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2016年10月 6日 (木)

【東京防災ってどうよ45】今できる?防災アクション【12】(#1278)

『東京防災』にツッコむ45回目、『今できる?防災アクション』の12回目です。

今回は、098ページに記されている、家具の転倒防止器具としては『定番』とも言える、いわゆる突っ張り棒についてです。
Fix1

これ自体は効果的なんですけどね、実際取り付けようとすると大変なんだこれが。


これだけじゃダメ?


『東京防災』では、突っ張り棒についてこう述べています。

【ポール式器具(突っ張り棒)】
ネジ止めすることなく、家具と天井の隙間に設置する。粘着マットやストッパーとの組み合わせで強度が高くなる。

という微妙な表現。なんだか、突っ張り棒単独では不安が残るような印象もありますね。管理人は決して突っ張り棒業者の回し者ではありませんがw、ちょっと擁護しておけば、突っ張り棒単独でも十分な耐震効果が見込めるのです。

ただし、理想的な設置条件と十分なメインテナンスがあれば、という条件がつきますが。


超えられない物理的な壁


壁にボルトは打てない。ならば突っ張り棒を使おうと考えた時、最初に問題となるのは天井の高さです。

最近の住宅は、天井が高めですよね。となると、家具の天板との間に、かなり隙間が開きます。上のイラストでも天井と家具の間は50cmくらいの感じで、それくらいの隙間ならば、かなり効果を発揮できるはずです。

ところが、特に洋室では1m以上開いてしまうこともザラ。そのクラスの突っ張り棒も市販されてはいるものの、長くなればなるほど、耐震効果は落ちて行きます。

突っ張り棒自体がそれほど頑強な材質や構造ではありませんから、大きな力がかかれば、多少はたわみます。

そして、突っ張り棒が長ければ長いほどたわみが大きくなる、すなわち家具と壁が同じ周期で揺れずに、家具単体が別の動きをする余地が大きくなるのです。

そんな家具の動きが複雑な応力を発生させ、揺れが激しい場合には突っ張り棒が外れたり、最悪の場合は変形や折損もあり得るかもしれません。

器具の長さを調節するアジャスターもそれほど頑強では無く、ネジで締め込む摩擦式が多いようなので、激しい衝撃で縮んでしまう恐れもあります。

大きな地震でなくても、小さな地震を繰り返し受けたり、日常的に車や鉄道などのによる揺れがある場所では、だんだん緩んで来てしまうでしょう。だから、定期的なメインテナンスが必要なのです。


そのアジャスターですが、例えばジャッキのような機構で大きな押し付け力がかけられる訳ではなく、あくまで天井と家具の隙間の寸法に合わせて、手でヨイショと伸ばして締め込むだけ、すなわち家具を床に押し付けているのではなく、あくまで天井との隙間を埋めているだけですから、器具についているウレタンなどのクッション材による可動範囲が、数mmは残ります。

そうなると、仮に天井と床が頑強なコンクリート躯体だったとしても、イザ大地震となったら天井と器具との間の動き、器具自体のたわみ、器具と家具との間の動きが合成され、実際には家具が少し動いてしまうわけです。

youtubeで面白い動画を見つけました。これは積水化学工業さんの製品を加震台で震度7クラスまで揺らしてみる実験です。やはり、少しは動いてしまっていますね。

ちょっと気になるのは、実験用家具が合板製の軽量なもので、中身がたった40kgしかないこと。特に衣類タンスなどは、それよりはるかに重いことが多いですよね。実際には、もっと大きな慣性力(振り回す力)がかかるケースが多いわけです。

それに、吊り下げ式電灯の動きを見ると、阪神・淡路大震災や新潟中越地震のような直下型の震度7よりも、かなり甘い感じはしますね。

阪神・淡路ではブラウン管テレビが宙を舞い、ピアノが暴れて壁を突き抜けたりしましたし、“四つん這いにもなれない激しい揺れ”にも見えません。


これで済まないからややこしい


なにしろ、器具が外れたり壊れたりする前に地震が収まってくれれば良いのですが、例えば高層マンションの上層階では、ゆっくりとした大きな揺れが、地震が収まっても数分以上続くこともあります。それに最後まで耐えられるかというと、絶対大丈夫とは言えません。

直下型の比較的短時間の揺れでも、周期が短い振り回すような激しい揺れには、耐え切れない可能性もあります。

天井と床が理想的な条件でも大変なのに、実際の部屋の中ではさらに悪い条件が加わるという、次回はそういうお話です。

■当記事は、カテゴリ【『東京防災』ってどうよ】です。


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コメント

某ホームセンターで「初心者でも安心!防振マット」と大きくPRしていたのは理にかなっていたのですね!家具固定に理解を示す方がいれば素人レベルではないでしょうしね、、、

断捨離とまではいきませんが、整理整頓を心掛けるのが日常レベルでの対策ですね。

>10/8のコメント主様

防振マットならば家具の下に敷くだけですから、確かに誰でもどんな家でも一定の効果が得られますね。

そんなコピーを書いた人は、対策の難しさをご存知なのでしょう。机上の空論かます教授センセイより、そういう方の声を聞きたいですが、世間は肩書き好きですからねw

なにしろ、モノが無いのが一番安全ですが、そりゃ無理というものですね。

突っ張り棒の問題、まだ続きます。

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