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気象災害

2019年11月 1日 (金)

巨大台風襲来の時代に【その2】(#1384)

2019年の台風15号、19号並びにその後の豪雨によって、広域で甚大な被害が出ています。

■巨大すぎる被害を前にして
当初、当ブログでは各地の被害の状況を検証した上で、我々の生活に落とし込むべき対策について考えるつもりでした。しかしあまりに広域、同時多発的、連鎖的な被害の拡大を見るにつけ、報道だけの情報で全体像を把握するのは全く不可能ではないかと考えるに及びました。

そこで個別の被害状況ではなく、ここで起きたこととその理由を単純化して、その上で我々の生活への影響と、これからできること、しなければならないことを考えることにしました。

■天災は忘れる前にやってくる
古くから『天災は忘れた頃にやってくる』と言われており、我々それを当然のものとして受け止めていました。一旦大規模災害が起きれば、その場所はその後しばらくの間は落ち着いて、復興と共に記憶も薄れて行くということを繰り返して来たからこそ、それを戒める意味でこのフレーズが言い伝えられて来たのです。

しかし近年、最も恐れられている巨大地震よりはるかに高い頻度で発生する、巨大気象災害が頻発しています。そしてついに2019年、おそらく過去に無かったことが起きました。それぞれが単独でも巨大な破壊力を持つレベルの台風と豪雨の『連続攻撃』です。それも毎年というターム(それでも十分脅威だけど)ではなく、ほぼ1ヶ月というごく短期間にです。


■次元が変わった
いわゆる『風台風』だった15号、そして『雨台風』だった19号が連続して東日本中心の同じような地域を襲い、さらにはかつてならば災害などほとんど引き起こすことは少なかった、強力とはいえ"普通の”低気圧による豪雨災害が追い打ちをかけました。

こんなことが、かつてあったでしょうか。でも、今現実に起きているのです。特に東日本では、河川が決壊するレベルの広域豪雨災害が、これほどの広域にまたがって発生することは、ほとんど無かったのです。

そのような状況となった理由については、ここでは採り上げません。乱暴に言ってしまえば、理由などどうでも良いのです。今必要なのは、また確実に、それも近いうちにまたやってくる強敵に対し我々はどう備え、どう立ち向かうべきか、ということだけです。

ひとつ確かなことは、もうこれまでの考え方、すなわち万一に備えてという考えは捨てなければなりません。それは、確実にまたやってくるのです。

■それでも前へ進まなければ
当ブログで何度か使っている、少し諦観も含んだフレーズがあります。

防災に完全は無い

ある意味当然のことなのですが、今改めてその恐るべき意味を突きつけられています。昨今の状況は、我々の備えをさらに"完全”から引き離そうとしています。

それでも、我々は自らの生命と財産を守る、いや守りきれないからその被害を極小化するための対策を行わなければなりません。

次回から、具体的な考察に入ります。あまり頻繁に更新できないことをご勘弁ください。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

2019年10月21日 (月)

巨大台風襲来の時代に【その1】(#1383)

台風15号における災害の検証をしようと考えているうちに、もっと強力な台風19号の襲来を受けました。このため予定を変更して15号、19号による災害を総合的に考察していくことにします。


2019年10月、東日本を中心に襲来した台風15号及び19号によって、各地に大きな被害が発生しました。被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。被災地へボランティアに入る余裕は残念ながら無いので、義援金等で支援させていただいております。

■本当に変わりはじめた
当ブログ管理人としては、この《大災害》に接し、やはり静観はできません。久しぶりに記事を更新しようと考えたのですが、15号から19号への“連続攻撃”によって、今まで考えが及ばなかったようなことまでが浮き彫りにされ、そこから得られる考察や教訓は膨大ですから、正直言ってどの切り口から始めようか、というだけで混乱しそうです。

明らかなことは、当ブログで何年も前から指摘してきたこと、地球規模の気候変動によって、これから気象はどんどん容赦なくなって行くということが、ついに目に見える形で始まった、ということでしょう。昨年(2018)9月の台風24号襲来に際し、管理人は記事内でこう述べました。

