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2017年9月 4日 (月)

【ミサイル攻撃の基礎知識01】弾道ミサイル攻撃から生き残るために(#1335)

無茶苦茶な状況ではあります。すぐ近くの国が、おまえの国をミサイルで火の海にしてやるとか宣言し、実際に撃ちまくっているという。

そこで、久しぶりのシリーズ記事をお送りします。題して【ミサイル攻撃の基礎知識】

政治的や民族的などのことは一切無視して、あくまで軍事的視点と民間防災の観点から、弾道ミサイル攻撃から『生き残る』ための知識と行動をまとめて行きます。

とはいえ、大前提として、たとえ実際の攻撃を受けたとしても、1発や2発の発射では、ある人が被害に遭う確率はごく小さいというか、現実には街中で交通事故に遭う確率の方がはるかに大きい、というくらいなものですから、それほど怖れることはありません。


みんな実感がない


とはいえ、自分の近くに何かが落ちてくる可能性はゼロではありません。でも、どなたもあまり怖いという感覚はお持ちではないかと。

なぜなら、我が国は弾道ミサイルの攻撃を受けた経験は無いから、何が起こるかという実感が無いからです。これが航空攻撃ならば、誰もが太平洋戦争時の『空襲』の記憶や知識がよみがえり、もっと大騒ぎになりそうなものです。

過去に実際に弾道ミサイルの大規模攻撃を受けた国は、第二次大戦時にナチスドイツのV2ミサイル攻撃を受けたイギリスか、湾岸戦争時にイラクのスカッドミサイル攻撃を受けたイスラエルくらいなのです。


弾道ミサイルの恐怖とは


もしミサイルに核弾頭が搭載されるとすれば、我が国はその恐怖を世界のどこよりも良く知っています。でも、現実的には核使用の可能性は排除しても良さそうです。可能性はゼロではありませんが。

北朝鮮の弾道ミサイルには核弾頭も搭載できると考えるべきですが、通常は爆薬弾頭が使われるはずです。一方で、サリンやVXなどの化学弾頭や、伝染性病原体をばらまく生物弾頭も搭載でき、それは現実に存在します。

このように、まず『何が落ちてくるかわからない』というのが、現代の弾道ミサイル攻撃の大きな恐怖のひとつです。


それから、『いつどこに落ちるかわからない』という恐怖。

日本上空をミサイルが通過した時のことを思い出してください。発射から北海道はるか沖の海上に着弾するまで、たった14分間でした。

そして、日本上空を通過する、すなわち我が国の領土や領海に何かが落下する可能性があると警報されたのが、そのたった5分ほど前でした。

もし我が国の国土を狙った攻撃の場合、当然ながら発射から着弾までの時間はさらに短くて、10分以下でしょう。そして、警報されるのは着弾の3〜4分前がせいぜいなのです。

このように、弾道ミサイル攻撃を受けた場合、対処する時間はあまりに短いというより、効果的な遮蔽物の中やすぐ近くにいる場合を除き、有効な防御はほとんど何もできない、というのが現実です。

しかも、少なくとも現時点(2017年)における北朝鮮の弾道ミサイルは、確実に目標付近に落下する可能性はまだまだ低いと考えられます。

発射や制御技術がまだ完全ではないと考えられますし、最も困難とされる大気圏再突入時の制御技術も、まだ完成とは言えない段階のはずです。

弾頭の大気圏再突入時には、わずかに角度が浅ければ大気層に弾き飛ばされ、深ければ速度が出すぎて大気摩擦で燃え尽きてしまいます。

その段階をクリアして目標付近に命中させるには、非常に高度な制御技術が必要であり、北朝鮮の弾道ミサイルは、少なくともまだその段階にはないと考えられるのです。

しかし、それは一方で制御の問題や空中分解などで、目標のはるか手前の広い範囲に破片や部品が落ちてくる可能性があるということでもあり、その場合には、弾道をレーダー観測して予測した着弾地域とは全く違った場所に、何かが落ちてくることになります。

それは小さな破片かもしれないし、ロケットエンジンや燃料タンクなどの大物かもしれない。仮に落ちてきた弾頭が爆発しなくても、なん百kgもある物体が音速の数倍の速度で落下して来るのですから、被害範囲は限られるものの、その破壊力はすさまじいものになります。

この、『いつどこに何が落ちてくるかわからない』というのが、弾道ミサイル攻撃の恐怖の本質、ということができます。

それは、我が国の国土を狙って発射された場合でなくても、上空を通過する弾道の場合には起こり得る事態なのです。

言うなれば、弾道ミサイル攻撃の恐怖とは、いつどこでどんなことが起こるかわからないという、巨大地震への恐怖と似ていなくもありません。

少なくとも、日米韓の警戒システムは、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した直後に探知することが可能であり、その情報は瞬時に共有される体制ではありますが、その後どうなるかは、完全に予測するのはほとんど不可能なのです。

北海道上空をミサイルが通過した際に、Jアラートのミサイル警報が東日本の非常に広い範囲に発表された(長野や群馬まで!)ということからも、それがわかります。


基礎から知っておこう


『敵を知り己を知れば百戦危うからず』というわけではありませんが、弾道ミサイル攻撃やその余波から自衛するために我々はどうすべきか、をれを考えるにあたり、まず弾道ミサイルとは何か、どのような脅威なのかということから、改めておさらいすることにします。

ところで、直近のニュースで、我が国がレーザー光線による弾道ミサイル迎撃システムの研究を始めると報じられました。

詳しくはまた後で触れますが、それが実現すれば防御力は飛躍的に高まるものの、管理人としてはあまり期待していません。

その最大の理由は、20年以上の時間と莫大な予算をつぎ込んで開発している米国でさえ、未だ実用化できていない技術だからです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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