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2017年6月27日 (火)

当ブログのスタンス~大切なこととそれほどでもない事~(#1329)

■当記事は、読者の方からのご質問、ご意見にお答えするものです


過日、地震や防災について専門的に研究されている方からのご意見を頂戴しました。

的確なご指摘もあったものの、多少の誤解もあるようですので、当ブログの主旨と管理人のスタンスについて、改めて説明させていただくために、記事にいたします。


そんなことありません


まず、当ブログが自助に重きを置きすぎているのではないか?もっと『共助』を重視すべきではないか?というご指摘です。

この点については、端的にお答えできます。当ブログや管理人は、決して『共助』を軽視しているわけではありません。

要は『自助』を前提としない『共助』はあり得ないという考え方です。

『共助』については、阪神・淡路大震災では生き埋めになった生存者の8割が近隣住民によって救出された、という例がよく引かれて、『共助』の大切さが説かれます。

しかし、それは我が国に限ったことではなく、多少の考え方の違いこそあれ、大抵の国や地域の被災地でも行われていることです。

ある意味で、当たり前のことなのです。

逆に、ならば近隣住民の大半が救助活動に最大の力を注いだかというと、決してそうとは言えない。自分たちのことを優先せざるを得ない状況もあったでしょうし、「自分は大したことはできない」とか、中には「面倒に関わりたくない」と、参加しなかった人も確実にいます。

これが、生命に直接関わる緊急の救助活動ではなく、例えば食品などの備蓄になれば、自分たちの分の備蓄を削ってまで他に与える人の比率は、さらに下がるでしょう。

被災地からは、少ない食料を分けあって飢えを凌いだというような”美談”が伝わって来ますが、果たしてあらゆるケースでそうだったのでしょうか。

ましてや、システムとしての『共助』体制があるケースや、同じ地域、学校や職場などの集団ではなく、たまたまそこに居合わせた人の雑多な集団、例えば駅の群衆だったら、大半の人が自分の取り分を削ってまで他にも与えるかというと、大いに疑問です。

もちろん、そういう人も少なくないでしょう。でもその場合”持てる人”にばかり負担が集中し、せっかくの『自助』が破綻します。

「困った時はお互い様」というのは全くその通りなのですが、それはある程度の余裕が前提と考えなければなりません。

ですから、管理人の考え方は、基本的に『共助』はオプションであり、まずは周囲からの支援を受けられない前提での『自助』態勢を作らなければならない、ということなのです。

少なくとも”持てる人”が他に施すのが当然、なにも備えていなくも、近所に助けてもらえて当然、という考え方はしていませんし、もちろん勧めません。

集団内で、お互いが労力や『自助』の備蓄を持ち寄って効果的に配分するというのが『共助』の理想的な形であり、そのためにはまず『自助』の充実が必要、ということです。

近所付き合いが希薄な都市部においても、ある意味で楽観的です。なぜなら、普段あまり付き合いがなくても、実際の災害時には多くの人が近隣の支援をするはずだからです。

やらない人はやらないでしょう。でも、大災害という異常事態下では、自分のコミュニティ、場合によってはたまたまそこに居合わせた集団にさえ、間違いなく帰属意識が高まるからです。力を合わせてこの危機を乗り切ろうと。

ですから、決して人付き合いの希薄さを悲観して目を閉ざしているわけではありません。ただ、やれることをやらないで他人に期待するな、ということです。


あくまで現実に即して


次に、専門的なご指摘についてです。大前提として管理人は専門家ではなく、学術的見地からの誤りはかなりあることは認識していますが、問題はそこでは無いと考えます。

まず、免震構造について。アイソレーターとダンパーによる構造は免震ではなく制震構造だとのことですが、学術的にはともかく、一般的には大半が免震と言われています。例えば『制震マンション』という表現は見たことがありません。

また、制震構造の鋼材ダンパーが揺れのエネルギーを吸収するのは弾性範囲内の『変形』ではなく、それを超えた塑性化が前提のご指摘。

ちょっと乱暴に言ってしまえば、弾性限界内でも不可逆的な塑性化でも、少なくとも『変形』はするわけで、一般的な表現としてはそれほど問題無いと考えます。要はダンパーは揺れのエネルギーを吸収する、ということが肝要なわけです。

