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2016年12月22日 (木)

【糸魚川大火】本当に起きてしまった大火災(#1302)

Itoigawa

本日2016年12月22日午前、新潟県糸魚川市の密集地で火災が発生して140棟以上に延焼、午後10時を過ぎても未だ完全鎮火に至っていません。


火災が巨大化した理由


この火災は、自然災害を原因としない普通の火災としては、1976年(昭和51年)に山形県酒田市で発生した、いわゆる『酒田大火』に次ぐ巨大規模となっています。

この火災が巨大化した理由については、下記の条件によるものと考えられます。

■出火点の食堂付近は、耐火性が低い昭和時代からの旧い木造家屋が軒を連ねる木造家屋密集地帯、いわゆる『木密地帯』であった。

■消防隊の到着後も、非常細い路地や隣家との隙間がほとんどない場所も多く、効果的な消火活動を行える位置に消防隊が部署や進入できないことが多かった。

■日本海にあった強い低気圧に向かって吹き込む、風速10m以上の強い南風に煽られて火の粉が広範囲に飛散、当初の火点から離れた複数の場所で次々に出火した。

■火災が短時間のうちに広範囲に拡大したため、糸魚川消防の同時対応能力を超えてしまった。近隣からの応援部隊が要請されたが、到着までに延焼が広がった。


・・・木密地域、消防活動困難な狭い街、強風、消防対応能力超過。

このようなワードや条件、ご覧になられたことありますよね。

そう、東京都などが想定する、最悪の地震火災シミュレーションに非常に近い状況が、実際に起きてしまったのです。


“起きるかも”が起きてしまった


しかし、糸魚川市の火災は自然災害によらない一般火災であり、地震火災シミュレーションとは少し異なります。

糸魚川では、火の粉の飛散によって、同時多発にほぼ近い状況で延焼しました。地震火災シミュレーションでは、家庭で火気を使うことが多く、空気が乾燥して風が強い冬の夕方という『最悪の時間帯』が設定され、そにより同時多発火災が発生する、という想定です。

しかし、強風下で一ヵ所でも発生してしまえば、火の粉の飛散によって広い範囲に一気に拡大するということを、改めて見せつけられました。そして、さらに出火点が多かったらどうなるか。地震火災では、それが現実に起きるのです。


地震火災シミュレーションでは、道路の支障や渋滞によって消防隊の現場到着が遅れます。さらに、断水によって水利が途絶え、多くの場所で遠くの川や海から水を引いてこなければならなくなり、さらに活動が遅れます。

糸魚川市では、もちろん消防はすぐに出場しました。しかし短時間のうちに、糸魚川消防の同時対応能力を超える規模にまで、延焼が進んでしまったのです。

結果的に、他の理由によって活動が遅れたのに似た状況になってしまいました。しかし、それでも、ほぼ制圧するまで水利は確保できていたのです。


1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)では、発災後15分の時点で当時の神戸市消防局の同時火災対応能力の約5倍の数の火災が発生していました。しかも、道路支障、渋滞、人命救助優先、断水により、多くの火災が、しばらく“放置”されざるを得ませんでした。

当日の神戸市は、それでも風だけは弱かったのですが、結果的に長田区などの広い範囲が焼け野原になってしまいました。


強風下の木密地域では、そこから道路支障、渋滞、人命救助、断水という要素を取り除いても、このような大火に発展してしまう可能性が非常に高いということを、我々は今回の糸井川大火で目の当たりにさせられました。

すなわち、地震火災になれば、さらに手がつけられなくなるのは間違い無い、ということです。そして、条件によっては『火災旋風』によって延焼が加速するかもしれない。


糸魚川市の大火は、文字通り“対岸の火事”ではないのです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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