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2016年10月

2016年10月28日 (金)

『大川小の悲劇』に有罪判決(#1289)

Ookawa
大川小学校の悲劇は我々に何を伝えているのか(2012,10,12管理人撮影)


去る2016年10月26日、東日本大震災の日に宮城県石巻市の大川小学校で起きた、いわゆる『大川小の悲劇』の責任問題について、仙台地裁で司法判断が下されました。


学校側の責任を認める


判決では、宮城県と石巻市、すなわち学校側の責任を認め、14億円の賠償命令が出されました。

この裁判の大きな争点は、学校側が巨大津波の襲来を予見できたかどうかでした。

当時、現場では情報が非常に限られ、避難すべきかの判断が難しかった中で、学校側の責任を認めた大きな理由は、午後3時半頃、市の広報車が「津波が沿岸部の松林を超えた」と告げながら学校脇を通っていたため、それを聞いた段階で津波の襲来を予見できたはずという判断です。

さらに、避難開始後に海抜高度が7m程度の『三角地帯』を目指したのは、津波高さが6~10mと予想される中で、不適当な判断だったとされました。

事実関係からすれば、合理的な判決ということができましょう。

危機管理とは、常に考えられる最悪の状況を想定して、それに対して最良の判断と行動をしなければならない、という原則に沿った判決と言えます。


果たして自分ならば?


管理人は、この判決を批判するつもりはありません。

ただ、この悲劇の詳細を知り、実際に現場にも立ってみた管理人は、ある思いが頭から離れません。

「あの場の責任者が自分だったとしたら、最良の判断はできなかったのではないか」という思いです。

最良の判断とは、地震発生後すぐに、直近の裏山に全員を避難させる、ということです。もしそれが行われていたら、大川小の犠牲者は、おそらくゼロだったでしょう。

しかし、それは本当に可能だったのか。

この悲劇については、現地レポも含めて過去記事を書いています。(文末にリンクします)

そこで当時の状況を分析していますが、これでもかというくらい、避難開始の判断と避難場所の選定を妨害するような状況があったのです。

そんな中で、判断を迫られたのが、もし自分だったら。

もちろん今ならば、この悲劇を教訓として最良の判断をするでしょう。大切なことは、そういう社会的コンセンサスが既にある、ということです。

『大川小の悲劇を繰り返さないために』、結果的には大袈裟で無駄足かもしれない行動でも、それも止むなしとされるでしょう。

でも、あの当時はそうでは無かった。

念のため申し添えますが、管理人は被告である行政や学校側を擁護したり、原告側を批判したりする意図は全くありません。

自分も子を持つ親である一方、防災に関わって人並み以上の知識を持つ者として、両方の思いがずっとジレンマになったままなのです。


宮城県や岩手県は、それでも過去に大津波の被害を受けた記憶のある場所です。

でも、それさえも無い場所で、果たしてこのような考え方や行動が徹底できるのか?


骨抜きにされる理由


先日、南海トラフ地震被災予想地域の学校で津波避難訓練が行なわれたというニュースを見て、管理人は愕然としたのです。

東日本大震災の大きな教訓のひとつは『津波てんでんこ』、すなわち津波が予想される時には、それぞれが最短時間で安全な場所へ避難せよ、集合するのは津波の危険がなくなってから、ということでした。

なのにその津波避難訓練では、子供を親に引き渡すという。

一応、引き渡しは『津波警報が解除されてから』ということらしいのですが、実際の危険のない訓練であっても、想定の警報解除前に学校に来てしまう親も少なくなく、解除後は一斉に押し寄せて大混乱になったとのこと。

そんなこと、それこそいくらでも『予見できる』ことなのに。どう考えても、“本番”で機能するわけないシステムです。 もし東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)のように大きな余震が続いたら、津波警報は何十時間も解除されないでしょうし。


このような状態では、早く来てしまった親に子供を引き渡すために全体の行動が遅れる、後回しにされて半狂乱になる親(絶対いる)に対応して手が足りなくなる、ひとりに対応すれば我も我もと殺到するなど、目に見えている。

子供をすぐに引き渡さないのは、全員の安全を確保するためです。東日本大震災でも、親が保育園や学校へ子供を迎えに行った帰りに、一緒に津波に巻き込まれた例がたくさんあります。

引き渡したら後は知らない、では済まされません。津波の危険があるうちの送迎は引き渡しは、親子共々犠牲になる危険が大きいということを、我々は東日本大震災で目の当たりにしたはずなのに。

この場合、津波警報発表中の引渡しで、明らかに親子の危険が予見できます。現実には引き渡すしか無いのに、下手をすると「引き渡したから親子まとめて犠牲になった」と、遺族から訴えられる危険さえあるというか、たぶんそれが起こる。

一方、親への引き渡しは、大川小でも全体の避難を遅らせた大きな原因のひとつでした。学校外の場所に避難してしまったら、親が来ても引き渡せなくなるからです。


悲劇を風化させるな


なのに、引き渡しを前提とした津波避難システムが作られてしまっている。

一応『津波警報解除後』というのが教訓の反映なのでしょうが、必ず横紙破りが出てくるのが目に見えているどころか、訓練の段階でもたくさんいるという現実。

そうなったのも、敢えてストレートに書けば、東日本大震災ほど酷いことにならないと思っている親からの「早く引き渡して欲しい」というプレッシャーに学校側が負けた、ということなのでしょう。

これは、危機管理が骨抜きになって行く、典型的なパターンなのです。

厳密な危機管理とは、普段の生活を“やりづらくする”ことがとても多いので、いかに落としどころを見つけて行くかというのが大変なのですが、皆に現実的な危機感が無ければ無いほど、骨抜きで意味の無いものにされて行く。

何十年も火事なんか起きていなければ、たまに誤報を出す火災報知器は切られてしまう、ということです。


風化とは記憶の喪失ではない


これがまさに『風化』ということ。

悲劇のことを覚えているだけでは何の役にも立ちませんし、当事者以外の記憶は、否応無しに薄れて行きます。

それでも、悲劇から得られた教訓が一般化して生活に浸透させ、多くの人の安全に貢献すること。

それこそが『犠牲を無駄にしない』、『風化させない』ということなのです。

行政・学校側を告訴した遺族の最大の目的は、同じような悲劇を二度と繰り返さないために、責任の所在の明確化と有効な対策を求めるということのはず。

その想いは、果たしてどれだけ皆に届いているのでしょうか。

阪神・淡路大震災から21年、東日本大震災から5年、そして熊本地震から6ヶ月。

あなたは、そこからどんな教訓を得て、どようように生活に反映させていますか?

行政が言うから、『専門家』が言うから、防災マニュアルに書いてあるから、でもそれは、本当に役に立ちますか?

まず、ご自分で考えてみてください。それがなにより、あなたとあなたの大切な人を救う力になるのです。

■関係過去記事リンク
改めて『大川小の悲劇』を考える


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2016年10月24日 (月)

“ネタ”になっていない残念なネタ(#1288)

大阪の当ブログ読者の方から、面白い情報をいただきました。

『東京防災』のあのネタを、実際にやってみた人がいると。

管理人が『バカじゃないか?』と最大級のツッコみを入れた、あのネタです。


“ネタ”にして欲しかった


やっているのは、管理人は全然知らなかったのですが、『トッカグン』という若手お笑いコンビ。

迷彩服を着た彼らの出で立ちを見れば一目瞭然、なんでも元陸上自衛隊員で、過酷なサバイバル訓練なども修了したレンジャー資格者だそうです。

『トッカグン』というコンビ名が『特科群』から来ているのは、ヲタならピンと来るところ。

陸自で特科と言えば、いわゆる砲兵隊のことです。大砲や多連装ロケットを撃っていた人たちのようです。

余談ながら、先頃解散した、「体操選手と自衛隊のー」というネタで売っていたお笑いコンビ『弾丸ジャッキー』のひとりも、当初は陸自迷彩服(同デザインのレプリカ)を着ていましたが、メディア露出が増えて来た頃から、どこのものでも無い、一般的な迷彩服に変わりました。

迷彩服は自衛隊員の身分を表す制服のひとつですから、レプリカとはいえ、同デザインのものを『元』が公の場で着ることにクレームが入ったのでしょう。

そんなわけで、もし『トッカグン』が売れてテレビとか出られるようになったら、今の格好はできなくなるでしょうね。余計なお世話だけど。まあ、売れてから考えることだなw

でもさすがに元現職、マニアックな目で見ても、着こなしが素人じゃないのですw


さておき、そんなコンビですからサバイバルネタも多いようで、youtubeでいろいろやっているようです。

で、その中のひとつが、『東京防災』のあのネタを“実際にやってみた”という動画です。

ただ、彼らはあくまで『東京防災』リスペクトの立場であり、ツッコんでいるわけじゃ無いのが残念なところ。

でも、なにか『?』という空気もあったりして、いろいろ言いたいことはありそうですねw

屋外での過酷な状況を誰よりも知っている元陸自隊員、しかも日本で最高レベルのサバイバル技術を会得しているレンジャー資格者なればこそ、その使えなさっぷりをネタにして、さんざんツッコんで欲しかったのですが。

災害時は、机上で考えるだけの教授センセイより、実際に訓練し、身体で会得した君らの技術や意見の方が確実に役に立つのだから。現職時代は言えなくても、今ならば全部じゃなくてもある程度は言えるだろうし。


