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2017年5月

2017年5月22日 (月)

【リクエスト編】ガチな訓練やりゃいいってものじゃない(#1326)

■当記事は、読者の方からのリクエストにお応えしてお送りします。


避難訓練や帰宅困難対応訓練を、自主的に行いたいとお考えの方も、少なくないと思います。

でも、いざ実際にやろうとすると、なかなかハードルが高いものです。


楽しくなけりゃやってらんない


例えば、職場や学校から自宅まで、交通機関が途絶した状況を想定した帰宅困難対応訓練。

普段歩いたことが無い長距離を、水、食料やトイレが制限される状況で、しかも夜間や悪天候の中を歩き通すという現実に即した形でやろうとすると、これはもう大変です。

ましてやヘルメットにリュック姿で普段の街を歩くなど、集団での訓練ならまだしも、個人や家族単位でやろうとすると、周囲の視線も気になるし、特に夜間には様々な危険も想定されます。

何より、長い距離をひたすら歩くなど、苦行以外の何物でもありません。とにかく、楽しくない。

敢えてリアルなシミュレーション訓練に同意してくれるメンバーがいれば良いのですが、普通はご家族などの同意を得るのも難しいかと。

管理人としては、そんなことはやる必要無いと考えます。管理人自身も、そういう訓練はやったことがありません。


段階を踏みましょう


そこで、管理人からの提案です。どんなことでも、いきなりリアルな状況に放り込まれては、戸惑いと苦しみだけが先に立ってしまうでしょう。

例えば、必ず何キロかを歩き通さなければならない、水、食事、トイレは制限される、歩きやすい靴や服装とは限らない、と最初から決めてしまうような。

いや、そこまでやらなくてもいいんです。もしやるにしても、いろいろ”逃げ道”を作っておくのです。

その第一段階として、まずみんなで『図上演習』を行ってみましょう。

具体的には、移動すべき経路を地図(できれば帰宅困難支援マップが良いでしょう)で確認ながら、なになに通りを歩くのか、どれくらいの距離があるか、周辺の街はどのような様子か、橋、繁華街や住宅密集地など災害時に通行困難になる可能性がある場所はあるか、その場合の迂回経路はあるか、迂回距離はどれくらいなのか、避難場所や帰宅困難支援施設はあるかなどを調べながら、ポイントを書き出して行きます。

ご家族などでワイワイと、みんなで意見を出しながらやると良いでしょう。まずその段階で、「災害で交通機関が止まったらこんなに大変なんだ」というイメージを共有できます。

この『図上演習』で、イザという時どう動けば良いかというイメージを作っておくだけでも、”本番”での不安を抑えて正しい行動をするために、大きな効果があるのです。


ユルユルとやりましょう


さて、そこで「実際に歩いてみるか」と提案しても、「えーっ」となることが多いかと。そんな苦行、できればやりたくないですよねw

そこで、まずは”ダウングレード版”から提案されてはいかがでしょうか。

出発点から移動すべき経路の一部、特に繁華街や通行困難想定ポイントなどを中心に、途中で交通機関を使うことを前提に、適当な距離で移動経路を設定するのです。

日常生活では5km歩くことなど滅多にありませんから、とりあえず最初はそれくらいからがよろしいかと。もちろん、やれるところまでやってみる、でもかまいません。

とにかく、絶対に完遂するではなくて、疲れたら切り上げるという前提が大切です。公共交通機関が無い場所ならば、疲れたらタクシー乗っちゃうくらいの前提で。

大切なことは、歩き通す力があるかどうか確認するのではなくて、どれだけ大変なことなのかを体験することなのです。


お楽しみも大切です


せっかく街を歩くのですから、経路のお店や観光ポイントも事前に調べておいて、ちょっと寄ってみても良いでしょう。普段は通らない、通り過ぎているだけの街を歩くと、いろいろ新鮮な発見がありますから、そこは気分で。

なんなら、寄りたい場所へ行くために経路を変えてもいいんです。それはそれで、街の様子や距離感を実感する体験になります。

歩きながら、災害時でもここは安全そうだ、危険になりそうだというようなことを、みんなで話しながら歩きましょう。

お子さんが一緒ならば、「大地震が起きたらここにはどんな危険がある?どうしたらいい?」というようなクイズをするのも楽しいでしょう。

災害時の徒歩移動は、言うなれば『大きな火事がおきた。回り道をして1000ポイントのダメージ』とか『帰宅困難支援施設で水をもらった。5000ポイント回復』というような、リアルロールプレイングゲームなのです。

そして、ミッションが終わったらおいしい食事をしながら、プチ反省会で締めくくりましょう。


どんなスタイルがいい?


街歩きをするのに、ヘルメット姿では恥ずかしいw普通の格好でいいんです。

とりあえず、両手を空けられてバランスが良いリュックが基本ではありますが、あとは歩きやすい靴と快適な服装で。そこで、快適な装備で無かった場合の負担を想像してみるのです。

重い手提げバッグを持って何時間も歩くなど、ぞっとしますよね。ならば、例えばビジネスバッグはリュックにもなるタイプにしようとか、これが夜ならば停電で暗闇だな、ライトは絶対だな、ということも実感できるわけです。

多少気分を出すならば、道中の食事はビスケットやエネルギーバーだけにしてみるとか、なんなら乾パンだけにして、あれがいかに”使えない”非常食品なのかを実感してみてもいいかとw

