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2016年10月20日 (木)

【東京防災ってどうよ50】許されざる怠慢とこれからのこと(#1285)

Book
管理人の『東京防災』はこんなになるまで使い込まれました。果たして幸せなのか不幸なのかw


『東京防災ってどうよ』シリーズも、回を重ねてなんと50回目です。

今回は、これまでのまとめ的な感じですが、その前にひとネタ。書こうと思って忘れてしまっていたことがありました。


死ねということだな


『東京防災』には救護関係の記事がいろいろありますが、アレに一切触れていないのです。

クラッシュ症候群(坐滅症候群)です。

クラッシュ症候群の詳細は下記リンク先記事をご覧ください。家屋の倒壊などで身体の一部を長時間圧迫されていた場合、圧迫を開放すると状態が一気に悪化し、高い確率で死亡にまで至る症状です。

こと、地震災害では確実に多発することが、1995年の阪神・淡路大震災で証明されました。クラッシュ症候群の詳細と対処法については、下記リンク記事をご覧ください。


家に備える防災グッズ【21】

家に備える防災グッズ【22】

阪神・淡路大震災では、病院で「クラッシュ症候群」と診断された人だけで500人を超えました。実際にはその何倍も発生し、一見軽傷なのに亡くなった方も多かったのです。

しかしその診断も処置も素人にはとても難しく、ちょっと記事にすれば済むというものでもありません。現実には、すぐに病院で最適の治療を受けなけばならないのです。

非常に危険な症状に関わらず、素人にできることはごく限られ、その効果も知れているのです。

どうやら『東京防災』では、「クラッシュ症候群」はわかりやすい記事にできない、ならばいっそのこと全部無くしてしまえ、という発想のようです。

つまり、東京都民や読者は、多発するけれど対処が困難な「クラッシュ症候群」について知る必要なし、そういう状況になったら死ね、ということですね。

「クラッシュ症候群」とは、身体の一部を約2時間以上、血流が止まるくらい圧迫されいた場合、何の処置もせずに圧迫を解放すると、誰でもすぐに死亡する可能性があるという、恐るべき症状なのです。


何を伝えたかったのか


本題に戻りましょう。

ここまで、主にふたつのテーマで『東京防災』にツッコんできました。

記事について、とにかく枝葉末節まで徹底的にウソ、間違い、机上の空論など『本当は役に立たない』情報を指摘してきましたが、たった340ページ程、資料ページを除けば300ページにも満たない“官製防災マニュアル”の中に、これほどまでに『本当は役に立たない情報』が満載だということに恐怖していただければと。

しかも、これまでツッコんだことが全てではありません。まだあります。でも、あまりに細かいことを浚って行くことに、管理人疲れましたw

これまで個別の不良情報を指摘して、正しい情報とは何かを明らかにしてきましたが、それがこのシリーズの本来の目的ではありませんし。


変えられるのか?


管理人がここまで手間と時間をかけてやってきたのは、20億円以上という税金を投入し、東京都の全世帯に無償配布され、その他にも1冊140円という破格のプライスで販売される、画期的な『東京防災』とて、根本的にはこの程度だということを浮き彫りにしたかったからです。

体裁はソツなく、新しっぽくまとめられているけれど、よくある机上の空論とトリビアだらけのスタイルから、半歩も踏み出せていない。

家庭や職場における自主防災のためのマニュアルなのに、これまで指摘してきたように、恐らくはマクロ防災方面の教授センセイなどが「頭で考えただけで」監修する情報がいかに使えず、ウソだらけなのか。

これが、我が国の自主防災指導の現実ですよ。

防災は『自助・共助・公助』のうち、自助と共助が大切ですと誰もが言いながら、いざ具体的な内容になると、この程度のものしか出てこない。

要は、監修者を肩書きとかネームバリューで選んでいるようでは、誰がやってもこんなのしかできない、ということです。

ましてや、『商業ベースの(自称)防災の専門家』などにやらせれば、能力不足に我田引水で、さらにレベルが低くなる。でも、『東京防災』にも一部関わってますね、その手の方々が。

なんとも生臭いものを感じますけれど、なんぴとでも、良い情報を出してくれれば裏はどうでも良いのです。でも、それも期待できないし。これからも、そう変わるとは思えません。