それでは


前振りが異常に長いのが当ブログクオリティですすいませんw

それでは、ご覧いただきましょう。

というわけで、あくまで“実際にやってみた”というレベル。

それも、公園のやわらかい砂地の上で、片足装備で数歩歩くだけという、最初から機能や実用性を検証する気は全く無い感じ。

せめて両足装備で、アスファルトの上や不整地を歩いてみなさいよ。でも、それをやるとリスペクトできなくなっちゃうけどなw

あんなもの、本当に使えると思って紹介しているのかな?素人よりはるかにサバイバル術に長けた若者が、あんなバカな話を認めてしまっているのが残念すぎる。

これも東京都のご威光ですかね。しかし、若手芸人が長いものに巻かれちゃいかんだろう。バッサリぶった斬ってお笑いにして欲しかったなぁ。

そういうネタにするなら、当ブログは協力しますよw


あの動画でいちばん印象的なのは、実はビニールひもの切り方じゃないかなw

あれがまさにプロの技で、素人はそういうのを知りたいんですよ。

ちなみに、当ブログでぶった斬った記事はこちら。

【東京防災ってどうよ23】ここがダメなんだよ【19】(#1249)

『トッカグン』のおふたり、もしこの記事を見て、『東京防災』をぶった斬る気になったら連絡くださいw

全く関係ありませんが、管理人は昨日(10/23)に埼玉県の陸自朝霞駐屯地で開催された、自衛隊記念日観閲式にご招待いただいたのですが、所用にて行けずに号泣しております。

今年の総火演は行けたんですけどね・・・

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90式戦車行進間射撃(管理人撮影)


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。


2016年10月21日 (金)

村井が何か言う前に知っておいて欲しいことw(#1287)

本日2016年10月21日に発生した鳥取県中部の深さ11kmを震源とするマグニチュード6.6、最大震度6弱の地震の後、余震が非常に多発しています。

2000年10月6日に発生した鳥取西部地震(マグニチュード7.3、最大震度6強)の時よりはるかに多発しており、今後しばらくの間は、被害が出るレベルの余震への警戒を続ける必要があります。

なお、気象庁発表によると、この地震は『西北西-東南東に圧力軸を持つ横ずれ断層型』とのことで、発震直後に当ブログでも予想した通り、過去に鳥取県で起きた大規模地震と同様のメカニズムでした。


地震の巣なのか?


鳥取県付近は、特に活発な活断層が確認されているわけではありません。しかし1943年の鳥取地震、2000年の鳥取県西部地震など、大きな地震が時々発生する地域です。

そこまで大規模でなくても、震度4クラスの中規模地震は、それほど珍しくありません。発震メカニズムは今回も含めていずれも横ずれ断層型であり、鳥取県内特有とも言えるものです。

そして、ここ数ヶ月の間、この地域で小規模地震の頻度が比較的上がる傾向が見られていました。


先回りしておきます


ここから話題はガラっと変わりまして、電子基準点ネタでおなじみの地震予知芸人、村井俊治が言いそうなことに先回りしておきましょう。

村井は最新のメルマガで、鳥取・島根地方を村井基準で上から2番目の『警戒レベル4』に指定していました。

これだけ見れば、村井の予知が成功した様に見えますね。

でも、ここからが予知芸人の面目躍如たるところですw

下画像は、村井が10月19日のメルマガで指定している警戒エリアです。
Murai1
相変わらず、関東は最大警戒レベル指定ですよw

確かに、鳥取・島根が『警戒レベル4』指定されています。

ではこの警戒指定エリアを地図上にプロットするとどうなるかというと・・・
Murai2

さあ、笑うところですよwww

ご覧のように、北海道を除く日本列島の大半が『警戒レベル4』というものすごさ。そして関東は、村井史上初wの『警戒レベル5』なんだって。

図にはありませんが、南西諸島全域も、先島諸島まで全部『警戒レベル4』ですし。

早い話が、北海道以外の日本のどこで震度5クラス以上が起きても、『的中』が宣言できる体制で待ち構えているだけです。

しかも、囲まれたエリア以外で震度5クラス以上が起きた場合でも、どこでおきても警戒エリアの近くになりますから、強引に『的中』を宣言します。これは過去に何度もやっているし。

さらに、村井大好きなメディア、例えば『週刊P』では、警戒エリア外で起きた地震でも、警戒エリアが揺れたから当たり、のようなニュアンスで記事を書くものすごさ。まあ、商売ですから派手にやった方が勝ちなのでしょうが。


でも、『的中』を宣言するメルマガやメディア記事には姑息なことにこんな図は絶対出さず、当たった部分だけを強調するという手法で“正確さ”をアピールするわけです。

こんなもん、アホでもできますがな。いや、アホしかできんw

というわけで、今後村井が何を言い出そうと、こういうカラクリだということを覚えておいてください。


なぜ鳥取・島根が?


ところで、村井の予知手段は電子基準点データの『異常変動』が拠り所でしたよね。

なのに、なんでこんなに広域が警戒エリアなのか。そしてその中に、なんで鳥取・島根が入っているのか。

これは、ずっと村井ウォッチをしていれば、すぐわかります。

当初はそれなりに電子基準点の『異常変動』(もちろんノイズに過ぎませんが)を拠り所にしていたのですが、商売でかくする一方で、世間からの批判も多く浴びるようになってきたので、とにかく『的中』実績を作らなければジリ貧になる、という不安が出てきたのでしょう。

そこで、もう電子基準点なんか事実上どうでも良く、要は地震が多発する地域をまとめて警戒エリアに指定するように変わって来ているのです。

当初は無視していた東北から関東の太平洋岸が、いつの間にか加わっているのがその典型。今、日本で一番震度5クラス以上が起きやすい場所ですから。

で、震度5クラスがちょっと続いた関東は、そういう理由で最大警戒エリア指定となったのでしょう。

そこで、何故鳥取・島根かというと、上で書いたように、ここ数ヶ月、その地域での小規模地震が増える傾向にあったのです。だから指定しておいたら、今回それがたまたま功奏したというだけのことです。

その証拠として、村井が今年(2016年)3月に、フジテレビの『Mr.サンデー』に出演した時に示した警戒エリアがこちら。赤文字は、実際に起きた地震の場所を追記したものです。
Murai39

ご覧の通り、鳥取・島根はノーマークです。あれから半年ほど経って、今では日本列島の大部分が『警戒レベル4』指定になっていることが、何とかして『的中』させなければ商売が立ち行かなくなって来ている、村井の焦りを感じさせるわけですよ。もう恥も外聞もない。

関東にしても、3月時点では相模湾を中心とする、静岡や神奈川が主な警戒エリアだったのが(当時、神奈川で『異常変動』が出たとされるからです)、今では東京中心の、いわゆる南関東直下型地震が懸念されるエリアにい、いつの間にか変わっているし、前回ハズした茨城の地震多発エリアも、いつの間にかカバーされていて。

こういう変化も、村井の気分ひとつなんですよね。だから、ある時は指定していた熊本地方も、指定が長すぎて「心が折れた」という意味不明の理由によって指定解除し、その直後に熊本地震が発生した後は、「心が折れていなければ予知できていた」という、もう科学でもオカルトでもエセ科学でもない、もう村井ワールドとしか呼べない世界なんですよw

それにしても、全くの偶然とはいえ、今年の日本はこの時村井が警戒エリアとした場所以外で、熊本、茨城北部南部、鳥取と大きな地震が起きているのです。これでは北海道が心配になる、というのは冗談ですがw


なにしろその程度の話ですが、一旦メディアでアオられると、それなりの宣伝効果を生んでリターンを得られるのが現実です。ですから、こういう手法がまかり通るのです。

科学者としての良心どころか、人としてダメダメなんですね。村井なんか信じたら、地震云々以前に、人として恥ずかしいですよ。


でも最近、あの早川も同様の手法使い始めてますね。それはまた別の機会に。


■当記事は、カテゴリ【エセ科学・オカルト排除】です。

鳥取県中部で震度6弱(#1286)

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本日2016年10月21日午後2時7分頃、鳥取県中部の深さ
10kmを震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、鳥取県倉吉市などで最大震度6弱を観測しました。

その後も震度4〜3クラスの余震が連続しています。

震源が浅い地震の場合、余震が比較的多く発生する傾向があります。

しばらくの間は、強い余震に対する警戒が必要です。

なお、この地震の前、午後12時12分頃、ごく近い震源でマグニチュード4.2の地震が発生し、鳥取県北栄町で最大震度4を観測しており、震度6弱の地震の前震と考えられます。


なお、鳥取県では太平洋戦争中の1943年9月10日に、深さ0kmというごく浅い場所を震源とするマグニチュード7.2の地震(鳥取県地震)が発生し、大きな被害が出ました。

最近では、2000年に島根県との県境近く、深さ9kmを震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強を観測する地震(鳥取県西部地震)が発生するなど、大きな地震が起きたことがある地域です。

これらの地震は、いずれも横ずれ断層によるものであり、正式な発表はまだですが、今回の地震も同様のメカニズムと考えられます。


■当記事は、カテゴリ【地震関連】です。


2016年10月20日 (木)

【東京防災ってどうよ50】許されざる怠慢とこれからのこと(#1285)

