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2018年9月

2018年9月29日 (土)

台風24号襲来に備えて(#1357)

本当に久々の更新です。こんな状態でも、連日多くの閲覧をいただいており、感謝に堪えません。今回は、皆様にお伝えしたいことがあって、出て参りました。


またスゴいのが来る


2018年9月末、日本列島を強烈な台風24号が襲いそうです。

今年の8月末から9月初旬にかけては非常に強い台風21号が襲来して関西地方を中心に大きな被害を出し、その傷もまだ癒えていないうちに、またです。

ひとつ言えることは、今後はこういうことがどんどん『普通』になって行くということです。後年になって、おそらく私たちはこう言うのではないかと。

「あの2018年から、いろいろはっきり変わったよね」と。


手軽で効果的な対策とは


台風21号襲来直後、大阪在住の当ブログ読者の方から、メールをいただきました。

要約すると、「台風21号の暴風を直接受けた窓ガラスが内側に大きくしなって、いつ割れるかと思って怖かった」というもの。

できることなら雨戸を閉めたいところですが、今は雨戸が無いのが普通ですし、マンションなどではなおさら。昔の木造家屋のように、窓に板を打ちつけるというのも、全く現実的ではありません。現代の家屋は、ガラスの暴風や飛来物に対する対策が、ほとんど取れないのです。

実際に、暴風の圧力でガラスが割れた例もあったようです。猛烈な風を受けたガラスは、かなりしなります。そして『弾性限界』、すなわち変形できる限界を超えるまでしなった時、中心部から放射状に割れます。

また、大きくしなったガラスには小さな飛来物が当たっただけでも、あたかもパンパンにふくらんだ風船に針を刺したかのように、簡単に破断します。今回の台風24号でも、またそれが繰り返される可能性が高いのです。

なお、マンションなどに多い金属ワイヤー入りガラスは、暴風に対してもかなり耐久力がありますし、割れても大きく開口して吹き抜ける可能性は小さくなります。

そうでないガラスには、地震対策にもなる飛散防止フィルムを貼ることで、暴風や飛来物に対する耐久力を大きく上げることができます。しかし、例えばベランダの大きなガラスに全部フィルムを貼るなど、なかなか大変なものです。

そこで、手軽にできて簡単に原状復帰できる、窓ガラスの効果的な暴風対策をお知らせします。


先人に学べ


まず、最も手軽な対策。すでにネット上などに多くのアドバイスがありますが、ある意味でとてもレトロな方法です。

太平洋戦争中の映像や当時を舞台にした映画などでご覧になったことはないでしょうか。窓ガラスに放射状にテープを貼っている、あれです。

しかし、あれは爆弾の爆風で窓ガラスが粉々に吹き飛ばされるのを抑えるための対策であり、ガラスの割れ対策というより、吹き飛ばされたガラスが鋭い凶器なるのを抑えるのが主眼ではあります。爆弾の爆風は至近距離では音速を超えるので、台風どころではありません。

でも、あれが同時に暴風による割れ対策としても、とても効果的なのです。要は、テープでガラスを補強することで、ガラスがしなる量をかなり小さくする、すなわち弾性限界を超えない変形量で抑えられる可能性が大きくなります。

それは関節の可動範囲を抑えたり、靱帯にかかる力を分散するスポーツ用テーピングと同じことです。そしてもちろん、割れた時の飛散対策にもなります。ガラスが崩れおちずに窓枠に残っていれば、仮に割れても、さらにテープで補強することで、当面の吹き抜け対策になります。

では、どんなテープで補強するか。粘着力と強度を考えれば、布ガムテープが良いでしょう。でも、粘着力が強すぎて後で剥がすのも大変ですし、糊が残って汚くなりがちです。

そこでお薦めしたいのが、養生テープ。ホームセンターで、布ガムテープより安く入手できます。粘着力や強度はガムテープには劣りますが、本来は作業時に周囲を保護するシートなどを貼るためのものですから(それを『養生(ようじょう)』と言います)、糊が残らず簡単に剥がすことができます。

では、どうやって貼るか。ポイントはふたつ。

まず、放射状に貼ること。ガラスがしなる際、最も変形量が大きいのはガラスの中心部、すなわち窓枠からいちばん遠い部分です。そこの変形量を抑えるために、放射状に貼らなければなりません。

もうひとつは、ガラスだけでなく窓枠から貼ること。強固な窓枠にも強度を負担させ、割れた際にもガラス全体が脱落することを防ぐ効果もあります。

そのように貼れば、暴風によるガラス被害を最小限に抑えることができるでしょう。そしてもちろん、カーテンを閉めてください。割れた際の飛散を防ぎます。

加えて、さらなる対策とは。


流体力学的な対策


小見出しが少し大げさでしょうかw でも、そういうことです。この方法は、できる場所が限られますし、ちょっと手間もかかりますが、とても効果的なのです。

これもホームセンターで売っている、園芸用のネットを使います。緑色の、あれです。網の目の大きさは、2〜3cm角くらいが良いでしょう。

それをベランダなどに張れば、もちろん飛来物が窓ガラスを直撃するのを防げますし、もし大きな飛来物に破られても、その威力を大きく殺ぐことができます。

でも、それ以上の効果があるのです。

風や流水などの流体は、物にぶつかるとその後ろで渦を巻く性質(カルマン渦と呼ばれます)があります。旗が風の中でパタパタとはためくのは、カルマン渦の効果です。有名な鳴門の渦潮も、狭い海峡を速い潮流が通り抜ける際のカルマン渦です。

窓ガラスなどに強い圧力を及ぼす暴風も、網の目にぶつかると小さな渦をたくさん発生させて、気流が乱れます。そのため、その後ろの物への圧力が、直撃する場合の何分の一かに減殺されるのです。

というわけで、窓から1〜3mくらいの距離をにネットをしっかりと固定できる場所があれば、とても効果的です。現実的には、ベランダの暴風対策という感じでしょうか。

ネットを固定する際には、ひもなどで縛っただけでは緩む可能性があるので、これもホームセンターで売っている、プラスチック製の『結束バンド』(タイラップ)をお薦めします。それも、幅が5ミリ以上ある太めのものが良いでしょう。


複合対策で効果アップ


以上のような対策を複合することで、最も割れる可能性が高いベランダ側の大きなガラスも、効果的に守ることができるでしょう。

もっとも、台風の場合は連続的に風向が変わります。でも、とりあえず窓に向かってまっすぐ吹いてくる、最も危険な風を弱められるだけでも、効果は絶大というわけです。


ホームセンターは防災宝の山


それにしても、当ブログでも何かと採り上げていますが、ホームセンターには災害対策に使えるものが山ほどあります。

さらに、窓が破られたり屋根が損傷した時の防水用に大型のブルーシートも用意しておきたいものです。

また襲ってくる豪雨と暴風の前に、是非とも対策してみてください。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

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