大阪で“想定外”の地震(#1356)
2018年6月18日の午前7時58分ごろ、大阪府北部、高槻市直下の深さ10kmを震源とするマグニチュード5.9の地震が発生し、大阪市北区や高槻市などで最大震度6弱を観測しました。
当記事執筆時点ではまだ被害の全貌がわかっておりませんが、被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
改めてあのことを
大阪市北部という場所でこんなに大きな地震が起きるとは、ほとんどの方が想定もしていなかったはずです。それはもちろん、専門家でさえ。
それでも、こういうことが起きます。もちろんこれが初めてではなく、1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)など“想定の範囲外”の典型でしたし、2008年の岩手・宮城内陸地震など、気象庁による30年先までの地震発生確率ではたった0.5%という、事実上「まず起きない」とされた地域でした。
昨日、6月17日に群馬県南部で発生したマグニチュード4.7最大震度5弱の地震も、その震源域では現在の気象庁が観測を始めた1923年(大正12年。関東大震災の発生年)以来、一度も地震が起きたことが無い場所でした。
そういう現実を前に我々が改めて考えなければならないことは、既に言い尽くされたあの言葉です。
いつどこでなにが起きてもおかしくない
ということ。長いこと地震が起きていない、滅多に起きないという場所でもこうなのです。過去に起きている、頻発している場所の危険度がどれだけなのかということを、改めて心に刻み込まなければなりません。
あの連中が動き出す
こうなると、メディアやエセ科学者は、お約束のように「日本列島が地震活動期に入った。次は○○だ」という論調になり、その○○は大抵は東京など関東地方なわけです。何故なら、本能的恐怖をアオるのがもっとも『数字』、つまり視聴率や書籍の売り上げ向上に繋がり、最大の人口を抱える東京を初めとする関東地方をネタにするのが、最も効率が良いからです。
例によって、明日には『△△教授』みたいのがメディアの取材に応えた記事が出始めるでしょうが、過激なコメントをしている奴は、おしなべて大ウソつきか根拠なしの手前勝手な思い込みを吹聴しているだけ。
一見、まともな学究の徒と思いたい『教授』とかでも、特にメディア露出が多い連中の中にはロクでもない阿呆や大ウソつき、カネのためなら科学もネジ曲げる輩が少なくないことを知っておかなければなりません。
ちなみに、当ブログでもおもしろネタとして注目しているw、『地震予知芸人』村井は、昨日の群馬県南部地震を神業的精度で外したのに続き、さらに大阪地方はノーマークと、理屈がどうの以前に、少なくとも全く役に立たないということを見事に露呈しているわけです。
それでも、御用メディアが『驚異の的中率』をアオると、それなりのカネになるわけだからやめられない。でも、あんなもの信じていると、情弱と言われても仕方ありませんね。
それが恥ずかしくない層がいるから、あんな商売が成り立つのでしょうが。
ある人が言いました。
「たとえ数%でも予知できる可能性があるなら、あの手の“予知”でも信じたい」と。
でも、それは理屈としても大きな間違いです。例えば、今日行く先の地震発生確率が高いとされるから警戒度を高めよう、という発想自体は良いのですが、現実には無警戒の場所でも起きる。
そして、地震発生確率の高い場所は、過去の活動や活断層の存在により、“予知”などしなくてもわかっている。
ならば、行く先によって警戒度を変える、それも根拠に乏しい“予知”に依存するなど、全くのナンセンスです。
どこにいても完全な安心など無い以上、どこでなにが起きてもおかしくないという考えの下に、いつでも一定の警戒態勢と防災装備を維持すること、これしかないのです。
■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。
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コメント