高層建築物の『2次モード震動』記事についても同様で、建物の構造が『ゆがむ』ことには変わりはなく、構造が塑性化するか、どの程度で破壊に至るかについては、素人としては埒外と考える、というか理解し切れません。


次に、長周期地震動についてのご指摘について。

用語自体がメディアの造語とされていますが、専門家の発表・資料にも頻繁に登場しています。

また、周期1~2秒の揺れは『やや短周期地震動』とのこと。概念は知っておりますが、そのような揺れが発生した阪神・淡路大震災や新潟中越地震などの報道や各種発表・資料においても、『やや短周期地震動』という表記を見たことがありませんし、『免震構造の弱点』記事で引用した研究発表資料の中でも、『周期1~2秒の短周期地震動』という表記が見られます。

また、資料によって極短周期、短周期、やや短周期、長周期地震動の数値が異なっているケースも散見されますので、専門家ならぬ素人としては「どれが正しいんだ?」というところでもあります。

このように、管理人の理解不足の部分も否定できませんが、あくまで世間や専門的資料でよく見られる現実的、一般的な表現をしており、大筋においては間違いでは無い、ということもご理解いただければと。


専門家では無いからこそ


このような答えでは、専門家のお立場からは不満というか、いい加減なこと言うなとお感じかもしれません。

しかし、敢えて乱暴に言いますと、素人にはそんな細かい違いは、大筋において間違いでなければ、それほど問題ではないのです。

管理人は市井のいち防災研究者に過ぎず、地震学や構造学の素養もなく、あくまで各種資料を読み込んだ上で、そのエッセンスを理解しているレベルの”ちょっと詳しい素人”に過ぎません。

そんな管理人の、ひいては当ブログの役割として考えているのは、小難しい専門的理論を、誰もが自分の身を守るために使える情報へと変換するトランスレイター(翻訳者)としての存在です。

しかも商業的意志や立場などに影響されない、ボランタリーの立場でです。

手前味噌ながら、世間にそういう人、少ないですよね。メディアに出る人はみんな銭儲けやしがらみだらけで、ブログなどは閲覧数稼ぎで、いい加減なことを言う奴の多いこと。

まあ、正義の味方を気取るつもりもありませんが、持ち出しでこういうことをやるバカがひとりくらいいてもいいんじゃないかな、そのくらいの気持ちでやってます。

今後へのご提案もいただきましたが、ビッグデータ活用などは素人の手に余るものであり、それは専門家にお任せします。

管理人と当ブログは、あくまで専門家の研究成果を拝見してかみ砕き、平易な形で多くの方にお伝えすること。それを旨として参ります。

最後に、ひとつお願いです。

専門的研究をされているお立場として、管理人のような素人ではなく、専門家の肩書きで無根拠の話や大ウソをバラ撒く連中に対して、専門的見地から批判の声を上げていただければと。

ああいう連中は、それこそ『専門家のツラ汚し』ではないですか?

■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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日記・コラム」カテゴリの記事

コメント

まずは記事を書いてくださったこと、感謝いたします。
言葉足らずで若干誤解があったようですので補足を。
[免震等について]
たしかにアイソレーターとダンパーを用いるのは免震です。まず言いたかったのは、
・揺れても耐えるのが耐震構造(現行基準ではすべて耐震です)
・揺れを吸収して抑えるのが制振構造
・建物への入力そのものを減らすのが免震構造
ということです。高層マンションでも制振システムを採用しているものはそれなりにありますが、まだ免震と比べて認知されていない(違いがわからない)ため宣伝文句としていまいちなのでしょう。一般に超高層建築は風荷重も考慮する必要がありますから、制振部材は入っていることが多いと思います(免震は風では効かないので)。
鋼材ダンパーについても補足ですが、実際の鋼材の弾性勾配はグラフ化するとかなり急峻でほぼ垂直に立ち上がっていることがわかります。そのため塑性化が前提ということになります。
広告等でも免震や制振を謳ったものが増えており、相次ぐ震災で関心も高まってきているので正しく発信してもらいたいと思い指摘した次第です。
仰る通り専門的な知識は一般には重要ではないですから、仕組みに踏み込んで書くならもっと勉強して正しく書かないとほかのブログ等と変わらないですし、それが難しいなら踏み込まないで荒削りのざっくりでも良いのかなと。
http://www.nhk.or.jp/sonae/column/jishin_tsunami.html
こちらも読んでみると良いと思います。執筆者の論文は難しくても、こちらの記事なら一般向けにかみ砕かれているので理解しやすいかと思います。長周期云々についても纐纈(こうけつ)先生が解説されています。

