2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

« もう少しお時間ください(#1308) | トップページ | 【インチキのレシピ】ついに禁断の領域へ。究極の一発(#1310) »

2017年2月 2日 (木)

『通電火災』対策はどこから必要か?(#1309)

最近とみに、『通電火災』に関する情報を見聞することが増えました。

なんだか一種の流行みたいな感じさえします。管理人の感覚では、『大地震が来るぞ!』的なアオリ情報が飽きられて数字にならなくなって来ているので、『誰でも手軽にできる災害対策』として、トリビア的に採り上げるメディアが増えているように見えます。

発信量が増えれば、注目情報としてさらに採り上げるメディアが増える、そういう感じかなと。


何を今更


『通電火災』についての見識が広まったのは1995年の阪神・淡路大震災後からで、それまではそういう概念はほとんど存在しませんでした。

阪神・淡路大震災では、古い木造家屋の倒壊が多発しましたが、そのままの状態で通電が回復した時、スイッチが入ったままの電気ストーブやアイロンなどの発熱器具、破壊された電気器具、損傷した屋内配線などがら発火し、火災になるケースが多かったことが、後の調査でわかりました。

そのため、あの当時から地震避難時にはブレーカーを切れという指導が行われ始めていたのです。

あの当時は、地震の揺れで自動的にブレーカーを切る家庭用器具は、まだ存在していませんでした。それが登場して普及しだしたのは、事実上東日本大震災以降のことです。

何も、今更になってトリビア的に騒ぐようなことではありません。でも、とても大事な情報が拡散され、対策する人が増えることは素晴らしいことではあります。

対策する人がひとり増えれば、『通電火災』の発生の可能性がひとつ減る。その効果は絶大です。しかし。


諸手を上げて賛成できない


管理人が賛成できないのは、地震避難時にはブレーカーを切れということについてではありません。これは、誰もが必ず行うべきです。これはもちろん緊急避難時ではなく(可能ならばすべきですが)、避難所などに移動して、しばらく戻らない場合です。

管理人が問題視するのは、家庭用の感震ブレーカー遮断器具なのです。

最近は、地震の揺れでボールが落下することでブレーカーのトグルを落とす簡易で安価な製品があり、一部の自治体では無償配布や購入補助が行われています。

そのような製品は、震度5強程度の揺れから作動するもので、製品によっては作動震度を調整できるものもあります。

管理人はかつて、あるテレビ番組で絶賛していたその製品に対する疑問を記事にしています。2015年1月15日の記事です。

池上彰防災特番にもの申す!

ちょっと長いですが、該当部分を抜粋します(下記太字部分)
【本当は役に立たない?】
阪神・淡路大震災では、『通電火災』の問題が露呈しました。停電状態で避難した無人の家が、通電が回復した時にスイッチが入ったままの発熱器具、破損した家電、損傷した屋内配線などから出火して火災となったのです。

それを防ぐため、避難時には電気のブレーカーを切ることが推奨されています。番組では、切り忘れを防ぐ器具として、震度5強程度の揺れでブレーカーを遮断する簡単な器具が紹介されました。

揺れでボールが落ちることでトグルスイッチを落とす非常に簡単で低コストの器具で、機能的なアイデアはまあ良いかと思います。避難時のブレーカーの切り忘れは防げます。

でも、管理人は絶対につけませんね。なにしろ強い地震が来たら、通電していても確実に“停電”させて暗闇にしてくれるのですから。

ブレーカーが落ちるタイミングは、一番強い揺れが来た時。まさに家を飛び出そうとするか、強い揺れに耐えている時です。その時いきなり真っ暗。周りは明るくても、うちだけ真っ暗。強い地震が来ても、確実に停電する訳ではないのです。実際に、東日本大震災時の関東南部は震度5強の揺れに見舞われましたが、ほとんど停電は起きていません。あのレベルで強制的に暗闇にさせられるとは。

これなど、トリビア的アイデアの象徴みたいなものでしょう。造ったメーカーさんへ言うことはありませんが、それをデメリットも言わずに紹介するテレビって。いわゆる賑やかしネタに過ぎません。


東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)とは異なる、直下型の震度5強になるとまた状況は違って来るかと思いますが、必ずしも停電するわけではなく、過去の例を見ても、震度5強で大規模停電に繋がった例は少ないのです。

そう思っていたら、2017年1月31日に、こんなニュースがありました。YOMIURI ONLINEから一部を引用させていただきます。

感震ブレーカー無償配布にNPOが中断訴え
神奈川県平塚市が住宅密集地を対象に行っている感震ブレーカーの無償配布事業を巡り、耐震補強などを通じた安全なまちづくりに取り組むNPO法人「暮らしと耐震協議会」(木谷正道理事長)は30日、「停電によって避難が困難になる」などとして、配布を中断するよう落合克宏市長に申し入れた。
(引用終了)

配布中断申し入れの理由は、管理人と一緒です(当ブログも読んでいただいてるかな?w)


再考が必要では?


震度5強程度で電気回路が遮断されてしまうのならば、せめて避難経路には人感センサーライトなどが設置されていないと、暗闇で行動するのはあまりに危険すぎます。

そもそも、耐震強度が高い建物ならば震度5強程度で屋外避難する必要さえないことが多いでしょう。でも家具の倒壊やモノの散乱が起きる可能性は高く、そんな時、停電していないのに暗闇にされてはたまりません。

というわけで、管理人も感震ブレーカーのみの単独での設置には反対なのです。

もちろん、無償配布や補助している自治体では、同時に非常用照明の設置を推奨しているわけですが、正直なところ、実効性のある対策を行う人はごく少数のはず。

耐震性が高い建物の場合、大規模停電や建物の損傷が広範囲で起きる可能性が高い、震度6クラスでブレーカーを落とすことで、停電しない場合の避難の安全を確保しつつ、『通電火災』を効果的に防ぐことができるのではないかと、管理人は考えております。


■当記事は、カテゴリ【防災用備品】です。


« もう少しお時間ください(#1308) | トップページ | 【インチキのレシピ】ついに禁断の領域へ。究極の一発(#1310) »

防災用備品」カテゴリの記事

コメント

https://nandemodou.com/2014-11-26_hijyoutou/

こういうものを寝室と避難主要個所に設置して、自動ブレーカー遮断器を併用で使うほうが良いのでは?
頭の混乱しているときには、正常な判断ができません。事前にいざという時に備えておくに越したことはないでしょう。

>コメント主様

情報ありがとうございます。いや全くおっしゃる通りで、このような非常用照明を併用する必要がありますね。

この記事では具体的なことに言及していませんので、また別に書きたいと思います。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『通電火災』対策はどこから必要か?(#1309):

« もう少しお時間ください(#1308) | トップページ | 【インチキのレシピ】ついに禁断の領域へ。究極の一発(#1310) »