当ブログがやっていること


残念ながら、『東京防災』も従来の防災マニュアルの器をちょっと変えただけに過ぎず、欠点はそのまま引き継いでいる、と言わざるを得ません。

都下全世帯に無償配布、というやり方が画期的だっただけで。しかしそれは、スイスの『民間防衛』の模倣です。

それが、防災意識と知識のある程度の底上げになったのは確かでしょうが、細かくみればこんなものですよ。


内容的には、今後は『東京防災』がある意味でマスターピースというか、手本になって行くでしょうが(なんたって電通様制作ですよ)、その一方で『本当に役に立つ』情報を持っている人には、やはり声がかからない。

そういう方々は、権威、肩書き、商売の埒外にいたり、立場上詳しく語れなかったりするからです。

だから、この先に作られる防災マニュアルも、内容はどれも似たり寄ったりになるでしょう。

すなわち、大して使えない。


この状況を変えることができるかもしれないのは、当ブログのような存在ではありません。

読者である皆様が、こんな『本当は役に立たない』情報流しやがってふざけるな!などと行政に抗議していただいて、そんな声がたくさんまとまった時、何かが動き出すかもしれません。


なにしろ、『本当は役に立たない』情報を信じたり、それで満足していたら、本当の災害で酷い目に遭うのは、あなた自身なのです。

それから行政に抗議しても、後の祭りですよ。

当ブログとしては、皆様にそういう視点と情報を提供して行く、それが役目だと考えております。


これからのこと


とりあえず、『東京防災』に関して、かなりの量の情報を出してきました。

でも、それを何らかの形で継続しなければ、あっと言う間にネット情報の海の中に沈んで行きます。

ネット上では、ファボでもアンチでも、話題になってナンボですから。 だから、例えば村井だ早川だという“予知芸人”は、ウソでもこじつけでも情報を出し続けるのです。

阿蘇山噴火の後、あの手の輩が軒並み「私は噴火を予知していた」と言い出したのはその典型。

震源近隣の阿蘇山噴火の危険性は素人でもわかるので、誰もがそれに触れていたわけですが、いざ噴火したら、「予知していた」と。

そんなのが認められるなら、管理人だって“予知”していたしw

そういう無茶苦茶な話でも、『教授』の肩書きをつけて熊本、阿蘇、地震、噴火という注目度の高いワードと共に発信され、メディアが取り上げれば『正しい情報』として拡散されて、大ウソつきにも経済的利益をもたらすのです。

メディアにしてみれば、責任は『専門家』に全部押しつけつつ“数字になるネタ”が発信できるのですから、とてもオイシイ。

だから、積極的に『立派な肩書きのあるウソつき』を探し出しては大風呂敷を広げさせたいし、そに乗っかる教授センセイみたいなのが激増しています。

はっきり言って、誰も聞いたことの無い大学の『教授』とかでも、ちょっと過激なこと言えば主要メディアに取材してもらえて、存在をアピールできるんですよ今は。

『教授』ってだけで見解を無条件に受け入れるの、やめましょうよ。ロクでも無いのも多いんだからさw


続けることにしました


さておき、とりあえず管理人としても、この情報をネットの深海に沈めないために、今後も関連情報を定期的に発信して行きたいと考えています。

具体的には、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】で、あの『民間防衛』のコンセプトと内容を解説しつつ、本当に役に立つ防災マニュアルとはどういうものか?について、ゆるゆると考えて行きます。

そんなわけで、今回を持ちまして、『東京防災』の具体的内容についてツッコむ集中連載は終了します。

連載中は、平時より多くのアクセスをいただいておりました。ここまでのご愛読に感謝いたします。


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。


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『東京防災』ってどうよ」カテゴリの記事

コメント

東京防災シリーズありがとうございます。
結局の所、東京防災よりも東京都全区のハザードマップを配った方が余程意義があったと思います。或は都内の企業や法人等の団体対象に毎月防災訓練実地で給付金支給、参加団体はHPで公表するとか。違反した場合は罰則金と行政指導付きで。
都心部のデータは地価等に影響が〜と喚く輩がいるかも?