自助共助に関しては平行線を辿りそうなのでやめておきます(笑)
参考書籍として「逃げないですむ建物とまちをつくる   日本建築学会 編  技報堂出版」を紹介しておきます。2年前に出版された比較的新しいものですので、もしかしたら既にお読みになられているかもしれません。

民放等でいい加減なことを吹聴している諸先生方については、実はこのブログで知ったといっても過言ではないくらいに興味がありませんでした。学会やシンポに出てくるわけでもないですし、地震・防災に関してはNHKはまともな人選をしている(他分野もおそらくまとも)のでNHKしか地震・防災特集は見ません。叩いたら叩いたで喜びそうですし、もっと偉い人が公共の電波で叩いてくれればいいかなと思っています。そんなに影響力ないですから。

長々と失礼しました。

>ろで様

早速のリプライをありがとうございます。

耐震や免震の概念については、基本的には理解しております。『免震構造の弱点とは』の記事の中でも、耐震構造の管理人宅と、免震構造の知人宅の震災被害の違いを比較しております。

制震構造とは、例えば建物の上部やコア部分に錘を入れて、揺れと逆向きに揺らすことで全体の揺れを抑えるような構造もそのひとつという理解なのですが、これは間違いでしょうか。

それはともかく、専門家レベルの理論は素人には不要かもしれませんが、そのエッセンスというか考え方は、とても重要だと考えます。

専門家の「これこれこういうことだ」という話に、「なぜそうなのか?」という疑問を持たれる方も多いかと。もちろん、私もその一人です。そこから始まって、こういう
ことをやっているわけです。

ですから、いろいろご意見があるのを承知の上で、今後ともこのようなスタンスでやって行きたいと考えております。

それにしても、過去記事でも触れていますが、災害対策に関わる学術的理論は、ざっと考えても地球物理学(地震学)、物理学、工学、心理学、行動学、気象学、栄養学、医学、さらには文化人類学等々、あまりに多岐にわたります。

それらを全部修める人など存在しませんが、それぞれの知識のエッセンスは、すべて必要です。

私としては、それらのエッセンスを広く浅く抜き出して、現実の災害対策に活かせるようにトランスレイトして行きたいと考えています。

当ブログの記事は、ただ理論や知識を羅列するのではなく、すべて”こういうことになったのは、なぜなのか?”というスタンスであり、そのために各種理論のエッセンスを援用させていただいているわけです。

それから、『アイソレーター』でしたね。裏でピアノの対策のご相談を受けて、脚部につける『インシュレーター』の話をしていたら、取り違えてしまいました。申し訳ありませんが、その程度ではありますが、どうかご容赦を。

自助共助については、ある意味で平行線でもよろしいかと。

なぜなら、貴殿はシステムとしての共助を研究されているかと存じますが、私が推奨していることは、その前段階の概念です。

極論すれば、”ひとりで荒野に放り出された時、どんな技術、行動、装備が必要か”というレベルの、言わば本来のサバイバル概念をベースに置いています。

また、当ブログのテーマは『Think yourself』であり、周囲がいかなる状況でも、まずはあなた自身の力で生き残り、生き延びよ。災害対策はその延長線上である、という概念です。

むしろ、例えばうちの町内や会社は共助(互助)の体制がしっかりしているから安心だ、というように、まず自分自身で何ができるかという思考を放棄してしまうようなことを危惧しています。

過去記事に何度も書いている、「あなたとあなたの大切な人の生命、財産を守るのは、あなた自身なのです。」というフレーズに、その気持ちを込めています。

そういうわけで、ご指摘を決して蔑ろにするつもりはありませんし、さらに知識の函養には励みたいとは存じますが、これからも基本的にはそのようなスタンスで参ります。

『逃げないですむ建物とまちをつくる』という書籍、浅学にて読んでおりませんが、”まち”という概念から理想を語ることはできても、そのために資金と労力をつぎ込むのはそれぞれの家主の意志であり、それなくして安全なまちは完成しません。貴殿と私のスタンスの違いそのもの、と言っても過言ではないでしょう。