Book
管理人の『東京防災』はこんなになるまで使い込まれました。果たして幸せなのか不幸なのかw


『東京防災ってどうよ』シリーズも、回を重ねてなんと50回目です。

今回は、これまでのまとめ的な感じですが、その前にひとネタ。書こうと思って忘れてしまっていたことがありました。


死ねということだな


『東京防災』には救護関係の記事がいろいろありますが、アレに一切触れていないのです。

クラッシュ症候群(坐滅症候群)です。

クラッシュ症候群の詳細は下記リンク先記事をご覧ください。家屋の倒壊などで身体の一部を長時間圧迫されていた場合、圧迫を開放すると状態が一気に悪化し、高い確率で死亡にまで至る症状です。

こと、地震災害では確実に多発することが、1995年の阪神・淡路大震災で証明されました。クラッシュ症候群の詳細と対処法については、下記リンク記事をご覧ください。


家に備える防災グッズ【21】

家に備える防災グッズ【22】

阪神・淡路大震災では、病院で「クラッシュ症候群」と診断された人だけで500人を超えました。実際にはその何倍も発生し、一見軽傷なのに亡くなった方も多かったのです。

しかしその診断も処置も素人にはとても難しく、ちょっと記事にすれば済むというものでもありません。現実には、すぐに病院で最適の治療を受けなけばならないのです。

非常に危険な症状に関わらず、素人にできることはごく限られ、その効果も知れているのです。

どうやら『東京防災』では、「クラッシュ症候群」はわかりやすい記事にできない、ならばいっそのこと全部無くしてしまえ、という発想のようです。

つまり、東京都民や読者は、多発するけれど対処が困難な「クラッシュ症候群」について知る必要なし、そういう状況になったら死ね、ということですね。

「クラッシュ症候群」とは、身体の一部を約2時間以上、血流が止まるくらい圧迫されいた場合、何の処置もせずに圧迫を解放すると、誰でもすぐに死亡する可能性があるという、恐るべき症状なのです。


何を伝えたかったのか


本題に戻りましょう。

ここまで、主にふたつのテーマで『東京防災』にツッコんできました。

記事について、とにかく枝葉末節まで徹底的にウソ、間違い、机上の空論など『本当は役に立たない』情報を指摘してきましたが、たった340ページ程、資料ページを除けば300ページにも満たない“官製防災マニュアル”の中に、これほどまでに『本当は役に立たない情報』が満載だということに恐怖していただければと。

しかも、これまでツッコんだことが全てではありません。まだあります。でも、あまりに細かいことを浚って行くことに、管理人疲れましたw

これまで個別の不良情報を指摘して、正しい情報とは何かを明らかにしてきましたが、それがこのシリーズの本来の目的ではありませんし。


変えられるのか?


管理人がここまで手間と時間をかけてやってきたのは、20億円以上という税金を投入し、東京都の全世帯に無償配布され、その他にも1冊140円という破格のプライスで販売される、画期的な『東京防災』とて、根本的にはこの程度だということを浮き彫りにしたかったからです。

体裁はソツなく、新しっぽくまとめられているけれど、よくある机上の空論とトリビアだらけのスタイルから、半歩も踏み出せていない。

家庭や職場における自主防災のためのマニュアルなのに、これまで指摘してきたように、恐らくはマクロ防災方面の教授センセイなどが「頭で考えただけで」監修する情報がいかに使えず、ウソだらけなのか。

これが、我が国の自主防災指導の現実ですよ。

防災は『自助・共助・公助』のうち、自助と共助が大切ですと誰もが言いながら、いざ具体的な内容になると、この程度のものしか出てこない。

要は、監修者を肩書きとかネームバリューで選んでいるようでは、誰がやってもこんなのしかできない、ということです。

ましてや、『商業ベースの(自称)防災の専門家』などにやらせれば、能力不足に我田引水で、さらにレベルが低くなる。でも、『東京防災』にも一部関わってますね、その手の方々が。

なんとも生臭いものを感じますけれど、なんぴとでも、良い情報を出してくれれば裏はどうでも良いのです。でも、それも期待できないし。これからも、そう変わるとは思えません。

当ブログがやっていること

残念ながら、『東京防災』も従来の防災マニュアルの器をちょっと変えただけに過ぎず、欠点はそのまま引き継いでいる、と言わざるを得ません。

都下全世帯に無償配布、というやり方が画期的だっただけで。しかしそれは、スイスの『民間防衛』の模倣です。

それが、防災意識と知識のある程度の底上げになったのは確かでしょうが、細かくみればこんなものですよ。


内容的には、今後は『東京防災』がある意味でマスターピースというか、手本になって行くでしょうが(なんたって電通様制作ですよ)、その一方で『本当に役に立つ』情報を持っている人には、やはり声がかからない。

そういう方々は、権威、肩書き、商売の埒外にいたり、立場上詳しく語れなかったりするからです。

だから、この先に作られる防災マニュアルも、内容はどれも似たり寄ったりになるでしょう。

すなわち、大して使えない。


この状況を変えることができるかもしれないのは、当ブログのような存在ではありません。

読者である皆様が、こんな『本当は役に立たない』情報流しやがってふざけるな!などと行政に抗議していただいて、そんな声がたくさんまとまった時、何かが動き出すかもしれません。


なにしろ、『本当は役に立たない』情報を信じたり、それで満足していたら、本当の災害で酷い目に遭うのは、あなた自身なのです。

それから行政に抗議しても、後の祭りですよ。

当ブログとしては、皆様にそういう視点と情報を提供して行く、それが役目だと考えております。


これからのこと


とりあえず、『東京防災』に関して、かなりの量の情報を出してきました。

でも、それを何らかの形で継続しなければ、あっと言う間にネット情報の海の中に沈んで行きます。

ネット上では、ファボでもアンチでも、話題になってナンボですから。 だから、例えば村井だ早川だという“予知芸人”は、ウソでもこじつけでも情報を出し続けるのです。

阿蘇山噴火の後、あの手の輩が軒並み「私は噴火を予知していた」と言い出したのはその典型。

震源近隣の阿蘇山噴火の危険性は素人でもわかるので、誰もがそれに触れていたわけですが、いざ噴火したら、「予知していた」と。

そんなのが認められるなら、管理人だって“予知”していたしw

そういう無茶苦茶な話でも、『教授』の肩書きをつけて熊本、阿蘇、地震、噴火という注目度の高いワードと共に発信され、メディアが取り上げれば『正しい情報』として拡散されて、大ウソつきにも経済的利益をもたらすのです。

メディアにしてみれば、責任は『専門家』に全部押しつけつつ“数字になるネタ”が発信できるのですから、とてもオイシイ。

だから、積極的に『立派な肩書きのあるウソつき』を探し出しては大風呂敷を広げさせたいし、そに乗っかる教授センセイみたいなのが激増しています。

はっきり言って、誰も聞いたことの無い大学の『教授』とかでも、ちょっと過激なこと言えば主要メディアに取材してもらえて、存在をアピールできるんですよ今は。

『教授』ってだけで見解を無条件に受け入れるの、やめましょうよ。ロクでも無いのも多いんだからさw


続けることにしました


さておき、とりあえず管理人としても、この情報をネットの深海に沈めないために、今後も関連情報を定期的に発信して行きたいと考えています。

具体的には、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】で、あの『民間防衛』のコンセプトと内容を解説しつつ、本当に役に立つ防災マニュアルとはどういうものか?について、ゆるゆると考えて行きます。

そんなわけで、今回を持ちまして、『東京防災』の具体的内容についてツッコむ集中連載は終了します。

連載中は、平時より多くのアクセスをいただいておりました。ここまでのご愛読に感謝いたします。


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。


2016年10月17日 (月)

【東京防災ってどうよ49】今できる?防災アクション【16】(#1284)

『東京防災』にツッコむ49回目は、『今できる?防災アクション』の16回目。

この『今できる?防災アクション』シリーズは、今回で終わりにします。

最後のテーマは、救護です。

これは『東京防災』だけでなく、世間に数多い、ハンパな防災マニュアルに対するツッコみでもあります。


何ができるのか?


傷病者の救護は、訓練を受けていても素人には難しいし、怖いものです。

どんな防災マニュアルにも、技術的なことはいろいろ書いてあるものの、あくまで基礎的なことに過ぎません。


管理人は上級救命救急講習を修了していますが、それよりずっと前からのバイク乗りでもあり、主に交通事故の、様々に過酷な現場に立ち会ってきました。

酷い方は、それこそ死戦期呼吸の瀕死状態や頭部坐滅による即死まで。そういうレベルになると、もう手の施しようもありません。でも 、骨折ひとつにしても多発、患部の変形、開放性(折れた骨がむき出し)といろいろ。

基礎的な訓練を受けていても、そういうレベルになって来ると、大したことはできないのです。

そして、大災害の現場では、そういうレベルのケガが普通に起こる。


現場に現れたイタい人


管理人はある時、おばあさんの自転車がスクーターと衝突した現場を、車で通りかかかりました。

居合わせた人は、例によって倒れたおばあさんを囲むだけで何もできない。地面にぶつけた側頭部から、かなりの出血があります。

管理人は、車載EDC装備からキッチン用ゴム手袋とレスキューシートを取り出し、近所の人が出してくれたキッチンペーパーで、頭部の圧迫止血をしました。

頭皮のケガは派手に出血するのでビジュアル的にビビってしまいやすいのですが、所詮は毛細血管がほとんどですから、大きな傷でなければ、圧迫していれば大抵はすぐ止まります。

