、もっとシンプルにgo goodでも通じるというか、ネイティブが良く言います。かなり便利ですよgoは。

では次のネタ。これ、シリーズ最強ネタかもしれませんw


避難場所はどこですか?


質問:Please tell me the way to evacuation site.
(避難場所はどこですか?)

答え:Let's go together.
(一緒に行きましょう)

おっといきなりevacuationが出てきましたw監修者変わったのかな。てか統一しろよ。

ここではevacuation siteと言っていますが、他に場所を表すのに、前出のarea(地域、区域)、place(場所)、venue(会場、施設)時にはfacility(施設)辺りが出てくるかもですね。

てか、そこじゃないんです。

この、日本人には馴染みの Please tell me the way~ という表現、ネイティブは絶対というほど使いません。こんなの教えてるの日本だけじゃないですか?

管理人が、「英語教師め大ウソ教えやがって!」と一番思うのがこれですよw

道を訊ねる時は、
How to get to ~?
です。

我々が例えばセントラル駅への道を訊く時は、丁寧にこんな感じが良いでしょう。

How to get to the Central Station from here please?

若い方は知らないかもですが、以前NHKでやっていた米国の英語教育番組、セサミストリートのテーマソング思い出してください。

最後に『Can you tell me how to get, how to get to Sesame street?』(セサミストリートへはどう行くのか教えてもらえますか?)って歌ってますよね。子供の頃からそう教えられている人が、道を訊ねるのにPlease tell me the wayなんて絶対言わない。

セサミストリートのテーマソング、リンクしちゃいますw

Please tell me the way~てのは、おそらく昔ながらの丁寧なイギリス英語なんでしょうね。でも、アメリカ英語が通じやすい地域で道を訊ねる時には、あり得ない言い回しということです。現実には、ほとんど和製英語に近いもの。

ただし、道を訊ねる以外で教えてほしいことがある時はあり得なくも無いし、私たちが何か教えて欲しい時は、とりあえず相手に伝わる表現ではあります。 でも、道を訊くにはNG。


さて答えです。Let's go together.と、さりげなく行き先を知っていて、一緒に行ける状況になってますね。

では避難場所を知らなかったり、一緒にも行けなかったら?こんな限定された設定、なんか意味あるんだろうか。

ちなみに管理人なら、この状況でもLet's go together.とは言いません。

こういう時は、Follow me.(ついてきなさい)ですね。まあ、好みの問題かもですが、こっちの方が自然だと、管理人は考えます。

こういう言い方でも、英語を話す外国人は、高圧的だと感じることはまずありません。

それに、Let's go together.では、日本人同士ならば行き先を知っているというニュアンスに取れますが、外国人にそうは通じない可能性があります。

それならば、I know the evacuation area. Let's go together.と言うべきでしょう。

でもFollow me.ならば、先導するからついて来い、と言っているのですから、行き先を知っているということが確実に伝わるわけです。

余談ながら、ヒコーキヲタの管理人的ネタをひとつ。
Follw_me_car
これは、羽田空港のその名もFollow me car。定期便などではない、空港に不案内な機体が飛来した時に、駐機場所まで先導する車です。Follow meとはそういうニュアンスなわけです。もちろん、世界中どこの空港にもFollow me carはいますよ。


では、避難所を知らなかったら?

一番簡単なのは、やはり I don't know.でしょう。いやもっと簡単に、No! No!でも通じますね。

ちなみに、顔の前で片方の手のひらを拝むように縦にして左右に振ると、ほとんど世界中で理解される否定・拒否のサインとなります。手のひらを前に向けると、バイバイですねw

ここで、ネイティブも良く使う表現をひとつ。全然知らないじゃなくて、良くわからない、というニュアンスの言い方です。

I'm not sure.

直訳すれば、「私には確実ではありません」ということ。これはかなり使えますよ。是非覚えておいてください。

そんなこんなで、『東京防災』の英語監修者さんよ。

こんな非現実的な内容、本気で役に立つと思ってる?

どなたからでも、異論反論大歓迎ですけど。

まだ続きます。

■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。

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