この2018年は、後年になって『あの年から変わったよね』と言われる年になるだろうと。

しかし、恐らく後年までより多くの人の記憶に残るのは今年、2019年ではないかと考えを改めました。今年の台風をはじめとする気象災害は、それほど大きな変化だったと考えます。

■とりあえず下世話な話から
台風19号が東日本に接近している中、管理人はネットニュースである情報に接しました。ホームセンターから『養生テープ』が消えたと。管理人はほとんど民放のテレビを観ないのでどこがネタ元かわかりませんが、暴風によるガラス破損を防ぐためにはガラスに米印にテープを貼るのが有効であり、そのためには『養生テープ』が最適である、という情報がテレビで流れたそうで。で、皆がホームセンターに殺到したとか。

しかし、昨年2018年の台風24号襲来時から、ガラスに米印にテープを貼って破損及び崩落防止、という話はネットを中心にかなり拡まっていたと感じます。管理人は、それを受けて当ブログの記事を書きました。2018年9月29日の記事です。(下記リンク)

台風24号襲来に備えて(#1357)

その中で、これは完全に管理人自身の経験からのオリジナル内容、すなわちどこからの受け売りではない内容として、『養生テープ』が強度、剥がしやすさ、価格などから最適であると書きました。布ガムテープは強度は抜群ながら比較的高価、濡れた場所には貼り付かない、剥がすと糊が残りやすいなどの理由から、全く不向きなのです。

あれからほぼ1年経って、それをいきなり『防災のプロ』の誰かさんが言い出したようで、過去に何度もやられたように、素人のブログからのネタパクリを、またやられたのかなと。

例によって、別に管理人に先見の明があったとかを自慢したいわけではありませんし、どんな形だろうと正しく有効な災害対策が拡まることは、管理人の望むところです。しかし、これもいつも指摘している通り、メディア露出の多い『商業ベースの防災のプロ』のレベルがあまりに低くて、実はロクに使えなくてもとりあえずキャッチーなネタばかり流して災害対策でござい、という輩の多さに辟易としているわけです。あの『水のう』とか『水害避難時には長靴を履くな』とかが典型的ですね。

今年の連続台風では、非常に広範囲に大きな被害が出ましたが、そんな情報がどこかで本当に役に立ちましたか?どこかで『水のう』で浸水を防げたのですか?長靴を履いて避難して、危険な目に遭った人がいるのですか?ちょっと浸水対策すれば長靴ほど水害対処に有効なアイテムはない、ということを当ブログでは昔から指摘してきたのですが。

■自分で考えよう
この先、気象災害はさらに多発するようになるでしょう。台風だけでなく豪雨、豪雪、竜巻、落雷、それに伴う洪水や土砂災害などが、さらに頻発すると考えなければなりません。

そんな時代には、直前になって話題になった対策など、ほとんど実行できないでしょう。何故なら、特に今回の台風19号で見られたとおり、大都市圏が広域災害に見舞われる可能性が、急速に高まっているからです。大都市圏=人が多い。多数の人が同じ方向や方法に殺到することは、それ自体がすでに災害なのです。

今回、台風上陸前日には被災予想地域のスーパーやコンビニから保存が効く食品がほとんど消えました。ホームセンターからは養生テープやカセットガスコンロ、ブルーシートなどが消えました。ガソリンスタンドは、深夜まで給油待ちの長い行列ができていました。それは、テレビなどで「台風にこう備えろ」と聞いてから動き出した人が非常に多かったことを示しています。

手前味噌ながら、台風19号では管理人居住地にも避難指示が出るような状況になったのですが、新たに備える必要は何もありませんでした。当たり前のように、普段から備えてあるものを引っ張り出しただけです。車の燃料は、直前にはスタンドが混雑することを見越して、台風上陸3日前には満タンにしました。

ちょっと考えれば、ちょっと手間をかければできることであり、それをやってあっただけです。それは、防災ヲタだったり防災士だったりするからではありません。災害を本気で怖れていて、自分が被災した時にできるだけひどい目に遭いたくないから、備えておけばよかったなと後悔したくないから、ただそれだけです。

災害の情報も教訓も、いくらでもあります。でも、自分で情報を選んで行かないと、本質とかけ離れたロクでもない情報に踊らされて、その結果ひどい目に遭うのはあなたやあなたの家族、大切な人なのです。