そうしていたら、30代くらいの女性が、血相を変えて駆け寄って来ました。ご家族か何かかな?という感じで。

しかしそうではなく、いきなりハイテンションの命令口調で言うのです。

「心臓より高くして!」

そんなこと言うのは、当然ながら看護師などのプロではありません。要は、自分の(実は不十分な)知識で場を仕切りたいだけの、勘違い人間だなと直感しました。

ここ、笑うところですよ。倒れた人が頭から出血しているのに、患部を心臓より高くしろってwもちろん無視しましたけど。


マニュアルだけじゃ危険なことも


出血部を心臓より高くというのは、言うまでもなく手足からの、それも動脈出血の場合です。

多少なりとも出血部の血圧を下げて、圧迫止血の効果を上げるためにやること。

その女性は、『出血部を心臓より高く』というマニュアルの字面の知識だけで、その理由もわからずにやれと。まあ、何も知らないよりはマシかもしれませんが。

実はそのおばあさん、ショックで自分の名前もすぐ答えられないくらいの見当識失調(感覚の混乱)があり、その他のケガの状態も良くわからないので、すぐに起こすべきではないと判断していたのです。

バイクや自転車事故でよくある、脊椎の圧迫骨折の可能性もありましたから、あとは救急隊に任せようということで。その辺りは、バイク乗りならではの経験値です。

しかし、もしそのイタい女性が最初に救護していたら、おばあさんは有無を言わさず起こされてしまったわけですよ。

こういう事故の場合、頭部打撲による硬膜下出血、首への衝撃による頸椎損傷、地面との衝突による脊椎の圧迫骨折など、外から見えない症状が隠れていることもありますから、差し迫った危険でもなければ、まずは安静にして経過観察すべきなのです。


立ち向かう勇気・覚悟・知識


こんな感じで、実際の現場は、素人にとっては本当に難しい判断を迫られて、下手なことをすると状態を悪くしてしまうかもしれません。

そして大災害の現場では、ちょっとした交通事故よりはるかに酷いケガ人が、あちこちにいる可能性が高いのです。

しかも、恐らく救急車は来ない。


現実には、ケガ人を前にしても怖れて手を出さない人も多いわけですが、そこで敢えて手を出そうというあなたには、それなりの勇気と覚悟、そして知識が必要なのです。

小さなケガなら、マニュアルの内容でなんとかなります。でも、しつこいですが、外傷も骨折もやけども、おそらく大抵の人が一度も見たことがないくらいの重傷者があちこちにいるのが、大災害の現場だということです。

でも、そういう現実は当然ながらメディアには出ませんし、その場にいて力が及ばなかった人たちは、多くを語りません。だから、なんとなくスルーされている。

もっとも、他人の救護をするのは自由意志です。でも、倒れているのがあなたの家族や、大切な人だったら?

少なくとも、『東京防災』を始めとする、防災マニュアル程度の救護知識程度で安心している場合ではありません。

こういうマニュアルに記載されるべきは、救護技術以前に

■大災害下の救護は困難で過酷なことが多く、救護者が精神的ダメージを受ける可能性もあること
■困難な状況でも、できることをできる限りやる覚悟をすること
■周囲の人に協力を求め、できるだけたくさんの人で、力を合わせて対処すること

などという、知識以前の話が大切なのだと、管理人は考えます。そういうことが書いてある防災マニュアル、ありますか?


この手の情報の定番として必ず出るのが、阪神・淡路大震災では発災直後に約27000人が閉じ込めや生き埋めになったが、その約80%が近隣住民の力で救出された、共助は大切だという話。

でも、救出された人がみんな無傷なわけはなく、酷い状態の人もいれば、そのままこと切れてしまった人もいたのです。一見、美談にもみえる数字の裏の過酷な現実は、ほとんど直視されていません。

そんな怖いこと言ったら救護する人が減るって?いや、この程度で逃げる人は、何言っても最初からやりませんから。


情報も不十分に過ぎる


例えば、救護に関する下画像のような定番の知識、
Bonebreak

骨折時の固定方法ですが、これ、すべて単純骨折、すなわち骨がズレずに“キレイに折れた”場合だけですよ。

こんなのだけならば、患者の苦痛も少なくてある意味で楽なのですが、現実はそう単純ではない。外傷を併発しているのが普通ですし。

患部の固定にはポリラップ、週刊誌、段ボール、ガムテープなどが使えるなどという耳目を惹きやすいトリビアに偏って、本当に有効な処置ができるのか?という部分はお座なりというものばかり。


理屈の上では、素人の救護はできることだけやれば良いとされるかもしれませんが、お手上げになったら放置するのですか?

敢えてリアルに書きますが、特に二輪車の交通事故では、腕に肘が増えていたり、足に膝が増えていたり、あれ?足ってこっちに曲がるっけ?というようなことが普通に起きます。

そんな場合、変形した状態のまま患部に負担をかけない形で固定しなければならない、というのが理屈です。でもそんなこと、ありあわせの資材じゃほとんど無理なんですよ。しかし交通事故ならば、通報すれば救急車が来ます。

それが、交通も麻痺して被害が拡大しつつある大災害の最中だったら?


我々ができることはひとつ


いくら救護マニュアルを読んでも、できるようになることは止血、単純骨折の固定、症状に応じた体位を取らせることくらいでしょう。

胸骨圧迫(いわゆる心臓マッサージ)や人工呼吸、AEDの使用法も、字面を読んだだけでできるつもりになっているとしたら、大きな間違いです。

街中や大災害の現場で、倒れている人を見過ごしたくない、家族や大切な人を守る力をもっとつけたいとお考えの方は、まずは日本赤十字社、消防署、各種団体が行う救命救急講習を受講してください。

それでも、最良の対処が10としたら、できるようになるのは3か4くらいかもしれません。しかし、過酷な状況でも右往左往するだけの人では、確実になくなります。


本当に大切なこととは


『東京防災』に限らず、世の防災マニュアルの多くは、『こうすればカンタン!』的な、トリビアが主なようなものばかり。それが一番手軽に作れて、一番数字になるからです。すなわち、小難しいものは売れないのです。

もう一方の流れは、災害の恐怖をやたらとアオって、酷い話ばかりを並べて数字を取りに行くもの。その類に、具体的で『本当に役に立つ』対処法はまずありません。対処不可能に思わせるほど、怖いもの見たさの数字になりますから。

『東京防災』も、結局は似たようなものだったようです。


というわけで、『今できる?防災アクション』は、今回で終わりにします。この先、『東京防災ってどうよ』シリーズを続けるかどうか、ちょっと間をおいて考えますね。

続けるならば、具体的な間違いなどへのツッコみは終わりにして、あの『民間防衛』の緊張感溢れるコンセプトとの比較になるわけですが、根本的なコンセプトが現実を直視しておらず、情報の出し手も肩書優先でピントがズレたり机上の空論にやっつけ仕事だらけ、そんなものをいくら批判したところで、なんだか意味が無いんじゃないか、という気もします。

実戦を真剣に想定したものと、所詮は理屈とトリビア集の間の溝は、埋まるはずがないのですから。


『東京防災』はそんなのじゃない、今までとは違う『本当に役に立つ』防災マニュアルだ、という方がいらっしゃいましたら、このシリーズ約50回の内容に、是非反論してください。


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。

2016年10月13日 (木)

【都内で大規模停電】あなたには“見えましたか?”(#1283)

Niiza
新座市の地下送電施設から吹き上がる黒煙

昨日、2016年10月12日、埼玉県新座市の地下送電施設で火災が発生し、東京23区西部の広い範囲で停電しました。

電気屋さんの友人に聞いてみたところ、地下施設の冷却にはオイルを使っているので、電線の被覆に加えてオイルが燃えたことで、あの猛烈な煙になったのではないかとのことです。

管理人は、普段都内にいることが多いのですが、昨日は埼玉県内にいて、難を逃れました。


見えましたか?


地下から吹き上がった黒煙の話ではありません。

都内では停電で信号が消えて電車が止まり、交通はかなり乱れましたが、昼間でラッシュ時間帯でもなかったので、幸いにも極端な混乱にはならなかったようです。

では、建物の中ではどうだったでしょうか。

地下街や大きなビルでは、すぐにバックアップ電源が入って、とりあえずの明るさは確保できたでしょう。

でも大半の建物で、窓の無い部屋や廊下は、一瞬で暗闇になったのです。

そういう場所にいた方も多いと思いますが、その時、どうされましたか? すぐに状況の確認や移動ができましたか? 窓がある部屋でも、これが夜だったら?

これに地震の激しい揺れが加わったら、あなたは暗闇の中で何かできますか?

ライト類をEDCされている方も多いと思いますが、停電時、すぐに手に取れましたか? いつでも手に取れる場所にライトがありますか?


