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2018年12月18日 (火)

スプレーを侮るなかれ(#1362)

札幌市で、大規模なガス爆発事故がありました。あの規模の爆発で死者がゼロだったことは、まさに奇跡としか言いようがありません。


ご存じでしたか?


あの爆発の原因は、なんと室内で100本以上のスプレーのガス抜きをしたためという、なんとも呆れかえるようなものでした。それに関連して、これは今でもすごく勘違いされている方が多いのではないか、ということについて。

スプレー製品は、内容物にガスの圧力をかけて噴射させるものです。圧力をかけるために充填されるガスは、かつてはフロンガスが主流でした。

このフロンガス、いわゆる『不活性ガス』という奴で、無色・無臭で一般に毒性も低く、化学変化しずらくて火をつけても燃えないし爆発もしないという、とても使い勝手が良いものです。

しかしこのフロンガス、大気中に放出されると高層大気層までゆっくりと上昇してオゾン層を破壊するという効果がわかり、使用や取り扱いが厳しく規制されるようになったのはご存じの通り。

当然、スプレー製品もフロンガスから他のガスに変わっているわけですが、現在主流となっているガス、なんだかご存じでしたか?

すごくざっくりと言ってしまえば、都市ガスやプロパンガスと同じなのです。すなわち、火をつければ燃えるし爆発もします。

ちなみに、都市ガスやプロパンガスは、いわゆる『玉ネギが腐ったような』臭いがします。これは、漏れだしたことがすぐわかるように、敢えてつけられている臭いであって、ガス本来の臭いではありません。

スプレー用のガスには臭いはつけられておらず、ガス本来の臭いです。


缶に穴をあけるべき?


その昔のフロン時代は、スプレー缶を廃棄する時には、缶に穴をあけてガスを抜くのが普通でした。

でも今は、ガス自体が可燃性なので、缶に穴を空けること自体に危険が伴います。近くにある火気だけでなく、金属製の缶に穴を空ける際に飛ぶ火花や、作業に伴う静電気の火花でも発火・爆発の危険があるのです。

しかし現実にはそのような事故はあまり発生していないようなので(皆無ではないはず)、自治体などのスプレー缶廃棄方法指針でも、缶に穴を空けろというものと、ガスが無くなるまでスプレーボタンを押してガスを出し切って廃棄しろ、というものが混在しています。

とりあえず、一番安全確実な廃棄方法は、近くに火気が無い風通しの良い屋外で、スプレーボタンを押し続けてガスが出なくなってから廃棄という方法です。

何にしろ、屋内ではやらないことです。いかなるガスでも、密閉空間に溜めるなど絶対に避けなければなりません。一酸化炭素など毒性があるガスならば、気がつかないうちにあの世行きです。

換気扇を回していても、空気より重いガスは下の方にたまるので、確実に排出できるとは限りませんし、ガスが溜まってから換気扇をつけると、電気火花で爆発することもあります。


ガス爆発とは?


ガス爆発とは、どんな状況でも起きるわけではありません。

例えば、密閉した広い部屋の中でスプレー缶を数本ガス抜きした程度では、まず爆発は起きないのです。スプレー缶から噴出するガスに火を近づければ激しく燃焼しますが、爆発はしません。

ガス爆発とは、その空間のガスと空気がある一定の比率になった時に、なんらかの火気に触れた際に発生します。その比率は、空気に対してガスが5〜15%程度とされます。

今回の札幌の事故は、室内で100本以上という異常な数のスプレー缶をガス抜きした結果、室内の空燃比(空気と燃料の比率)が、大規模爆発に『理想的な』比率となり、その時に湯沸かし器のスイッチを入れたために起きたものです。

爆発のための火種は、どこにでもあります。電気製品の通電時にはほぼ必ず火花が出ますし、服や人体で起きる静電気の火花でも、爆発の火種には十分です。

家庭のガス爆発事故で良くあるケースは、ガスが漏れている中で、冷蔵庫のモーターが自動的にオンになる時の火花で爆発する、というものです。

中には、ガスが漏れていることに気づいて窓を開けようとしたら、金属製の窓枠がこすれて発生した火花で爆発した、というようなケースさえあります。


実はすごい危険物なんですよ


というわけで、身近にあふれているスプレー製品は、フロンガス時代よりずっと危険なものなのだ、という認識をしなければなりません。

フロン時代を知っている人ほど(管理人もその年代ですが)、認識を改めてください。ガスコンロで燃えているガスと同じものが、そこらに転がっているスプレーのボンベに詰まっているのですから。

言うまでもないことですが、中身が入ったまま火の中に放り込んだりしたら、すさまじい爆発を起こす危険物なのです。


■当記事は、カテゴリ【日記・コラム】です。

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