そのために、当ブログのテーマのひとつであるThink yourselfを実践してください。あなたの災害対策は、あなたが正しい情報に基づいて考えたことが最良なのです。

次回からは、具体的な考察と対策を考えて行きます。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

2019年10月 1日 (火)

台風15号と千葉大停電《その3》(#1382)

2019年9月に関東地方を直撃した台風15号により、関東各地では軒並み観測史上最高やそれに近い風速が観測されました。この台風は、いわゆる『風台風』だったと言えそうです。

そのため、千葉県を中心として電柱の倒壊や倒木による電気設備の損傷などのために広い範囲で停電となり、かなり深刻な状況だったものの、被害の全貌を電力会社や行政が把握するのに『想定外』の時間がかかってしまったのです。


■装備が役に立たない!■
それでも、電力会社は早期の復旧を目指して、台風通過後早い段階から復旧作業を始めました。ところが、損傷が想像以上に酷かったことに加え、『想定外』の障害が行く手を阻みました。道路をふさいだ大量の倒木です。

復旧部隊が被災地へ到達するためには、まずは道路の『啓開』作業が必要でした。通常、災害時にその役を担う中心となるのは国土交通省管轄の道路管理部隊です。2011年の東日本大震災では、東北地方を南北に貫く国道4号線から太平洋側の被災地への道路を短時間で啓開して救援部隊の展開を可能にした、『くしの歯作戦』を成功させました。

しかし今回は勝手が違ったのです。道路を塞ぐのが土砂や瓦礫ならば、パワーショベルやブルドーザーなどの重機を装備した道路啓開部隊が活躍できるのですが、今回の敵は倒木、それもかなり太く長い杉の木が中心です。通常の重機ではなかなか歯が立たないのです。道路を塞いだ倒木に対しては、まずチェーンソーなどで切断したあと、主に人力で移動しなければなりません。大量のチェーンソーとマンパワーが必要ですが、それらをすぐに手当てできる状況ではありません。

倒木を除去するためには、パワーショベルのアームに装着する巨大なカニばさみ状の『グラッパー』というアタッチメントが有効ですが、これは主に建物の解体用などで、通常はあまり装備されていませんから、重機があっても啓開が進まない、という状況も起きました。

このため、電力会社の復旧工事部隊はあちこちで足止めを食ったのです。


■応援が来ない!■
さらに悪いことに、東京方面から千葉県に向かう大動脈である東関東自動車道や東京湾アクアラインが、台風通過後もしばらく通行止めでした。このため千葉県内に向かう一般道は大渋滞となり、管理人が聞いた話では、台風の翌日には東京都内から成田空港まで9時間以上かかったとか。そこからさらに房総半島を南下するためには、どれだけ時間がかかったのでしょうか。

発災数日後には遅ればせながら自衛隊への災害派遣も要請され、電力会社の応援部隊も全国各地から集結してきたものの、効率よく被災地へ進入することはかなわず、広範囲に渡る通信のダウンでその先の状況把握もできない、という状態がしばらく続きました。


■着いたら着いたで■
遅ればせながら自衛隊に災害派遣要請が出され、装備とマンパワーに優れた自衛隊が投入されて、やっとのことで被災地に進入した復旧部隊を待っていたのは、『想定外』の損傷でした。

過去最高レベルの暴風に加えて、幹が空洞化する病害のせいで多発した倒木のせいもあって電柱の倒壊や送電線の切断が酷く、復旧には想定以上の時間がかかることがわかってきたのです。報道で、電力会社が発表する復旧予想日がどんどん伸びていったのが、この頃です。

ここまでの経緯を見ると、被害の内容や規模も含めて『想定外』の連続が早期復旧を阻んだと言えます。


■これは複合災害である■
被災地では、家屋の損傷に加えて電気、水道、通信の途絶が広い範囲で発生しました。そして、状況をさらに過酷にしたのが、酷暑です。

台風通過後の関東地方は、気温が35℃を超えるような日が続きました。その中で電気と水道が途絶することで、熱中症による死者も出てしまいました。そこまで行かなくても、健康を害した人が多発していたはずです。

