【東京くらし防災02】どこかで見たような、でも違うような(#1353)
そんなわけで、今回から『東京くらし防災』の内容について、あれこれとつついていきます。
基本コンセプトというか
表紙にも書いてあるひとこと。
『わたしの「いつも」がいのちを救う』
これがこの本のコンセプトというわけですが、このスタイルでは、すでに『地震イツモノート』という有名な本があるわけで、なんかモロ被りだなと。まあ、民業圧迫と目くじらを立てる人もいないでしょうが。まさか、ひらがなとカタカナの違いがあるとは言いますまいw
さておき、巻頭には本文のインデックスとなる15の項目がイラスト入りで並んでいるわけですが、その15番目にこんなのが。
これ、笑うところですかねw
さておき、その他の14項目を列記してみます。
1・外出先では非常口を確認
2・カーテンは閉めて寝る
3・食器の重ね方を変えてみる
4・包丁は使ったらすぐしまう
5・寝転んで危険を探してみる
6・日用品を多めに買い置きする
7・行けるときにトイレは済ませておく
8・生理用品はもう一周期分買っておく
9・災害時の集合場所を決めておく
10・公衆電話の使い方を子供に教えておく
11・地域の行事に参加してみる
12・災害時のペットの預け先を探しておく
13・ママバッグは使った分だけ足しておく
14・チョコレートやキャラメルをカバンに入れておく
という感じです。こんな項目をメインに持ってくるとは、従来の防災本とはけっこう違いますよね。あくまで、日常生活でふつうにできることに特化しているようです。
お約束のアレがない
その一方で、この手の情報にありがちな、アレがほとんどありません。
曰く、今後何年間にでかいのが来る確率が何パーセントとか、震度いくつとか津波なんメートルが予想される地域がこれだけあるとか、いわゆる『専門家』が大好きな数字ネタです。
そういうもので恐怖感をアオれば、みんな災害対策を進めるだろうというのが、まさにオッサン発想ではないかと。
この点は当ブログでも何度も指摘していますが、女性目線でなくとも、そんなマクロ視点はどうでもいいんですよ。大切なことは、自分の居場所にでかいのが来るのか、その時自分の周りに何が起きるのか、それを効果的にヘッジするにはどうするか、これだけなのです。
そして、1995年の阪神大震災以来、我々はもう知っているのです。日本中、どこででかいのが起きてもおかしくないと。
しかも地震だけでなく、豪雨などの気象災害はそれこそどこでも起きて、それがしばしば過去の尺度が通用しないほどの規模で襲いかかってくることも増えました。
そういう現実を前に、数字ネタは何を今更というだけでなく、実感に乏しい小難しいことを羅列されるだけで、なんだか面倒くさくなってしまうだけではないかと。
そういう数字ネタを知識として押さえておこうと考えるのは、管理人も含めた防災ヲタくらいでしょう。少なくとも、大災害に対して漠然とした恐怖感を抱きつつも、具体的にどうすれば良いかわからない人々にとっては、ほとんどどうでも良い情報なのです。
そういうのをごっそりカットした構成は、本来必要な情報に集中するためにも、ある意味で必然とも言えるのです。
面白くないかもですが
これも当ブログでよく使う表現なのですが、災害対策に完璧はあり得ません。でも、やったらやった分だけ、『生き残る』確率が確実に上がって行くということです。
だから、できることから少しずつという現実的なコンセプトが必要なのです。この『東京くらし防災』は、そういう点でも、まず一読をオススメしたいなと。
なんだかのっけからホメすぎかもしれませんねw次回から、本文の内容についてあれこれ考えて行きます。
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