最低限アレだけは


手前味噌ながら、管理人はどこにいてもどんな格好でも、必ず小型LEDライトがポケットの中に入っています。

さらに、常時持ち歩くバッグにLEDライトもう1本と予備電池が入っていますから、どこで暗闇になっても、とりあえずすぐに視界は確保できます。

当ブログでは、外出時に常時携帯するEDCグッズをいろいろ提唱しておりますが、その中でライトだけは、常時身につけておくべきだとしています。

それはすなわち、こういう状況を考えのことです。スマホや携帯にライトがついているものの、それも常時身につけているわけでもありません。

それに、スマホや携帯のライトでは、暗闇の中を素早く避難行動するためには照度不足です。

当ブログでは、明るさの目安として25ルーメン以上のLEDライトを推奨しています。

それなりのライトが常に身体と一緒にあれば、例えばトイレの中でも安心です。窓の無いトイレの中は、停電したら文字通り『一寸先は闇』ですし。


今回は停電だけでしたから、とりあえず緊急避難の必要はありませんでした。 でも、大地震のことを考えると、暗闇の中で右往左往するのはあまりに怖ろしいし危険すぎる。

視界が無い故の、わずかな判断や行動の遅れが生死を分けることが、普通に起きるのです。

だから、最低限の照明だけは、常に身体と共にある状態にしておくべきなのです。


あたりまえです


今回の停電事故による混乱で、ネット上には「都会はなんて弱いんだ」というような意見が飛び交っています。

でも、弱いのではありません。最初からそういうものです。

人間が食事をしなければ弱るように、都市だってエネルギーの供給があってこそ、秩序が保たれているだけのこと。

そんな、普段の“当たり前”に慣れきっていて、混乱が起きた時に嘆いてみても始まりません。

災害やエネルギー供給が絶たれた時に、都市で何が起こるのかは、ほとんどわかっています。 ならば、その影響を最小限にするために、どんな対策が必要なのかもわかります。

それを面倒がらずにやるかやらないか。それが、あなたの運命を左右することもある、というだけのことなのです。


ひとつの提案として


ライト類を常時身につけよとは言うものの、男性の服装ならまだしも、女性の場合はなかなか難しいことが多い、という問題があります。

一番小さな単4電池使用のLEDライトでもそれなりの大きさがありますし、かと言ってボタン電池仕様のものは、無いよりはるかにマシですが、照度が心許ありません。

そこで、完全な解決にはなっていないのですが、管理人が知る限り、望ましい照度と堅牢さを確保した上で最小・最軽量のライトを紹介します。
Bousai_016

米国PETZL(ペツル)製のe+LITE(イーライト)です。

これは過去記事で何度も登場しております。文末に、使用レポート記事をリンクしておきます。明るさだけでなく、実に良くできた製品なのです。

お値段はちょっと張りますが、これはEDCする負担が最も軽いもののひとつですので、もちろん男性の方にもお薦めです。

超コンパクトなボディとたった26g(鶏卵の約半分の重さ)のこれひとつあれば、あなたの前から暗闇は消えるのです。

【PETZL e+LITE使用リポート】
【EDCグッズ06】究極のEDCライトとは【2】
【EDCグッズ07】究極のEDCライトとは【3】

言うまでもありませんが、管理人はこの製品のメーカーや販売元とは一切の関係はありません。あくまで管理人独自の判断で、良いものをお薦めしております。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2016年10月12日 (水)

【東京防災ってどうよ48】今できる?防災アクション【15】(#1282)

『東京防災』にツッコむ48回目は、『今できる?防災アクション』の15回目。

正直なところ、『今やろう!防災アクション』にまだまだツッコみどころはあるのですが、小ネタをいくつか拾って、そろそろ終わりにしようかなと。


【106ページ】耐震化


家屋の耐震化についてのページには、こうあります。
Antiauake

阪神・淡路大震災の死者の8割が建物倒壊による圧死です。今から30年以上前の1981年5月31日の建築基準法施行令改正以前に建築された建物は大地震への安全性が低いと言われています。耐震化チェックのために、耐震診断を受けましょう。

この文章の中に、間違いがふたつあります。それを見つけて解答欄に書きなさいw

冗談はさておき、本当に間違いがふたつあります。細かいことですが、公式情報がこれでは許されない。


ひとつめは、『阪神・淡路大震災の死者の8割が圧死』だった、ということ。

正しくは、そのほとんどが圧死ではなくて、窒息死です。

圧死とは、身体が強く打撲や圧迫を受けて、内臓などに損傷を受ける、すなわち外傷的要因で死亡することです。なお、圧死のうちで一番酷い状態は、坐滅(ざめつ)。人体が完全に押し潰されている状態です。


一方、窒息死とは胸部や腹部を圧迫される、鼻や口を塞がれるなどして、呼吸ができなくなって死亡することです。

特に胸の部分は、人体の中で最も断面積が大きくて最も圧迫されやすいので、骨折や内臓損傷が起きない程度の圧迫でも、窒息しやすいのです。

すなわち、建物が崩れなくても、倒れた家具などに挟まれるだけで死亡する可能性がある、ということです。

余談ながら、胸を圧迫された時、パニック状態になるとさらに胸腔が広がって余計に圧迫されて苦しくなる、狭い場所から脱出しずらくなるという悪循環に陥ります。

ですから、わずかでも呼吸ができるならば、できるだけ落ち着いて、ゆっくりと静かに呼吸しながら、次に何をすべきか、何ができるか考えましょう。

というのは理屈で、「死ぬかもしれない」という時に落ち着けるかどうかは、誰でもその場にならなければわかりません。

軍隊でも、平時の訓練では何事にも動じない肝っ玉の据わった人が、実戦になった途端に臆病風に吹かれて動けなくなってしまう、などという事もあるそうだし、その逆もあるそうです。

なにしろ、焦れば焦るほど苦しくなるということは覚えておくべきかと。そこで生死が分かれます。

さておき、この間違いは監修者が無知なのか、建物の耐震化というテーマにに絡めて、より酷いイメージにしようと思ったのかはわかりませんが、いずれにしても許される間違いではありません。

ちなみに、『防災の専門家』でも、窒息死と圧死を区別できない人は数多くいます。何故なら、自分で知識を持たずに受け売り情報を垂れ流しているだけだから、元情報の間違いを訂正できないのです。


ふたつめは、耐震基準のこと。

大地震への安全性が低い建物として、『1981年5月31日の建築基準法施行令改正以前に建築された建物』とされています。

しかし、その日から新しい基準が適用されたからと言って、そこで全てが変わった訳ではありません。

正しくは、『1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物』なのです。

特に大きなビルなどの場合、それから半年以上工事が続くこともありますから、実際には竣工が1982年初頭に至るまで、旧耐震基準建物が存在するのです。

ただ、『東京防災』で言っているのは一般家屋でしょうから、そこまで工事が延びたこともないでしょう。しかし、1981年後半の竣工でも、旧耐震基準建物が存在することは間違いありません。


この程度で公式情報か?


今回のネタ、細かすぎるとかレアケースに過ぎないというご批判はあるかもしれません。

でも、これらは見方や状況によって見解が変わるという言う内容ではなく、あくまで白か黒かという、曖昧さが許容されない部分です。

そして何よりも、これは東京都が公式に発行した防災マニュアルなのです。見た人は、そこに間違いはなく、正しいものとして受け取るでしょう。絶対に間違いがあってはならないのです。


管理人が今回の二題にツッコんだのは、同様の間違いを言う『防災の専門家』がかなり多い、という現実があるからでもあります。

だから恐らく、この監修者も意識的に表現を変えたのではなく、これが正しいと思っているのではないかと、管理人は考えています。東京都が選んだ監修者が、その程度だと。

これまで当シリーズでツッコみまくって来たあまりに多くのウソ、間違い、机上の空論を見るにつけ、管理人が間違っているとは思えません。

東京の、そして日本の『防災の専門家』の多くは“その程度”であり、こんな不良情報が許容される世界なのだということの証左なのかもしれませんが。


さて、まだツッコめる小ネタはあるのですが、なんだかこれ以上やるのもバカバカしくなってきました。

まだ続けるべきかどうか、ちょっと考えてみますね。


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。


2016年10月11日 (火)

【東京防災ってどうよ47】今できる?防災アクション【14】(#1281)

『東京防災』にツッコむ47回目は、『今できる?防災アクション』の14回目です。

今回は、突っ張り棒と他の耐震器具との併用について考えます。

なんでも良い訳じゃないんですよ。


相性が大切


『東京防災』098ページの、突っ張り棒の説明にはこうあります。
Fix1

ネジ止めすることなく、家具と天井の隙間に設置する。粘着マットやストッパーとの組み合わせで強度が高くなる。

突っ張り棒に組み合わせる耐震器具として、粘着マットとストッパーが挙げられてます。


これは仲良くできそう


粘着マットとは、左下イラストのいわゆる耐震ジェルマットで、一般的にはテレビやパソコンなど、比較的軽量なものに使うイメージがありますね。

でも、冷蔵庫など重量家具にも対応する製品もありますから、家具の重量に合わせて、見合ったものを使う必要があります。

耐震ジェルマットは、家具の底面と床面を貼り付けて暴れたり動いたりしにくくすると同時に、クッション性の高い材質によって、家具が暴れた時に床面と衝突する衝撃を分散し、暴れが大きくなりにくくするものです。

ですから、使えるのは床面がフローリングやリノリュームなど粘着性が保てる平滑で比較的固い場合のみであり、柔らかくて貼り付きづらく、引っ張れば浮き上がってしまカーペットや畳の上では、性能が発揮できません。

しかし、フローリングやリノリュームなどでも、材質によっては激しい震動で表面層だけがはがれて、粘着効果が無くなることがあります。

家具の方も、底面が頑丈で平滑な構造なら良いのですが、あまり強度の無い薄板などの土台だったり、薄い合板で裏打ちしてある場合などは、耐震効果が落ちます。

このように、粘着ジェルマットに適した条件がありますので、良く調べてから使わなければなりませんが、条件が合えば、突っ張り棒と相乗効果を発揮することができるでしょう。


なお、耐震ジェルマットはいくつかのメーカーから発売されていますが、100円ショップものやあまり安価なものは弾力がなくなる、粘着力が落ちるなど劣化が早めの傾向があるので、特に重量家具用としては、それなりの価格帯の製品を選ぶことをお勧めします。

一度設置したら何年も放置されることになりやすいのですが、劣化は確実に進みますので、効果を維持し続けるためには、定期的な交換も必要です。

とりあえず、突っ張り棒と耐震ジェルマットの併用は、手軽で効果が見込める方法だと言えるでしょう。


こっちは仲良くなれそうもない


突っ張り棒と併用する器具として挙げられているもうひとつは、ストッパーです。

これは、クサビ型の器具を家具の前底面に挟み、家具を少し後ろに傾けることで重心を壁寄りに移動し、地震の揺れによって前側に倒れて来づらくするものです。

ですから、これも固い床の方が効果を発揮しやすいのですが、カーペットや畳でも、それなりの効果が見込めます。

設置も、家具を後ろに傾け、前側を数cm持ち上げて器具を挟んで戻すだけですから移動もいらず、最も手軽に設置できる耐震器具と言って良いでしょう。

ストッパーの弱点は、家具の前底面に挟んでいるだけなので、激しい揺れで家具が暴れ出すと、器具が吹っ飛ばされて効果が無くなる可能性があることです。

それを防ぐ粘着タイプもありますが、一般的には挟み込むだけのタイプが多いようです。

その点、突っ張り棒と併用して家具の暴れが小さく抑えられれば、ストッパーが外れる可能性も減るので、とても効果的な相乗効果が生まれる・・・・・はずなのですが。


どこまで確かめた?