さらに発災数日後には強い雨も降り、屋根に損傷を受けた家屋では、被害が拡大しました。雨漏りを防ぐブルーシートが不足し、屋根にかけるための作業員も不足しました。屋根などの高所作業には特別な資格が必要で、通常のボランティアは作業できないのです。ボランティア保険でも、高所作業によるケガなどは補償されません。

この台風では、これら諸々の悪条件が複合的に重なることで、通常の台風被害とはかなり異なった被害状況となりました。被害の数字的規模だけ見れば、激甚災害とまでは言えません。しかし、住民にとっては大規模地震などの巨大災害後に匹敵するような、過酷な状況となりました。

そしてそれは、決して今回の被災地だけのことではなく、日本中どこでも起こることなのです。

次回は、改めてこの災害の経緯をまとめて、今後我々が対策するために生かせる教訓を考えて行きます。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

2019年9月27日 (金)

台風15号と千葉大停電《その2》(#1381)

2019年9月の台風15号による千葉県を中心とした大被害は、その全貌が中央に伝わる経緯において、1995年1月の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)の時と良く似ていると、管理人は感じたわけです。

■想定自体の誤り■
千葉県南部を中心とした被害の種類は、まず暴風による建物被害が甚大でした。屋根瓦が飛んだり、屋根ごと吹き飛ばされたりという被害が、広い範囲で多発したのです。

台風における暴風被害は当然『想定内』ではありますが、発生した件数と範囲が、行政などの想定をはるかに超えていたのではないかと思われる節があります。

その一方で、これまでの台風被害の"定番”である豪雨による浸水、河川の氾濫、山崩れなどは、想定していたほどではなかったのではないでしょうか。これはもちろん幸いだったのですが、そのせいで自衛隊への災害派遣要請が遅れたきらいはありそうです。過去や他所の経験則から、最も危惧された『想定内』の災害が『想定以下』だったわけです。

そのような“定番”の災害は、国土交通省や消防、警察、自治体などのネットワークにより比較的把握しやすい体制になっていますし、行政側としては主にその辺りにフォーカスした防災体制を組んでいたはずです。

しかし、家屋の被害については、基本的に当事者からの通報が無いとわかりにくい。ところが、広範囲に渡る停電に加え、固定電話も携帯電話もネット回線もダウンして、被害を通報したり情報を発信する手段が奪われたのです。あたかも携帯もネットも無かった1995年当時のように。


■意外な想定外■
そのような状況の原因となったのが、電柱や送電線など送電設備への甚大な被害なわけですが、それを引き起こした大きな原因が、『倒木』でした。もちろんそれ自体は『想定内』ではありますが、その規模が尋常ではなかった。

房総半島の山はあまり高くないものの実はかなり急峻で、海岸の市街地近くにまで山が迫っていたり、山間部に集落が点在していたりなどの地域的特性もありますが、後の専門家の調査によれば、倒れた主に杉の木の多くが、幹の中が空洞になる病気にかかっていたそうです。これなど、完全に『想定外』の状況でした。

一方、台風接近中には各地から「電柱から火花が出ている」という通報が相次ぎました。これはいわゆる『塩害』で、台風が巻き上げた電気を通しやすい海水が吹き付けられたために、電気設備の絶縁破壊、つまりショートが起きていたのです。

この現象は過去の台風でも経験がありますから、電力会社側は当初、広範囲に起きていた停電の主原因はこの『塩害』のせいである、という誤解をしたのではないかと、管理人は考えます。すなわち設備自体の損傷はそれほどでもないと判断し、しかし大量の倒木により設備が広範囲で損傷しているのを知る手段はごく限られ、特に山間部の被害状況調査は範囲の広さと道路の寸断などで進まない状況だったので、当初は電力は数日内で完全復旧できる、という誤った発表をしてしまったのでしょう。

ところが、各地から正しい状況が徐々に集まるにつれ、過酷な事実が見えてきました。この頃には電力会社は各地の電力会社に復旧工事の応援を呼びかけ、短時間のうちに総力戦とも言える規模の応援部隊が、全国から集結しつつありました。

ところが、そこでまた大きな問題が見えてきたのです。それについてはまた次回。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。