基本、”わかっていてもなかなか手をつけない”というのが災害対策でもありますし。

最後に、専門家の方々も、もっとエセ学者に注目していただければと。裏付けも実績も無い理屈を、肩書きを利用していかにも正しいこととして吹聴しては、カネ儲けに繋げています。

外野から見ていても、真摯に研究されている方々の顔に泥を塗るというか、貶めているようにしか見えません。正直、どうでも良い存在かとは思いますが、メディアを利用したその影響力は、決して小さくは無いのです。

今後とも、ご意見を頂戴できれば幸いです。ありがとうございました。

てば 様
いつも楽しみに拝見しております。
防災に関する様々な話題を継続して提供・提案して頂いている姿勢とパワーには敬服するばかりです。

始めてはみたものの、どこかで見たような情報を書き連ね
更新が滞ってしまったブログ等も多いなかで、失礼ながら時に全面的に賛同できるとは言い難いお話しも有りますが、こちらのブログは私にとって大変貴重な学び・気づきの場となっております。本当に有難うございます。

専門的見地からのお話はともかく、
「『自助』を前提としない『共助』はあり得ない」
「『共助』はオプション」
というお考えは、素人の一個人としては大変納得できるご意見です。

私事で恐縮ですが…私は現在、関東の分譲マンションに住んでおります。東日本大震災も計画停電もこのマンションで経験しました。

しかしながら、我がマンションに於ける防災対応は未だに「殆ど何もしていない」に等しい状況です。
様々な価値観を持った住民の共同体であるマンションでは、
意志統一が難しく、我がマンションではその傾向が特に強いようにも感じています。

そのような状況下で、私にとっての防災は、
「まず自助を充実させること」という結論に至り、自分なりに備えているところでございます。

レアかもしれませんがこのようなケースもある、という事をお知らせしたく書かせて頂きました。
これからもお身体を大切に、無理をしない範囲で情報発信を続けて頂ければ有り難いです。失礼いたしました。

制振構造についてお答えします。
まず呼称についてですが、NHKそなえる防災にて久田先生が連載のなかでも解説していますが、揺れを吸収するシステムのうち、
・地震動に対するものを制震
・風等の地震以外によるものに対するものを制振
といい、両者を合わせて制振構造と呼ぶのが一般的です。細かいかもしれませんが、知識として留めていただければと思います。
管理人様の仰る錘を用いるものも、もちろん制振ですから認識は間違っていません。錘を用いるものはマス(重量)ダンパーと呼ばれ、様々な種類があります。振り子のように自動的に機能するTMD(Tuned Mass Damper)やアクチュエータで能動的に機能させるAMD、水槽を用いたスロッシングダンパーが主な例で、管理人様が想像しているのはこれらかと思います。森ビル系列で屋上緑化をMDにしている例もあります。
これに対して耐震補強の例として、高層建物では制振補強という選択肢もあり、これは主に制振ブレースをいれるというものです。オイルダンパーやアンボンドブレースが代表的な例です。後者は鋼材ダンパーを筋かいに利用していると考えていただければわかりやすいかと。

耐震と免震を比較している部分も読みました。予稿集も目を通しました。三の丸波の卓越周期は3sだったと思いますから、医療施設の免震としては周期設定が短めだったのかなと想像しています。実験自体は9年前ですので、当時と今での考え方の違いもありますが。どんな家具をどう配置するかは入居者次第ですから、室内被害を抑えることは残念ながら設計段階では難しいのです。よく勘違いされるのですが、地震に強いという謳い文句は構造躯体に対して言うのが一般的です。設計者や施工業者の守備範囲から外れますので、売り手が入居者に対して説明することが重要だと考えています。まあ弱点というか原理としてはごく普通の現象なのですが、いかんせん実被害例が当時ほとんどなかったことも一因でしょう。

平行線と言いつつ少しだけ。私は「防災対策は、大は小を兼ねない」と考えています。次に来る可能性が高いのは、首都直下や南海トラフのような大災害ではなく、3.11時の関東のような中小規模の災害です(あくまで再現期間の話です)。大災害と中小災害では異なるレベルの対策が求められますから、その視点(サバイバル的ではないが)があるとより現実的なのかなと思います。