突っ張り棒とストッパー、家具の上と下で動きを押さえ、どちらも設置するにも家具の移動がいらないし、壁や家具も傷付かない。

その特性もお互いを補完する形で、理想的な相乗効果が発揮できる。

・・・・と、理屈はそうであり、ある程度は正しいと言えるでしょう。


しかし、両者の併用にはまた別の問題が持ち上がって来ることに、『東京防災』監修者は気づいているのでしょうか。

そしてそれは、せっかくの多重対策を台無しにする可能性を秘めているのです。


おそらく、耐震器具の併用による実際の加震実験などは行われていないでしょう。なぜなら、それぞれの器具はメーカーが違うことがほとんどで、仮に同じメーカー製でも、他の器具と併用する前提になっていないからです。

そんな『大人の事情』を乗り越えて、最良の効果を見いだすための組み合わせ加震実験を誰かやって欲しいものですが、そういう話は聞いたことがありません。

『東京防災』で耐震器具の併用を勧める裏にも、データの裏付けは無いはずです。すなわち、「そういう効果があるはずだ」というレベルの、空論では無いかもしれませんが、あくまで机上論かと。

それに、少なくとも当ブログの考え方とは完全に相容れない部分があるのです。


こんな問題がある


『大人の事情』はともかく、突っ張り棒とストッパーの併用は、当ブログはお勧めしません。

それについては、かなり前の過去記事で詳しく書いていますが、管理人ごときに実際の加震実験などできるはずもありません。

でも、実際に何種類かの耐震器具を入手し、構造や強度など、あれこれ調べてみた結果、導き出した結論です。

ですから、こちらも机上論ではあっても、少なくとも空論では無いかと。

その内容は、下記リンク先をご覧ください。
☆再掲載☆高層ビル編11【首都圏直下型地震を生き残れ!37/54】
☆再掲載☆高層ビル編12【首都圏直下型地震を生き残れ!38/54】

リンク先記事は2013年12月の再掲載版ですが、当初は2012年3月から連載していたシリーズ記事です。

記事内では、突っ張り棒とアンカーベルトの併用をお勧めしていますが、壁にボルトが打てないという前提ならば、粘着式アンカーとクサビ型ストッパーの併用が、最も手軽で効果的ではないかという結論です。

なにしろ、家具を傾ける器具と突っ張り棒の併用は、器具自体や天井板にかかる応力をかなり複雑にしますので、当ブログとしてはお勧めしません。


それにしても、『東京防災』では何故かベルトやチェーンで家具と壁を結着するタイプの器具(アンカーベルト)や、壁と家具の上部を結着する粘着式アンカー(商品名:ガムロックなど)の類が一切登場しませんね。

そんなところにも、何か監修者の『大人の事情』みたいなのが入り込んでいるようで、なんとも生臭いものを感じてしまうわけです。

※リンク先記事中、『ガムロック』の価格を2500円程度としていますが、最近は値上がりしているようです。


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。

2016年10月 9日 (日)

【阿蘇山噴火】役に立つことは誰も言っていない(#1280)

Aso_volcano
火口付近のカメラが捉えた噴火の様子(NHKテレビのキャプチャ画像をお借りしました)


阿蘇山が、25年振りという規模で噴火しました。

熊本地震から約半年、噴火はそれほど危機的状況ではないとは言え、再び災害に見舞われた熊本の皆様に、心からお見舞い申し上げます。

直接的な被害は無くても、観光を初めとする経済への影響も小さくないでしょうし、何より気持ちへのダメージが大きいかと思います。

どうか下を向かずに、前を向いて進まれることを、遠くからですがお祈りしております。


地震との関係は?


阿蘇山を挟むようにして大きな地震が連続し、噴火するはずという多くの声の中でも沈黙を続け、半年経った今、突然大きめに吹いたわけですが、この噴火が一連の地震と関係があるのかどうかは、専門家でも断定はできません。

今後の調査で何か関連が見出されるかもしれませんが、現時点では何もわからないのです。

感覚的には、あれほどの規模と回数の地震の中での噴火ですから、何か関連がありそうだと感じます。でも、その確たる証拠が見つからない限り、関連があるかどうかはわからない、これが正解なのです。

それは同時に、現時点での我々の知識と技術の限界を示すものでもあります。でもそれを認め、わからないことはわからないとはっきり示すことが、科学的態度というものです。


誰か役に立つこと言ったか?


その一方で、最近はどこぞの名誉教授だか教授だか知りませんが、確立されてもいない理論、いやほとんどが自分の思いつきレベルで裏づけの無い理論で適当な“予知”を発表して、当たってもいないことを強引に当たりだと粉飾して、私腹を肥やす輩が急増しています。

そういうネタは瞬間最大風速的な数字になるので、それを狙ったメディアもあちこちから怪しい学者を探し出し、言いたいことを言わせてはアオっています。

そしてもちろん、そんなもの何も当たりはしていません。それでもまだ当分の間は、その手の輩が跋扈しそうな流れです。

そんな輩は、誰も熊本地震を予知していませんでしたし、今回の噴火についても、誰も具体的な警告をしていませんでした。

もっとも、大きな地震の震源近くの活火山が影響を受けるかもしれない、ということは素人でもわかりますから、「阿蘇山噴火の可能性あり」くらいのことは、誰もが言っていましたけど。

しかし、災害予知とは被害を防ぐ、もしくは減らすために為されなければならず、それができなければ、何の意味も無いのです。

そういう意味で役に立つ情報は、一切ありませんでした。


そろそろ潰しにかかっては?


根拠が無いインチキ予知をする連中は、巨大災害を予感させればさせるほど儲かるシステムの中にいるのですから、科学者としての良心を捨ててでも、一般ウケするネタをバラまき続けます。

科学者の良心とは、単純に裏づけの無いことは言わない、間違いは間違いと認めると言ってもよろしいかと。でも、そうでない輩が増えすぎた。


熊本地震の直後、動物園からライオンが逃げ出したというガセ情報をツイッターで流した人物が、警察に検挙されました。

この場合の容疑は、ガセ情報を意図的に流し、動物園や警察などに余計な対応や警戒をさせてその業務を妨害したという、偽計業務妨害罪です。

東日本大震災以降、ネット上に溢れる大量のガセ情報が余計な不安をアオっているので、行政としても監視や拡散防止に力を入れ始めていますが、今回の警察の強硬な対応は、その表れともひとつとも言えるでしょう。


そういう流れで、そろそろあの手の輩の規制が必要なのではないでしょうか。

エセ科学やオカルト系はさておいても、名誉教授だの教授だの、社会的信用がある立場の人間が、少なくとも統計的に有意とは全く言えない(的中率は当てずっぽう以下という)災害予知情報を流し、多くの人に不安を拡散しているのです。

その情報がウソであり、それを信じた結果で仕事が妨害されて被害や損失が生じれば、偽計業務妨害罪が成立します。しかしそれがはっきりしないために、野放しにされているのです。

正直なところ、現行法で網をかける法的根拠はかなり薄弱なのですが、経済的利益のために肩書を利用して、不安をアオる行為を認めるべきではありません。


なお、情報を流している本人または関係者が、その情報がウソであるとわかっていながら正しいと粉飾し、金員と引き換えに提供しているとしたら、詐欺罪が成立します。

もっとも、「正しいと思っていた」と強弁されれば反証は難しいのですが、何年もやって的中率が当てずっぽう以下の確率でしかないと言うようなものは、ウソ認定するべきではないでしょうか。


メディアと教授センセイ方は、儲かるうちはやめないでしょうから、何らかの『上からの』規制が必要だと、当ブログは主張します。

もっとも、それが言論や表現の自由、経済活動の自由を阻害するという意見は必ず出るので、時期や内容を限定するなどの対応は必要かと考えますが。


なにしろ、最近のエセ科学者の跋扈には、もうウンザリです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

2016年10月 8日 (土)

【東京防災ってどうよ46】今できる?防災アクション【13】(#1279)

『東京防災』にツッコむ46回目は、『今できる?防災アクション』の13回目です。

今回は、前回(#1278) に引き続き、突っ張り棒の問題点について考えます。


理想的な条件はほとんどない


前回は、突っ張り棒の器具自体が持つ“弱点”について触れました。

それは、器具自体の強度と遊びによって地震の際には家具が少し動いてしまい、その動きが大きくなると、場合によっては器具が外れたり壊れたりする場合がある、ということでした。

実際に突っ張り棒を設置する際には、それに加えて天井と床、さらには家具自体の要素が加わりますから、実験のような好条件のことは、ほとんどありません。


床は動くもの


まず床。家具を置く床は、大抵はフローリング、リノリューム、カーペット、畳などの床材で、多少なりとも“押せば動く”ものです。

特に畳は変形が大きく、家具の上部では、手で押すだけでも数cm以上の動きになります。

一部に、家具の下に同じ大きさの板を敷いて耐震器具の効果を上げろという指導もありますが、それは主にクサビタイプなど家具を傾ける器具に対してであり、突っ張り棒を補助する効果はほとんどありません。

前記事の実験動画では床が全く変形しない状態であり、あまり強度が高くない実験用家具の上半分だけがグラグラしている感じですが、もっと頑丈な場合には、家具全体が前後にバタつき始めるのです。

やはり、もう一度ご覧いただきましょうか。


部屋の中で一番弱い場所?


