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2017年3月30日 (木)

【人気記事の補足】もっと効果的に救援を要請するために(#1320)

当ブログは記事数が1300を超えまして、おかげさまで過去記事もかなり閲覧していただいております。

その中で、特に多くの閲覧をいただいている記事について、少し補足させていただきます。


過去記事閲覧数ナンバーワン


閲覧数ランキングの中で、常にトップに絡んで来るのがこちら。

誰でも送れる救難信号とは?

2012年2月の記事ですが、今でも閲覧数が毎月3位前後と、安定した人気をいただいております。

この記事は、手持ちのもので太陽光を反射して救難信号を発する方法について述べたものですが、実はそれよりもっと簡単な方法があるのです。


あれ、忘れていませんか?


災害で孤立した地域の人々が、地面に大きくSOSなどのサインを描いて救援を求める映像を見ることがあります。下画像は、東日本大震災でのものです。
Sos

もしそこに管理人がいたら、それに加えて必ずもうひとつのサインを作ります。

それは狼煙(のろし)

火を焚いて煙を上げる、古代からずっと受け継がれている長距離識別サインです。それを使わない手はありません。

地面にサインを描いただけでは、航空機からはほとんど直上にまで来なければ見えませんし、高高度からではそれでも見えません。 しかし狼煙が上がっていれば、条件が良ければ数十km先の高空からでも目視できるのです。

下画像は、長野県飯田市のお祭りで上げたられたのろしです。小さなものでも、空からはっきり視認できるのがわかります。
Noroshi

特に災害直後には、煙が上がっている場所には、ほぼ確実に捜索救難機が状況を確認しに来ます。

夜間は煙もサインも見えませんが、大きな火を焚くことで、そこに人がいるか、何かが起こっているということが上空からわかるのです。


パイロットにも便利


そのような場合、ヘリコプターでの救援を求めることが多くなりますが、狼煙はそんな場合にも有効です。

ヘリコプターが飛行場外に着陸する時に、判断すべき要素は3つ。進入経路の障害物、着陸する地面の状態と強度、そして風向きと強さです。

着陸地点の近くから狼煙が上がっていれば、上空から地表付近の風向きと強さが推し量れますので、パイロットの判断の助けにもなります。

ただし、ヘリコプターの接近、着陸時には猛烈なダウンウォッシュ(下降気流)が発生しますので、狼煙はその影響を受けない、着陸地点から十分に離れた場所で焚く必要があります。

着陸地点の近くで火が焚かれていたら、接近したら確実に吹き飛ばしてしまいますから、ヘリコプターは進入できません。


災害時以外にも、例えば山中で遭難して孤立した場合でも、狼煙はとても有効です。 森の中にいる人を上空から目視することは困難ですが、狼煙が上がっていれば一発で見つかります。

これは極論ですが、山中で孤立して捜索、救援が望めない時の最後の手段として言われるのが、これ。

山火事を起こせ

そうすれば、必ず誰かが見つけてやってきます。それで助け出されても後がいろいろ大変でしょうが、死ぬよりはマシ、ということで。

火を起こす道具が無くても、例えば良く晴れた日ならば、メガネのレンズと乾いた枯れ葉で火を起こせます。


狼煙の焚きかた


狼煙は、白煙でも黒煙でもOK。ただ、遠距離からの視認性は、黒煙の方が良いでしょう。

白煙を上げるには、火を大きくした後に生木や緑の木の葉を大量に投入します。 樹木が無い場所では、湿らせたダンボールや木材を入れたりしても良いでしょう。

黒煙は、プラスチックやゴム類を燃やします。破壊された車でもあれば、内装類やタイヤなどを外して燃やすのです。車ごと燃やすのは、燃料タンクが爆発する危険があります。

また、タイヤを燃やす際は、タイヤ本体のみで。ホイールごと燃やす場合には、必ず空気を抜いてからでないと破裂します。

どちらの場合も、常に火を焚いておいて、捜索が期待できる段になったら一気に火を大きくして、生木やプラスチック類を投入して濃い煙を上げるのです。


全く余談ですが


狼煙を上げるような状況では、ヘリコプターでの救援を受けることが多いでしょう。

校庭などにヘリポートのサインである、アルファベットのHを丸で囲んだサインを描いているようなこともありました。 下画像も、東日本大震災のものです。
H


ところでこのHサイン、ヘリポートを表すサインであると同時に、ヘリコプターの進入可能方向を示しているのです。 Hのたて棒2本が向いた方向のどちらか、もしくは両方から進入可能である、という意味になります。

もっとも、パイロットが飛行場以外に描かれたHの字の向きをそのまま信じることはなく、周囲の状況を確認してから降下しますので、実際には適当でも心配はありません。

しかし、特に自衛隊などの大型ヘリコプターは重量があるので、広ければどこでも着陸できるとは限りません。下手をすると、地面にめり込んでしまうのです。

そこで、救難ヘリを運用する組織では、災害の際に臨時ヘリポートになる可能性がある、校庭などの地面強度や障害物などを普段から調査していますので、そこはプロに任せておきましょう。

着陸に適さない場所でも大丈夫。救難ヘリは地面スレスレでホバリングしたり、ホイスト(ワイヤーロープ)で人や物資を吊り下げるなどで、必ず助けてくれるのです。

Photo_2
この画像はTVで生中継された東日本大震災の救難シーンですが、陸上自衛隊の大型ヘリが、着陸するだけの強度がない病院の屋上、しかもちょっと傾けばローターがフェンスに触れてしまう狭い場所で、床面スレスレにホバリングしながら救助している、神業とも言えるシーンです。

このような救難技術においては、我が国は世界最高レベルなのです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム、災害対策マニュアル】です。


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