東京防災編集者の方、某映画のセリフを送ります
「何も終わっちゃいねえ! 何も! 言葉だけじゃ終わらねえんだよ」

管理人様、「東京防災」について、興味深く読ませていただきました。参考になることが多くありました。ありがとうございます。
 東日本大震災の時、こちらは震度5強でしたの目立った被害はなかったのですが、その後、箪笥や食器戸棚等は間柱を探してすべて金具で壁に固定しました。自分の給料から考えるとそんなに安い家具ではないし、また築20年の家なので悩みましたが、家や家具は自分一代限り、と割り切りました。備蓄も1ヶ月分にしました。東日本大震災の4日後から十数回ボランティアで被災地に行きました。あれ以来、物にこだわらなくなりました。
 これからも内容のあるブログを期待しております。

>スピンアウト様

コメントありがとうございます。

『東京防災』の企画を実現した前都知事は、ずっと前から『民間防衛』を高く評価していましたから、まずこういう形ありきという感じだったのでしょうね。

とりあえず、都民への無償配布版には該当区のハザードマップがついていたようですが、現物を詳細に見たことはありません。

でも実際、ハザードマップは地価に影響しますから、有象無象の抵抗がいろいろあるらしいですよ。

おっしゃるように、防災スキルアップを計るための訓練や講習会への補助なども、おカネを使うべきですね。知識は、行動に落とし込んでこそ効果が何倍にもなりますから。

派手なマニュアル配ってオシマイでも、かなり「仕事しました感」がある一方、地味な現場活動は注目されることもありませんが、両方必要かと。

住民全部がスキルアップするなんて困難ですから、リーダーを養成するだけでも効果的です。

なにしろ、『東京防災』は形は立派だけど中身が薄っぺら、こんなものだけ信じていたらヤバいよ、ということをお伝えしたかったのです。

私としては、やっぱりあのセリフを贈りたいですね。

『災害は会議室で起きているんじゃないんだ!』(笑)

>hide様

コメントありがとうございます。

鳴り物入りで登場した『東京防災』も、細かく見て行けばこの程度。これが限界なのでしょうかね。

hide様はかなり対策を進めておられるのですね。間柱を使って固定できたのはすばらしいなと。なかなか上手く行かないことが多いですから。

でもやはり、壁や家具にボルトを打つのは勇気がいりますね。

震災の4日後というと、かなり凄まじい状況をご覧になられたかと思います。私は2ヶ月後からなので直後の様子は見ていないのですが、福島だったので、ほとんど手つかずの状況もありました。

あの状況を見ると、確かにモノを持つということの意味を考えさせられますね。


これからも『本当に役に立つ』情報にこだわってブログをやって行きたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

 管理人様、丁寧なコメントを頂き、ありがとうございます。いつも読ませていただいております。
 東日本大震災のときには幸い殆ど被害がありませんでした。ただ、亡父が35年前に業者に依頼して新築した離れが少し痛んだので、昨年リフォームしました。亡父も耐震には気を遣っており、35年前の図面を見ると、すべての壁に筋交いを入れ、その数は18本でした。ところが、実際に入っていたのは4本だけでした。柱も図面より1本足りませんでした。この手抜きには唖然としました。父も亡くなるまでこの現実を知らなかったようです。リフォーム業者からは、昔の建物にはよくあることです、といわれましたが、熊本のような直下型の地震が来ていたら、潰れていたかもしれません。熊本の地震では不幸にも多くの家が壊れましたが、このような手抜きの工事はなかったのでしょうか。新築でもリフォームでも、施工業者の選定が大切であることを実感しました。家具の固定などは勿論大切ですが、それも家が壊れないことが前提だと思っています。

>hide様

いつもご愛読ありがとうございます。

昔は、結構いい加減だったみたいですね。実は私の実家、私が子供の頃に新築したのですが、それからずっと二階の音がすごく一階に響いていたのです。そんなものかと思っていましたが、後に増築することになって一部をバラしたら、なんと必要な柱が一本無かったと。

増築時に柱を追加したら、ぐっと静かになりましたよ。ベテランの大工さんでしたけど、上階の音が響くと言った時点で、おそらく柱が足らないと見抜いていました。つまり、そういうの普通だったということなのでしょうね。もう30年以上前の話ですが。

で、今ですが、建売住宅の手抜きとか、一時ほどでは無いですがまだありますよね。正直なところ、すべての業者が誠実だとは言えないわけで。そういうのは、災害時に露骨に現れますが、大破してしまえば後からの調査も事実上できず、悪徳業者はすでに姿形も無い、ということも多くて。

室内の対策は、言うまでも無く家がつぶれないのが前提です。信頼できる業者を選び、施工主もそれなりの知識を持って、工事中に何度も足を運ぶくらいの慎重さが必要ですね。一生ものの買い物なのですから。

そういう慎重さも、立派な災害対策です。

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