次に天井。天井が低めで突っ張り棒が効果を発揮しやすい場所の多くは、天井板があります。和室なら板張り、洋室なら、専用の薄い石膏ボードが多いでしょう。

天井板は、当然ながら何十kgという力で押し上げること、ましてや何百kgに及ぶ衝撃荷重を受け止めることなど、全く想定していない構造です。

特に和室の場合は、天井板が水平でないこともあります。

天井板は、極論すればただそこに存在すれば良く、構造強度を負担するものではありません。要求されるのは照明器具を保持する強度+αくらいですから、押せば簡単に変形するくらいのものです。

ですから、揺れはじめと同時に押し上げられた天井板は変形を始め、最大級の揺れになると、仮に天井が抜けなくても、多少は浮き上がるでしょう。

その量が仮に1cmでも、器具、ひいては家具の可動範囲は何倍にもなり、家具の暴れがどんどん大きくなり、器具の外れや破壊に繋がる可能性があるのです。

ちなみに、ビル内の事務所などの『吊り天井』の場合は、文字通り吊られているだけで、上向きのテンションをかけることは全くできませんから、突っ張り棒は使えません。


このように、実際の場面における突っ張り棒は、器具自体、床、天井板の遊びが合成、増幅されることで、最後まで突っ張り通すことができないこともあるわけです。

それでも、家具が倒れるまでの時間稼ぎは確実にできますから、使う意味も確実にあります。


多少は改善するけれど


突っ張り棒を設置する際には、イラストのように、天井板との間に板を挟め、という指導があります。
Fix1

これは、天井板にかかる応力を広く分散させて『面で押す』ことで、天井板の変形と破壊をなるべく防ぐという目的です。

それでも、実際の強度を考えれば、変形を完全に防ぐことはできません。

また、家具の天板にも、同じ大きさの板を挟めとも言われます。 これも、天板を『面で押す』ことで変形を抑え、突っ張り力が抜けることを防ぐわけです。

実際の家具は、天板が薄い合板などのこともあるので、その場合には特に効果的というか、不可欠の対策です。

薄い合板の天板は、天井板より強度が無いですから。


併用すればすべて解決?


このような対策をすることで、突っ張り棒の効果をより高めることができますが、弱点の根本的解決にはなりません。

だからこそ、他の耐震器具と併用せよという話になるわけですが、合わせ技ならなんでも良いかというと、そう言う訳にもいかない、という話はまた次回に。

なんだか、全然『東京防災』にツッコんでいませんが、次回はやりますw


■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。

2016年10月 6日 (木)

【東京防災ってどうよ45】今できる?防災アクション【12】(#1278)

『東京防災』にツッコむ45回目、『今できる?防災アクション』の12回目です。

今回は、098ページに記されている、家具の転倒防止器具としては『定番』とも言える、いわゆる突っ張り棒についてです。
Fix1

これ自体は効果的なんですけどね、実際取り付けようとすると大変なんだこれが。


これだけじゃダメ?


『東京防災』では、突っ張り棒についてこう述べています。

【ポール式器具(突っ張り棒)】
ネジ止めすることなく、家具と天井の隙間に設置する。粘着マットやストッパーとの組み合わせで強度が高くなる。

という微妙な表現。なんだか、突っ張り棒単独では不安が残るような印象もありますね。管理人は決して突っ張り棒業者の回し者ではありませんがw、ちょっと擁護しておけば、突っ張り棒単独でも十分な耐震効果が見込めるのです。

ただし、理想的な設置条件と十分なメインテナンスがあれば、という条件がつきますが。


超えられない物理的な壁


壁にボルトは打てない。ならば突っ張り棒を使おうと考えた時、最初に問題となるのは天井の高さです。

最近の住宅は、天井が高めですよね。となると、家具の天板との間に、かなり隙間が開きます。上のイラストでも天井と家具の間は50cmくらいの感じで、それくらいの隙間ならば、かなり効果を発揮できるはずです。

ところが、特に洋室では1m以上開いてしまうこともザラ。そのクラスの突っ張り棒も市販されてはいるものの、長くなればなるほど、耐震効果は落ちて行きます。

突っ張り棒自体がそれほど頑強な材質や構造ではありませんから、大きな力がかかれば、多少はたわみます。

そして、突っ張り棒が長ければ長いほどたわみが大きくなる、すなわち家具と壁が同じ周期で揺れずに、家具単体が別の動きをする余地が大きくなるのです。

そんな家具の動きが複雑な応力を発生させ、揺れが激しい場合には突っ張り棒が外れたり、最悪の場合は変形や折損もあり得るかもしれません。

器具の長さを調節するアジャスターもそれほど頑強では無く、ネジで締め込む摩擦式が多いようなので、激しい衝撃で縮んでしまう恐れもあります。

大きな地震でなくても、小さな地震を繰り返し受けたり、日常的に車や鉄道などのによる揺れがある場所では、だんだん緩んで来てしまうでしょう。だから、定期的なメインテナンスが必要なのです。


そのアジャスターですが、例えばジャッキのような機構で大きな押し付け力がかけられる訳ではなく、あくまで天井と家具の隙間の寸法に合わせて、手でヨイショと伸ばして締め込むだけ、すなわち家具を床に押し付けているのではなく、あくまで天井との隙間を埋めているだけですから、器具についているウレタンなどのクッション材による可動範囲が、数mmは残ります。

そうなると、仮に天井と床が頑強なコンクリート躯体だったとしても、イザ大地震となったら天井と器具との間の動き、器具自体のたわみ、器具と家具との間の動きが合成され、実際には家具が少し動いてしまうわけです。

youtubeで面白い動画を見つけました。これは積水化学工業さんの製品を加震台で震度7クラスまで揺らしてみる実験です。やはり、少しは動いてしまっていますね。

ちょっと気になるのは、実験用家具が合板製の軽量なもので、中身がたった40kgしかないこと。特に衣類タンスなどは、それよりはるかに重いことが多いですよね。実際には、もっと大きな慣性力(振り回す力)がかかるケースが多いわけです。

それに、吊り下げ式電灯の動きを見ると、阪神・淡路大震災や新潟中越地震のような直下型の震度7よりも、かなり甘い感じはしますね。

阪神・淡路ではブラウン管テレビが宙を舞い、ピアノが暴れて壁を突き抜けたりしましたし、“四つん這いにもなれない激しい揺れ”にも見えません。


これで済まないからややこしい


なにしろ、器具が外れたり壊れたりする前に地震が収まってくれれば良いのですが、例えば高層マンションの上層階では、ゆっくりとした大きな揺れが、地震が収まっても数分以上続くこともあります。それに最後まで耐えられるかというと、絶対大丈夫とは言えません。

直下型の比較的短時間の揺れでも、周期が短い振り回すような激しい揺れには、耐え切れない可能性もあります。

天井と床が理想的な条件でも大変なのに、実際の部屋の中ではさらに悪い条件が加わるという、次回はそういうお話です。

■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。


2016年10月 5日 (水)

【東京防災ってどうよ44】今できる?防災アクション【11】(#1277)

『東京防災』にツッコむ44回目は、『今できる?防災アクション』の11回目です。

今回から、家具類の各種転倒対策における、具体的な問題点と対処法を考えて行きます。
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『東京防災』の098~099ページです。


L型金具(下向き取り付け)


家具と壁を木ネジ、ボルトで固定。スライド式、上向き、下向き取り付け式があり、下向き取り付け式が最も強度が高い。

ということで、その通りではあります。

しかし、最大の問題は壁。これは木ネジやボルトで固定するすべての器具に共通する問題です。

最近の建物の壁は、弱すぎるか強すぎるのどちらかがほとんどなのです。


大抵は上手く行かない?