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被害の大きかった茨木市、高槻市と同じく、大阪北部地域在住。ほぼ縦揺れでした。しかし、阪神淡路の震災と比べると、激しく揺れはしましたがかなり短時間。もしかしたら昔海だった大阪市内の方が、地盤がゆるい分、長く揺れたかもしれませんね。家具を極力固定していたおかげか、家内の被害もほぼなくすみました。強風が吹いていたので、火災が同時多発しなかったのが本当に良かった。糸魚川の大火が忘れられません。
投稿: ぼたもち | 2018年6月18日 (月) 17時03分
>ぼたもちさん
被害がほとんど無かったとのことで、安心しました。やはり普段からの対策に勝るものはありませんね。
今回は、大阪市南部で長周期地震動が観測されたそうで、比較的長い間ユラユラと揺れたとのこと。やはり堆積平野の軟弱地盤の影響でしょう。北部は山地に近く、堆積地盤が比較的薄かったので、揺れの収束が早かった、ということでしょう。
高槻市の火災は、中継映像を観ていましたが、かなり早い段階で消防が現着していましたね。何より、道路が生きていて良かった。もう少し地震の規模が大きかったら、倒壊物などの道路支障と渋滞で、こうは行かなくなるわけです。これで済んで良かった、としか言えません。
今回の地震はかなり複雑なメカニズムのようで、今後のことはまだ予断を許しませんが、しばらくはどうぞいろいろお気をつけて。
投稿: てば | 2018年6月20日 (水) 15時35分
ANNEXさんのブログを読ませて頂いて感化され、自分の中のテーマの「防災を流行りにしない」を実現するための答えを探す為のブログを運営している者です。
ANNEXさんに二つ程お願いがあります。
一つ目に「生き残れANNEX」のリンクを私のブログの現在作成中のリンク集に貼らせて頂きたいので許可を頂きたいという事です。
二つ目に長靴とレインズボンを組み合わせて長靴でも避難ができるという記事を昔に投稿されていますが、それを本当か検証したいのでネタをお借りしてもよろしいでしょうか?
決して疑っているのでは無く、自分はまだ高校生で被災経験も無い身で情報発信をしている身なので実際に自分の身で確かめたいと考えたからです。
お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いいたします。
投稿: マシュ | 2018年6月21日 (木) 23時37分
>マシュ様
コメントありがとうございます。お返事が遅くなって大変申し訳ありません。
当ブログはリンクフリーですので、ご自由にどうぞ。お役に立てれば幸いです。
カッパのズボンと長靴をガムテープなどで巻く方法、是非ともやってみてください。長靴の中に水が大量に入るのを防げますので、水中で脱げる心配はまずありません。ガムテープをキツめに巻くことで、さらに脱げにくくなります。
他の記事で書いているのですが、この方法、かつてオフロードバイクレースをやっていた管理人が、泥が深い場所でのサポートなどで実際にやっていた方法です。その場合は、基本的には長靴に泥が入るのを防ぐためですが、もちろん水の浸入もほとんど防げるわけです。
カッパのズボンでカバーして長靴に水が入らないことで、水中では水圧で押しつぶされたようになりますので、さらに水がはいりずらくなりますし、泥にはまって靴が引っ張られても、簡単には脱げません。実地のレポートを楽しみにしております。
マシュ様は高校生とのこと。若い方が自分で考えて行動することに、大いに期待しております。災害から生き残らなければならないのは、誰よりもまず若い人なのですから。
最近なかなか更新ができませんが、今後ともよろしくお願いします。貴殿のブログも拝見したいので、是非お知らせください。
投稿: てば | 2018年7月16日 (月) 22時50分
返信が遅くなり申し訳ございません。
お忙しい中許可をくださりありがとうございました。
私のブログのURLと今後の更新予定を売名とネタバレ防止の観点からメールにてお送りさせて頂きました。
まだまだ知識、経験、技術が未熟なため、てば様にご満足頂けるか分かりませんが、いずれご満足頂ける様精進します。
もし、滋賀に寄ることがもしありましたら是非お声がけください。
投稿: マシュ | 2018年7月23日 (月) 20時44分