当ブログでは、非常食品として乾パンは全く推奨しておりません。

もちろん、辛くなったら休んでおいしいもの食べましょう。特に、十分に水分を補給することは絶対です。でも、そうしながらも”それができない状況”を想像しましょう。

辛いですよね。ならば、普段から何を備えておけば良いかも実感できます。そこで初めて、受け売りではない、あなた自身の体験からの知識となるのです。

あと、足のマメ対策として、絆創膏を用意しておきましょう。マメができた足で長距離を歩くのは、事実上不可能です。

できてからの対策だけでなく、マメができやすい場所に先に貼っておいてもいいでしょう。


長距離歩行の知識


長距離を歩くためには、それなりの技術があります。

最も良くないのは、何時間も疲れ切るまで歩いて、長時間休むこと。これは疲労感を何倍にもしてしまい、歩く気力を失わせます。

軍隊の行軍では、55分歩いて5分間小休止、それを3~4回繰り返してから、30分程度の大休止を行うというのが、最も疲労が少ない方法と言われていますが、それはあくまでかなり鍛えた人間の話。

一般人の場合は、30分歩いて5分の小休止でも良いでしょう。なにしろ、一定のリズムで淡々と歩くことが、長距離を歩くためには最も大切なのです。

小休止の間には、靴を脱いで足の裏をマッサージすると、疲労感の軽減に効果があります。また、小休止の間には背負った荷物を下ろすなとも言われます。身体から一度荷重を抜いてしまうと、再び背負った時の疲労感が強くなってしまうのです。

言うまでもなく、靴の種類で疲労は大きく変わってきます。歩行に適したスニーカーやトレッキングシューズなどでも大変だということを体験できれば、出先に平底の革靴やハイヒールだけしか無いという状況が恐ろしくなって来るでしょう。


夜間の訓練とは?


夜間の帰宅困難対応訓練は、果たして必要なのでしょうか。

実のところ、危険や負担が増す割りには、現実的なシミュレーションができるわけでもありません。何しろ、電気が生きていて暗闇ではないというのが最大の違い。

交通事故や犯罪に遭遇する危険も増しますし、繁華街には酔っ払いや得体の知れない人も溢れています。そんな中を、ご家族やお子さん連れで歩くというのは、あまりお勧めできません。

暗闇の中をライトひとつで歩く体験としては、きちんと管理された夜間登山や夜間トレッキングなどのイベントに参加するのも良いでしょう。普段の街では体験できない本当の暗闇の怖さや移動の難しさ、明かりのありがたさを知ることができるでしょう。

災害時は、それが街中で起きるのです。しかも、“人間の危険”がある。東日本大震災後の、計画停電の街を思い出してください。普段の街の姿とは全く違う、暗闇に何が潜んでいるかわからない、ある意味で“魔窟”が現出します。ならば普段から何を備えておいて、どんなことに気をつけて、どんな行動をすれば良いかがわかってきます。

そんなわけで、管理人としては特に夜間の帰宅困難対応訓練を行う必要は無いと考えます。平時の街は災害下とは状況が違いすぎますし、様々なリスクも大きくなるからです。

帰宅困難対応訓練を中心に、管理人の考え方をまとめさせていただきました。

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


2017年5月 5日 (金)

【管理人ひとりごと】さてこれからどうしようか(#1325)

このところ、記事更新の間隔がのびのびになってしまい、申し訳ありません。

実は管理人、4月から新しい“本業”に就きまして、いまだバタバタの最中です。とりあえず、GW休みでほっと一息という状態です。

もうしばらくすれば、もっと早いペースで更新していけるかと考えております。もう少しお時間を頂戴できれば幸いです。


管理人の新しい仕事も、防災というか危機管理の考え方と行動が非常に重要になる世界ですので、個人的にはこれまで培った知識と技術を縦横に活かしつつ、一方で仕事の現場からフィードバックされるリアルな情報も、当ブログにも活かして参ります。

なにしろアウトドアにいることが非常に多い業種ですので、主に市街地において地震や暴風雨、場合によっては竜巻などの自然災害に遭遇する可能性が高まりますから、それへの備えはより厳重にしております。

そしてもちろん、交通事故を始めとする不慮の事故への対策も、より高いレベルで求められる世界なのです。


ご意見お聞かせください


当ブログがスタートして約5年、記事は1300本を超えました。

これまでの記事で、自然災害への対処方法の基本と考え方は、多くの角度から語りつくしたという気がしています。

もちろん、大切なことはこれからも繰り返し記事にして行きますし、アップデートしなければならない内容もかなり出てきていますから、そのような記事は随時お送りして参ります。

ただ、本来の『防災』における、新しい切り口はあるのか、それはどんなことなのか、これから何を主眼にして書いて行こうかということに関して、ちょっと迷っているのも事実です。

それはモノなのか、技術なのか、心理なのか、情報なのか。

自然災害対策なのか、テロ対策なのか、交通事故対策なのか。


そこで、読者の皆様から「こんな情報が欲しい、こんな話を聞きたい」という忌憚ないご意見を頂戴できればと考えております。過去の記事を切り口を変えてもう一度、またはもっと詳しく、などでも結構です。

ちなみに、エセ予知屋を叩くことは、言われなくてもやりますw


ご意見、ご要望がありましたら、どの記事でも構いませんのでコメント欄か、下記の当ブログ専用メルアド(管理人しか見ません)まで頂戴できれば幸いです。

すべてのご要望にお応えできないかもしれませんが、できるだけ反映させて参ります。

どうぞよろしくお願いいたします。

■■管理人直通メルアド■■
smc-dpl@mbr.nifty.com


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。


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