長野県南部で震度5強(#1328)
2017年6月25日午前7時2分頃、長野県南部の岐阜県境寄り深さ7kmを震源とするマグニチュード5.7の地震が発生し、長野県王滝村で最大震度5強を観測しました。
幸いに大きな被害には繋がっていないようですが、震源の浅い地震は余震が多発する傾向があり、本震後には多数の余震が発生しています。今後しばらくの間は、本震と同程度の規模の余震が発生したり、近隣の震源域でさらに大きな規模の地震が発生する可能性がありますので、警戒を継続する必要があります。
この震源域は以前から比較的活発な活動を見せていましたが、2011年3月の東日本大震災以降、さらに発生回数が増加していました。しかし時間の経過と共に地震発生回数は次第に減り、ここ1年程の間には、顕著な活動は見られませんでした。
今回の地震は、久しぶりとも言える大きな発震でしたが、気象庁の発表によれば、東日本大震災の影響や、かつてこの震源域で発生した大規模地震のとの関連は、現在のところ不明とのことです。
使えるネタ?
例によって、この地震でエセ科学者が何を言い出すか予想しておきましょう。
まず大前提として、長野県南部震源域で大規模な発震があると、ピンポイントで”予知”していた者は皆無です。しかし、長野県は北部と南部に比較的活発な震源域があり、東日本大震災後には明らかに活発化していたので、とりあえず『危険地域』として挙げられているケースはあります。
それは予知でもなんでもなく、素人でもわかる確率論に過ぎません。多発している地域だから、さらに大きなのが起きるかもしれない、というレベルの話です。
その程度の予想で”的中祭り”を始める連中がどれだけいるか、しっかり見ておきましょう。
なお、”地震予知芸人”村井は、長野県北部から北陸にかけての地域で大規模地震が発生する可能性が特に高いと、数年前から言っています。
おそらく今回の地震も、下手をすれば”的中”を宣言するでしょうし(日本列島のほとんどを警戒地域にしていますからw)、同じ長野県というだけで、今回の地震の影響で、北部の地震が誘発される可能性があるとかの根拠の無い理屈で、なんとか自分の”予知”に注目を集めたい、さらに言えば、自分の”予知”した地域でなんとか大地震が起きて欲しい、というのが本音でしょう。
気がついていますよね
エセ科学者のヨタを担いで、話題性で数字を取りたいメディアは、なんとかして連中の理論が正しいような印象を粉飾しようとします。
過去には、警戒地域とされた震源と比較的近い、しかし”予知などされていない、全く別の震源で起きた地震で、警戒地域大きく揺れたから”的中”という屁理屈をかましたりしています。
しかし、数字取れば勝ちの商業メディアは、ある意味でそれが仕事です。でも、そんな尻馬に乗って喜んでいる、カネを稼いでいるのは、学究の徒であるはずの科学者なのです。
とにかく、東日本大震災後の地震多発期においてさえ、被害が出るレベルの地震を誰一人として”予知”できたことがない、それだけで、連中のあらゆる予知理論が破綻していることだけは、火を見るよりも明らかなのです。
当ブログにおいて、地震関連の記事は非常に多数の閲覧をいただいていますので、そこで敢えてこのような内容を書かせていただいています。
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コメント
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東北の田舎に住んでおります。家の耐震補強を終え、食料や水等も備蓄したので、あまり地震を気にしなくなりました。ただ、月に1回は東京に行っておりますので、その時に大きな地震が起こることが心配です。私のように地理不案内な田舎人は、避難所に辿り着くのに苦労しそうです。東京オリンピックもあるので、非常時における観光客の誘導・案内について、都としての現実的な対策はできていると思いますが、もし何かご存じでしたらお教えください。非常時用の無料wifi使えるそうですが。
投稿: hide | 2017年6月26日 (月) 00時41分
このブログの過去記事にもありますけど、今回の地震も、地震発生の瞬間は、やっぱり雨は降ってなかったようですね。
前の晩(というか数時間前)は、雨が降っていたかと思いますが。
強い雨の時に大きな地震が起きたのは、去年の熊本地震の時ぐらいしか思いあたりません。
現時点で未解明なだけで、何か科学的な理由がありそうなぐらい、見事に雨と地震は重なりませんね。
投稿: N | 2017年6月26日 (月) 10時53分