2019年9月25日 (水)

台風15号と千葉大停電《その1》(#1380)

ご無沙汰しております。本当に久々の更新です。実は今回、長年の読者の方からリクエストをいただきました。当ブログを忘れないでいていただいて、ありがとうございます。

そのリクエストは、2019年9月関東を直撃した台風15号がもたらした大被害について総括せよ、というものでした。もっとも、管理人も報道されたこと以上の情報を持っているわけではありませんが、せっかくお声がけいただいたので、管理人なりの分析をさせていただきます。なお、以下の記事は特定の個人、団体、行政組織等を批判または擁護する意図は全くありません。あくまで知り得た事実のみから、この『巨大災害』を俯瞰していきます。

■何が起きているんだ?■
大型で非常に強い台風が関東地方を直撃する、それも陸上を進んでくるのではなく、海上からほぼ直接上陸するというケースは、かなり長きにわたって記憶がありません。少なくとも、台風による豪雨災害以外で大きな被害が出たことは、ほとんど無かったはずです。

しかし台風の通過から時間が経つにつれて、主に房総半島南部で広域に渡る暴風被害と停電の情報が「徐々に」入ってきました。その一方で、東京周辺の鉄道の計画運休や高速道路の通行止めによる混乱や、一部の建造物に生じた暴風被害が報道されてはいたものの、少なくとも管理人の感覚では「この程度で済んで良かった」というレベルでした。

台風15号の規模と勢力からすれば、東京都内でも巨大被害が生じるかもしれない、という危機感があったのです。しかし、少なくとも都心部やその周辺では、多くの人にとって『最悪の想定をかなり下回る』レベルの被害という感覚だったはずです。

しかし、時間の経過と共に千葉県内の惨状が明らかになるにつれ、多くの人が「おいおい千葉が想像以上ヤバいぞ」という感じになってきたのではないでしょうか。

結果論から言えば、特に千葉県南部は台風通過後すぐに自衛隊に災害派遣を要請すべきレベルの災害だったのですが、政府も千葉県も、あきらかに初動が遅れたと言わざるを得ません。


■あの日を思い出した■
そんな中、管理人は『あの日』とよく似ている、と感じていました。1995年1月17日朝、阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)の日です。あの日、テレビの東京キー局では、朝ワイドショーの中などで『関西地方で大きな地震が起きた』と速報されたものの、ほとんど通常編成でした。

インターネットも携帯電話も無い時代、有線電話がほとんど途絶した中では、テレビ局とて被害の中心部からの情報はほぼ無く、現場から衛星中継できるSNG車も無く、マイクロウェーブ中継回線が生きていなければ映像素材も送れない時代では、現場からはるかに離れた東京では、その甚大な被害を把握するまでに何時間もかかったのです。

鮮明に覚えているのは、日本テレビ系の朝ワイドのエンディング。発災から2時間以上経過した午前8時の段階で、やっと神戸の街を遠望するお天気カメラのライブ映像が繋がり、キャスターが大して緊張感の無い声で「大きな火災が起きているようですねぇ」と言いながら、それでもその段階で初めて、「これは大変だぞ」という空気に変わって行きました。

そしてその後、遅々としながらも情報が入るにつれて、未曾有の都市直下型地震であるということがわかって行ったのです。


■なんだかよく似ている■
なぜそんなことになったかというと、あの当時は前述の通りインターネットが実用になる前の時代だったこと【当時のネット環境はNifty-serveなどのパソコン通信の時代。事実上ほぼ文字通信のみの環境で、アナログ電話回線を使っていたので、音声通話と共に広い範囲でダウンした。余談ながら、日本初のウェブサイトは1993年に茨城県の高エネルギー研究所(KEK)が作成したもの】

携帯電話もなくて個人が情報、ましてや映像を発信することなど夢の時代だったこと、地元の放送局も、撮影した映像素材をマイクロウェーブ中継回線に乗せなければ他所へ送信できないが、被災地周辺では停電や機器の障害などで支障していたことなどが大きな理由です。

そして忘れてならないのは、今の若い方には信じられないかもしれませんが、あの当時は『関西では大地震は起きない』というのが半ば定説というか、普通に信じられていたのです。