>らくらく様

なんだかそんなにお褒めいただくとこそばゆいですが、単純に喜んでおります。ありがとうございます。

昔からの防災ヲタの知識を、なんらかの形で皆様にお役立ていただければ、それが無上の喜びです。

私のマンションは、理事もやっている私がこういう奴ですからw、なにかと結構充実していますし、共用の防災備品はそれなりに備えています。

でも、そんなのは気休めくらいなんですね。のどが渇けば水がほしい、おなかがすけば食べ物がほしい、寒ければ暖房が欲しい、雨が降れば雨よけが欲しい。

そういう基本的な部分は、自助に頼るしかないのです。私がたまに使うフレーズに、「災害対策とは、災害時にいかに楽ができるか」ということだと。

危ないことを、取り除いておく。手に入らなくなる必要なものを、自分で備えておく。ただそれだけなのですけどね。

らくらく様のようなお考えの方、決してレアではありませんよ。社会全体からは少数派かもしれませんが、少なくとも当ブログの読者の方には、そういうお考えの方が多いはずです。

それから、是非伺いたいのが「全面的に賛同できない」という部分です。私からの一方的な話ではなく、いろいろな方のご意見も伺いたいと考えています。

もしよろしければ、是非お聞かせください。

最近は本業多忙のために更新が滞りがちですが、今後ともよろしくお願いします。

>ろで様

制震構造についてのご解説、ありがとうございました。マスダンパー以外にもいろいろあるのですね。

水槽を使ったスロッシングダンパーまであるとは、正直なところ驚きました。スロッシングというと、石油タンクの害悪くらいのイメージでしたから。

もちろん効果的なのでしょうが、素人のイメージとしては液体がうまい具合に構造の揺れと逆位相になってくれるのか、同位相になって揺れを大きくすることは無いのか、などと心配してしまいます。取り越し苦労に違いありませんが。

耐震構造である制震ブレースは、最近は旧耐震基準建物に外付けしている例も多いので、イメージが掴みやすいです。鋼材の塑性化またはオイルの流動抵抗や摩擦力で、揺れのエネルギーを熱に変換するというわけですね。

あの『免震構造の弱点とは』の記事、東日本大震災での管理人宅と近くの知人宅で、本当に極端な被害の違いがあったのです。

その理由が、記事で触れた研究成果報告会に参加して理解できました。そこで、「免震だから安心」ということではなく、家具の配置や固定が重要なのは変わらないよ、というか、場合によっては耐震建物より強化しなければならないこともあるよ、ということをお伝えしたかったのです。

余談ながら、あの報告会は、例の「関東で4年以内に70%の確率で大規模地震」という発表のせいで大騒ぎでして、会場内にTVカメラもいましたし、私も会場の東大を出た途端にフジテレビのインタビューを受けました。

放送では使われませんでしたが、それも当然。メディアの例によって、まず答えありきの誘導尋問を盛んにされたので、ニヤニヤしながら”望ましくない”回答をしたものですからw

要は、専門家風ではない普段着の一般参加者をつかまえて、「地震が恐ろしいので参加した」、「(今まで知らなかった)地震の恐ろしさが良くわかった」、「すぐに地震対策を進めたい」というような回答ありきの質問だったので、「知識はそれなりにあります」、「情報を出す立場なので、勉強にきました」、「自分の対策はもうかなりできている」とか答えてやったので、そりゃ使われませんねw

さておき、貴殿の言われる「防災対策は、大は小を兼ねない」というのは、私も納得できるお考えです。おっしゃるように、次の地震が最大規模で起きる可能性の方がずっと小さいわけですが、危機管理の常道として最大最悪を想定したシステムが、中小規模の災害では効果的に稼働できない、ということはあるでしょう。

ただ、「大は小を兼ねにくい」ということで、言うまでもなく”無いよりはるかにマシ”でもあります。

一方、個人レベルにおいては、最強の耐震や十分な自助体制や備蓄は、中小災害ではより大きな余裕となるわけで、そのレベルでは「大は小を兼ねる」と言ってもよろしいのかと。

もっとも、自助だけで完全ということは現実的ではありませんので、そこに共助と公助のバックアップが加わることで、物質的にも精神的にもより効果的な災害対策となる、というのが理想の形かと考えます。

また、いろいろご意見やご指導をいただければ幸いです。

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