面白そうだったので、雨と地震の関係を調べてみました。
調べたのは、雨が降っている時間の割合です。
東京の2016年で調べたところ、0mm/時以上の雨量があった総時間は、1760時間でした。これは、全時間の20.04%にあたります。
単純に考えると、0mm/時以上の雨が降っている時に地震が起きる確率は、5回に1回程度と思われます。
更に雨が多い屋久島でも調べてみましたが、降雨は2989時間で、全体の34.03%でした。
この場合でも、降雨中の地震は3回に1回程度の割合になりそうです。
雨と地震の関係は興味がありますが、降雨がない時の方が長いので、降雨が無い時に地震が起きることを証明するには、100件とか多くのサンプルを検証する必要がありそうですね。
投稿: 伊牟田勝美 | 2017年6月26日 (月) 14時14分
>hide様
都内に関しては、各種の防災地図が市販されていますので、それひとつあれば大抵は事足りますよ。
避難場所や帰宅困難支援施設などの情報が掲載されています。
居場所近隣の支援施設などを表示してくれるアプリなどもありますが、管理人としては「災害時に通信はダウンするもの」という前提ですので、個人的にはあまり期待していません。
地理不案内な人がそこまでたどり着けるか、という話ですが、大切なことをお忘れです。都会には、人がたくさんいるのです。
避難場所や道を尋ねて、答えてくれない人はほとんどいないでしょう。それに、有用な場所にはいやでも人の流れや人だかりができますので、すぐにわかります。
むしろ、人が多すぎるのが問題なのですが。
大地震の後にはランドマークが崩壊して道がわからなくなるので常時方位磁石を携帯しろとか言っている「防災の専門家」がいますが、笑止千万というかアホちゃうか?という話しですw
投稿: てば | 2017年6月28日 (水) 16時04分
>N様
歴史をかなり遡っても、海外の例を見ても、悪天候下の大地震というのは、ほとんどありません。
その弊害として、「防災セット」に雨具の装備や防水性が無いという、アホみたいは話が多いのですがw
でも、雨と地震は無関係だと考えてもよろしいかと。
一部に、強い低気圧の通過と地震の発生に相関があるとする説がありますが、相関と言えるほどのデータがないこと、低気圧が地表や地殻に及ぼす力と地震を発生させるエネルギーのレベルには非常に大きな開きがあることなどから、完全否定はできないまでも、現実的ではないのかなと。
さらに、低気圧が地震を誘発するという理論においても、低気圧が通過した後に地震が発生しやすい、ということであり、悪天候の最中、というわけではないのです。
実際、雨と地震の関係は気にする必要は無いと考えます。
投稿: てば | 2017年6月28日 (水) 16時16分
>伊牟田勝美様
とても興味深いデータをありがとうございます。
つまり80%は降水が無い時間、雨の多い屋久島でも、約65%は降水が無いというわけですね。
それならば、地震のときに降雨が無いのは、確率論的に普通かなという感じです。
ただ、これはちょっと不思議なことかもしれませんが、私は昔から地震にはとても敏感で、良く記憶に残っているのですが、震度3程度の地震でも、少なくともザーザー降る雨の中で感じた記憶が無いのです。小雨くらいならあるかもしれませんが。
あくまで記憶による感覚なので確証はありませんが、感じた地震の数を考えれば、たまにはそういうことがあってもおかしくはないとは思います。
どうなんでしょうねw
投稿: てば | 2017年6月28日 (水) 20時49分
管理人様ありがとうございます。早速本屋さんに行って購入します。非常時にはネットよりも紙媒体の方が安心かもしれません。
東京は人が多い(多すぎる?)のを忘れていました。避難所に辿り着けるかどうかよりも、避難所に入れるか、また、その避難所に水や食料が充分備蓄されているかどうかの方が問題ですね。万が一東京で大地震になると、被災者の数は東日本大震災の数十倍になるかもしれません。東日本大震災の時も、避難所に入れなかったり、食べ物が手に入らなかった人が少なくありませんでした。避難して空き家になった所から食料を無断で持ち出した人もいたようです。私の親戚も、捨てるつもりで壊れた物置に放置していた、津波を被って黒くなった米やジャガイモ併せて400キロ以上持って行かれました。あの非常時に誰がどのようにして運んだのかは不明です。京都大学の鎌田先生の著書にあるように、ペットボトルとミニ羊羹を持っているのが安心かもしれません。
投稿: hide | 2017年6月29日 (木) 01時16分