歴史をひもとけば、関西でも大規模地震が起きていないわけではありません。でも人々の記憶に残るような大地震は事実上ほとんど無く、普段もごく小さな地震がまれに起きる程度で、そんな関西の人が地震が比較的多い関東へ来て震度3くらいに遭ってパニックを起こしたとかが、笑い話になっていたくらいです。

管理人も、あの当時は特に根拠もなくそう考えていました。それが突然、神戸で大地震。多少の情報だけでは、にわかには信じられなかったのです。

つまるところ、阪神・淡路大震災の正しい情報がなかなか東京に伝わらなかったのは、情報伝達手段の途絶に加え、「そんなことが起きるはずがない」という、想定の不備と思いこみのせい、と言えます。

これ、今回の台風15号被害における千葉県の状況と似通っていませんか?それについては、次回に続きます。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

2018年9月29日 (土)

台風24号襲来に備えて(#1357)

本当に久々の更新です。こんな状態でも、連日多くの閲覧をいただいており、感謝に堪えません。今回は、皆様にお伝えしたいことがあって、出て参りました。


またスゴいのが来る


2018年9月末、日本列島を強烈な台風24号が襲いそうです。

今年の8月末から9月初旬にかけては非常に強い台風21号が襲来して関西地方を中心に大きな被害を出し、その傷もまだ癒えていないうちに、またです。

ひとつ言えることは、今後はこういうことがどんどん『普通』になって行くということです。後年になって、おそらく私たちはこう言うのではないかと。

「あの2018年から、いろいろはっきり変わったよね」と。


手軽で効果的な対策とは


台風21号襲来直後、大阪在住の当ブログ読者の方から、メールをいただきました。

要約すると、「台風21号の暴風を直接受けた窓ガラスが内側に大きくしなって、いつ割れるかと思って怖かった」というもの。

できることなら雨戸を閉めたいところですが、今は雨戸が無いのが普通ですし、マンションなどではなおさら。昔の木造家屋のように、窓に板を打ちつけるというのも、全く現実的ではありません。現代の家屋は、ガラスの暴風や飛来物に対する対策が、ほとんど取れないのです。

実際に、暴風の圧力でガラスが割れた例もあったようです。猛烈な風を受けたガラスは、かなりしなります。そして『弾性限界』、すなわち変形できる限界を超えるまでしなった時、中心部から放射状に割れます。

また、大きくしなったガラスには小さな飛来物が当たっただけでも、あたかもパンパンにふくらんだ風船に針を刺したかのように、簡単に破断します。今回の台風24号でも、またそれが繰り返される可能性が高いのです。

なお、マンションなどに多い金属ワイヤー入りガラスは、暴風に対してもかなり耐久力がありますし、割れても大きく開口して吹き抜ける可能性は小さくなります。

そうでないガラスには、地震対策にもなる飛散防止フィルムを貼ることで、暴風や飛来物に対する耐久力を大きく上げることができます。しかし、例えばベランダの大きなガラスに全部フィルムを貼るなど、なかなか大変なものです。

そこで、手軽にできて簡単に原状復帰できる、窓ガラスの効果的な暴風対策をお知らせします。


先人に学べ


まず、最も手軽な対策。すでにネット上などに多くのアドバイスがありますが、ある意味でとてもレトロな方法です。

太平洋戦争中の映像や当時を舞台にした映画などでご覧になったことはないでしょうか。窓ガラスに放射状にテープを貼っている、あれです。

しかし、あれは爆弾の爆風で窓ガラスが粉々に吹き飛ばされるのを抑えるための対策であり、ガラスの割れ対策というより、吹き飛ばされたガラスが鋭い凶器なるのを抑えるのが主眼ではあります。爆弾の爆風は至近距離では音速を超えるので、台風どころではありません。

でも、あれが同時に暴風による割れ対策としても、とても効果的なのです。要は、テープでガラスを補強することで、ガラスがしなる量をかなり小さくする、すなわち弾性限界を超えない変形量で抑えられる可能性が大きくなります。

