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2017年9月15日 (金)

【ミサイル攻撃の基礎知識07】我々ができること(#1341)

2017年9月15日早朝。またもや北朝鮮の弾道ミサイルが北海道上空を航過しました。


ちょっと変わった


今回も、Jアラートのミサイル警報が、東日本の広い範囲に発表されました。

ニュースにもなっていますが、その文言が前回と少し変わっていることにお気づきでしょうか。

そのひとつが、『建物の中や地下に避難せよ』という部分。前回までは『頑丈な建物の中や地下に避難せよ』という表現でしたが、『頑丈な』がなくなりました。その理由とは。もちろん頑丈じゃなくても実は大丈夫、という意味ではありません。

要は、周りに頑丈な建物もなければ地下もない、という場所が大半のために、「どこへ避難すればいいんだ?」という声が多かったのです。

現実には、警報の発表から避難する時間はほんの数分しかないわけで、その間に避難場所を探してわざわざ屋外に出てしまうと、かえって危険です。

ですから、たとえ一般的な家屋でも、屋外にいるよりは確実に危険が少ないので、とにかく建物に入れ、という表現に変わったわけです。


その瞬間、どう動くか


ミサイル警報が発表されてからの数分間、私たちには何ができるのでしょうか。

現実には、我が国の領域に向かってミサイルが発射された場合でなければ、危険はそれほど大きくありません。あくまで、万一の場合を想定した予防的避難、と考えて良いでしょう。

しかし、とにかく時間が無い。大地震の際の初動のように、普段から“こう動こう”と考えておかなければなりません。

これまでの記事で触れた通り、最も可能性が高いのは、空中分解してコースを逸れたミサイルの破片や部品が降ってくることと、それを迎撃した場合に、さらに広い範囲に“何か”が降ってくることです。


破片の威力とは


燃料タンクやロケットエンジン、無力化された弾頭などの“大物”が降ってきても、直撃さえ避けられれば、その被害範囲は限定されます。

むしろ、細かい破片やビスなど多数の“小物”が、広い範囲にばらまかれる方が恐ろしい。


一部の民族などには、お祝いの花火代わりくらいの感じで銃を空に向けてぶっ放す文化がありますが、あの流れ弾が人に当たって被害が出ることがあります。

ライフル弾の重量は約20gくらい。それが空に向かって放たれると、上空で一旦ほとんど速度ゼロにまで減速してから、自由落下してきます。

その速度がどれくらいかというと、秒速数百メートルに達することもあるようで、強力な殺傷力を持ちます。

たった20gくらいの物体が、空気抵抗がある中をそこまで加速するわけですから、たとえビス1本でも、超高空から落ちてきたら殺傷力があるだけでなく、車のボディ程度だったら、場所によっては貫通する威力を持つわけです。

それがバラバラと降ってきたら。現実には、それが一番の脅威だと考えて良いでしょう。

ならば、そこで『生き残る』ためにはどうすれば良いかが見えてきます。


『頑丈』に越したことなし


ライフル弾は、直接射撃したとしても、普通は厚い鉄筋コンクリート壁を貫通することはありません。

ましてや、ライフル弾と重量が同じくらいだとしても、不定形で空気抵抗もさらに大きなミサイルの部品や破片が、ライフル弾以上の貫通力を持つことは無いでしょう。

ですから、まずは地下が一番安全。地上ならば、やはり鉄筋コンクリート造りなどのできる限り頑丈な建物のなるべく内側で、爆風と破片を防げる窓の無い部屋、というのが理想です。

一般的な家屋の場合は、二階よりは一階で、窓が無くて壁に囲まれた部屋が、より安全だと言えます。地震避難と同様に、風呂場やトイレも良いでしょう。

ポイントは、自分の上や周りの壁の数をできるだけ多くとること。

家にあるもので、破片などからの防護効果が最も高いもののひとつは、ベッドのマットレスです。真綿の布団も、小さな破片などからの防護効果がかなりあります。ナイロン綿でも、何重にも重ねることで防護効果がアップします。

屋外ならば、頑丈で厚い壁に身を寄せる、橋や高架の下に入ることなどで、かなり安全性が高まります。現実には、爆風や破片がどちらの方向から来るか予測しきれませんが、できればまず上方をカバーして、さらに水平方向を一方でもカバーできれば、被害を受ける方向を局限することができます。

車の中で、窓ガラスより下の部分に伏せるのも、かなり効果があるでしょう。現実には、直撃される可能性はとても低いのです。

くぼ地や溝の中に伏せるだけでも、水平方向からの危険をほとんど避けられます。あとは、自分の上に何か落ちてこないことを祈るだけです。

周りに何もなかったら、とにかく伏せること。地面にべったり伏せていれば、地上で起きる爆発の衝撃波と飛散する破片を、ほとんど受けずに済みます。

このような行動が瞬時に取れるよう、地震避難の初動と同じく、普段から『ここにいたらこうする』という行動を考えておかなければなりません。

それにしても、戦争状態でもないのにこんなことを考えなければならなくなったとは、我々はなんとも凄まじい時代と地域に生きているのだなと。

でも、それが現実です。

次回は、最悪のシナリオを考えます。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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コメント

地震とは関係ないですが気になったので。
ライフルを鉛直上向きに撃った場合、自由落下になるので
地球上では最終的に100m/s程度以下になると思うのですが。。。
もちろんミサイル等を迎撃した場合の破片については、重力加速度以外の
下向きの加速度を獲得している可能性がありますし、数十m/sでも
当たりどころによっては死にますが、マッハまで加速して落ちてくることは
まずないと思います。

>ろで様

ご指摘ありがとうございます。これは完全に私の誤解でした。本文を一部訂正させていただきました。

ただ、弾道などの条件にも左右されるでしょうが、実際には流れ弾が秒速100mよりも速い速度で落下してくることもあるようです。これはもう少し調べてみますね。

とりあえず、小さな部品でも車のボディを貫通するレベルの速度に達するのは間違いないようではあります。

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