一般的に、屋内の壁材で最も多いのが、石膏ボードです。これは厚さ15mmくらいで、その裏側は中空か、断熱材などが詰まっています。

それに木ネジやボルトをネジ込むのは大して力もいりませんが、それはすなわち、簡単に抜けるということでもあります。

石膏ボード自体がボロボロ崩れやすい材質である上に、ネジ山と噛んでいるのは板厚の15mm程度に過ぎず、後は裏側に突き出しているわけです。表面からはわかりませんけどね。

しかも、木ネジやボルトをネジ込むことで周囲に小さなヒビが入ってさらに強度が落ちるという、本来はネジで何かを固定するような想定が全くされていない建材です。

そこへ、大地震の際には数百kg、場合によってはトンに達する衝撃荷重がズシンと、それも繰り返し加わるのですから、耐えきれない可能性が非常に高い。

ボルト穴の周囲を固めて強度を上げる薬剤や、植え込んだ後に内部で板状のストッパーが開いて抜けなくなる特殊な器具(下画像は一例)もあり、それらを使えば効果が見込めますが、ボード全体がひび割れてしまえば、そこまでです。

ボードのひび割れは、必ず穴の空いた場所から始まるのです。

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Mory2
(この画像は『マンションジャーナル』様からお借りしました)

このような石膏ボード用の固定器具は、あくまで棚などを設置することを想定しているもので、瞬間的な衝撃荷重がかかる耐震器具用とは言えません。


しかし、このような器具を使うことで、ボルトが抜けるかボードがひび割れるまでの間、未対策の場合より、かなり『時間稼ぎ』ができるのは確実なので、対策する意味はあります。

でも、石膏ボードの場合は、決して『これで安心』というレベルにはなりません。あくまで、揺れ始めのうちに家具の前から移動するための、『時間稼ぎ』と考えるべきです。

一部の『防災マニュアル』には、石膏ボード壁にボルトを植え込む場合には、壁を叩くなどして裏の間柱の位置を確かめて間柱も共締めしろ、などという“指導”もありますが、それには一言。

『できるものなら自分でやってから書けよ監修者』

石膏ボードの裏に間柱が入っている場合でも、耐震器具をつけたい家具の両端に当たる場所に来ることは、まず無いのです。もしちょうど良い場所に間柱があるのなら、それはかなりラッキーだったということです。しかし、仮に片方がちょうど良い場所にあったしても、もう片方は絶対と言って良いほど位置が合わないはずですし。

さらに、最近多い、壁材の裏に綿花状の断熱材を封入する工法では、間柱自体がありません。

でも、前記事のリンク先にも書いている通り、石膏ボードの後ろに鉄板張って共締めしろと言う、建築方面の教授センセイもいらっしゃいましたし。ここも机上の空論だらけです。


良い建物ほど難しい


一方、壁にボルト類を植え込むタイプの器具が最も効果を発揮するのが、鉄筋コンクリート建物の躯体(くたい)、すなわち建物の構造壁そのものにボルトを植え込む場合です。

マンションの場合、躯体にクロスを貼った仕上げの壁も多いですから、そこなら理想的です。

ただ、鉄筋コンクリート壁にボルトを植え込むのは、ドライバーでネジ込むというわけには行きません。

まず電動ドリルでボルト穴より少し小さな穴を開けて、そこへボルトをネジ込みますが、かなりパワーのある電動ドライバーでも困難です。もちろん、手で回すのはさらに困難。

それ以前に、家庭用のツールでは、ボルトの長さだけの穴を開けること自体が難しいのです。

しかも作業は激しい騒音と粉塵を伴い、とてもじゃないけれど『日曜大工』のレベルではありません。

これは、強度の高いコンクリート躯体ほど作業が難しくなるわけで、もしコンクリート躯体壁にドリルがサクサク入ってしまったら、それはそれでちょっとヤバいですよw

管理人は、あまりの困難さに、躯体壁へのボルト植え込みは1カ所で断念しました。


大変なんですよ


このように、L型金具をはじめとする、壁にボルトを植え込むタイプの器具は設置が難しいのです。

さらに、壁や家具の損傷、美観、原状復帰などを考えると、いかに耐震効果が高くても、どこにでも使おうという気にはなれませんね。


記事には『L型金具は下向き取り付けが最も強度が高い』とあり、それは金具自体の強度や応力計算上は正しいのです。

でも、それをやるには言うまでもなく一度家具をどけて、家具の高さを精密に計り、ミリ単位の精度で金具を設置してから家具を戻してボルトを植え込むという、大変な作業が必要なわけです。

現実には、家具を動かす前に中のものをほとんど出さなければならないでしょうし。

そういった困難に一切触れず、理屈の上だけで正しいことだけ言っていれば良いのが、税金を使って全都民に向けた初の“官製防災マニュアル”である、『東京防災』の仕事ですか?

家庭防災の世界は、いつも教授センセイなどの『専門家』が、実践を伴わない理論や、時には非現実的なご高説を垂れて、それを一般庶民がおしいただくだけで、実際の作業、効果、問題点など『現場の声』は、ほとんど無視されているのです。


次回は『突っ張り棒』です。


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2016年10月 4日 (火)

【東京防災ってどうよ43】今できる?防災アクション【10】(#1276)

『東京防災』にツッコむ43回目です。『今できる?防災アクション』も、早くも10回目ですよ。


まさかねw


本題に入る前に、小ネタなど。

前記事(#1275)でリンクした過去記事の三番目、家の中の地震対策【9】(2012年2月)で、管理人は家の中の地震対策の基本として、こう書きました。

『倒さない、落とさない、飛び散らせない、動かさない』

一方、『東京防災』冒頭の017ページ、【地震発生その瞬間】で、その時取るべき行動の基本として、こうあります。

『落ちてこない・倒れてこない・移動しない』場所に移動
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大地震における室内のほぼ同じ危険を想定して、当ブログ記事はそれを防ぎ、『東京防災』はそれから逃げるケースを考えていますから、表現が似るのは当然でしょう。

でもこれだけじゃなくて、管理人的には細かいところにいろいろ「あれ?」てのがある。さすがに、そのまんまてのはありませんけど。

まあ、教授センセイとかが私のブログなんか見ている訳ないですよね。存在さえ知られていないだろうから、きっとただの偶然か管理人の思い過ごし、ということで。

ただね、とりあえずプロの『商業ベースの防災の専門家』、早い話が『自称防災の専門家』は、そういうこと平気でやるのがいるのは確か。時には、そのまんまパクって平然と自説としちゃっている奴もいるし。


理想は造り付け家具


さてやっと本題です。今まで、様々な家具の固定方法が紹介されてきました。

その多くが、『こういう器具を使うと簡単!』みたいな、トリビア的なものだったのです。

その点、『東京防災』は、決して手軽ではないものの、まず最良の方法を提示しています。『防止対策のポイント』の冒頭(096ページ)に、こうあります(一部抜粋)


【転倒・落下・移動防止対策はネジ止めが基本】
最も確実な方法は、壁にL型金具でネジ止めすることです。ネジ止めが難しい場合は、突っ張り棒とストッパー式、突っ張り棒と粘着マットを組み合わせると効果が高くなります。

最良の固定方法はL型金具のネジ止めであり、それができなければ、他の器具を併用せよと。

すなわち、他のいかなる器具も(併用しても)ネジ止めの効果を超えられない、だからネジ止めを最優先して、できない場合は他の器具、それも単独ではなく複数を併用しなさい、というわけです。

全く、その通りでございます。理屈の上ではね。


一緒に揺れれば暴れない


では、なぜネジ止めが優れているのか。

それは、簡単に言えば、造り付けの家具に最も近くなるからです。つまり、壁とほぼ一体になって揺れ、しかも壁から最も離れづらいという。

その点、他のいかなる防震器具も、家具の動きがある程度は壁と異なることが避けられず、家具単独の動きが大きくなってしまうと、転倒を防ぎきれないこともあります。

というわけで、家具が倒れないランキングは
1位 造り付け家具
2位 L型金具でネジ止め
3位 その他の防震器具(併用)
4位 その他の防震器具(単独)
となります。

家具が倒れるメカニズムに過去記事で触れていますので、ご参考までに。
☆再掲載☆高層ビル編10【首都圏直下型地震を生き残れ!36/54】

壁と衝突して跳ね返ることが、最も転倒につながる作用であり、L型金具のネジ止めは、それを効果的に防ぐわけです。

ならば、みんなネジ止めしちゃえばいいじゃないか。


目的のためには犠牲も厭わず?


でも、そうは行かない理由がたくさんあるから、みんなやらない。管理人も、やろうとして断念しました。

以下、できない、やりたくない理由を列挙します。

■家具の天板が薄くてネジが突き抜けてしまう
■家具の天板の強度が低くて強く固定できない
■鴨居などに穴を開けなければならない
■背後の壁の強度が低くて強く固定できない
■背後の壁の強度が高くてネジ込めない

という感じで、いざやろうとすると、ほとんどのケースでどれかに該当するわけです。そして、実は最大の理由だったりするのがこれ。

■財産価値を下げ美観を損ねる

という。実際、桐タンスや白木の鴨居、アンティーク家具とかにネジ穴開ける勇気、ないですよねw

さらに、多くの人が直面する、次元の違う理由がこちら。

■賃貸住宅だから壁に穴開けるなんてとんでもない

ですよね。地震対策に理解のある大家さんて、いるのかな。


理念は良いが残念すぎ


トリビア的屁理屈よりも、最良の方法を最初に提示した『東京防災』のスタンスは、賞賛されるべきでしょう。

でも、最良ながら今まで主に勧められなかったのは、上記のように、現実には困難だらけだからです。

単純に、家具に穴開けるの、イヤですもんね。

なんだか、大不況の時代に「全国民が財布のヒモ緩めれば経済はV字回復!」みたいな、誰もやりゃしないスローガンかましているようで。

これも、とても残念な机上の空論ですよ。

『ネジ止めが難しい場合は』という一言の裏に、山ほど難しい理由とやりたくない理由があるのですから。


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