それは関節の可動範囲を抑えたり、靱帯にかかる力を分散するスポーツ用テーピングと同じことです。そしてもちろん、割れた時の飛散対策にもなります。ガラスが崩れおちずに窓枠に残っていれば、仮に割れても、さらにテープで補強することで、当面の吹き抜け対策になります。

では、どんなテープで補強するか。粘着力と強度を考えれば、布ガムテープが良いでしょう。でも、粘着力が強すぎて後で剥がすのも大変ですし、糊が残って汚くなりがちです。

そこでお薦めしたいのが、養生テープ。ホームセンターで、布ガムテープより安く入手できます。粘着力や強度はガムテープには劣りますが、本来は作業時に周囲を保護するシートなどを貼るためのものですから(それを『養生(ようじょう)』と言います)、糊が残らず簡単に剥がすことができます。

では、どうやって貼るか。ポイントはふたつ。

まず、放射状に貼ること。ガラスがしなる際、最も変形量が大きいのはガラスの中心部、すなわち窓枠からいちばん遠い部分です。そこの変形量を抑えるために、放射状に貼らなければなりません。

もうひとつは、ガラスだけでなく窓枠から貼ること。強固な窓枠にも強度を負担させ、割れた際にもガラス全体が脱落することを防ぐ効果もあります。

そのように貼れば、暴風によるガラス被害を最小限に抑えることができるでしょう。そしてもちろん、カーテンを閉めてください。割れた際の飛散を防ぎます。

加えて、さらなる対策とは。


流体力学的な対策


小見出しが少し大げさでしょうかw でも、そういうことです。この方法は、できる場所が限られますし、ちょっと手間もかかりますが、とても効果的なのです。

これもホームセンターで売っている、園芸用のネットを使います。緑色の、あれです。網の目の大きさは、2〜3cm角くらいが良いでしょう。

それをベランダなどに張れば、もちろん飛来物が窓ガラスを直撃するのを防げますし、もし大きな飛来物に破られても、その威力を大きく殺ぐことができます。

でも、それ以上の効果があるのです。

風や流水などの流体は、物にぶつかるとその後ろで渦を巻く性質(カルマン渦と呼ばれます)があります。旗が風の中でパタパタとはためくのは、カルマン渦の効果です。有名な鳴門の渦潮も、狭い海峡を速い潮流が通り抜ける際のカルマン渦です。

窓ガラスなどに強い圧力を及ぼす暴風も、網の目にぶつかると小さな渦をたくさん発生させて、気流が乱れます。そのため、その後ろの物への圧力が、直撃する場合の何分の一かに減殺されるのです。

というわけで、窓から1〜3mくらいの距離をにネットをしっかりと固定できる場所があれば、とても効果的です。現実的には、ベランダの暴風対策という感じでしょうか。

ネットを固定する際には、ひもなどで縛っただけでは緩む可能性があるので、これもホームセンターで売っている、プラスチック製の『結束バンド』(タイラップ)をお薦めします。それも、幅が5ミリ以上ある太めのものが良いでしょう。


複合対策で効果アップ


以上のような対策を複合することで、最も割れる可能性が高いベランダ側の大きなガラスも、効果的に守ることができるでしょう。

もっとも、台風の場合は連続的に風向が変わります。でも、とりあえず窓に向かってまっすぐ吹いてくる、最も危険な風を弱められるだけでも、効果は絶大というわけです。


ホームセンターは防災宝の山


それにしても、当ブログでも何かと採り上げていますが、ホームセンターには災害対策に使えるものが山ほどあります。

さらに、窓が破られたり屋根が損傷した時の防水用に大型のブルーシートも用意しておきたいものです。

また襲ってくる豪雨と暴風の前に、是非とも対策してみてください。


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

2017年7月16日 (日)

狼少年が闊歩している?(#1331)

近年は、『ゲリラ豪雨』という言葉が死語になりつつあるほど、夏場にはゲリラ的ではない豪雨や雷、竜巻が頻繁に発生するようになりました。


いいかげん笑いました


ゲリラ的豪雨に限らず、豪雨の際の報道では、こんなフレーズがよく聞かれます。

レーダーの解析によると、○○地方では○○○ミリの豪雨が・・・

でもこれ、かなりの確率でマユツバものなんですよね。実はつい先ほども、管理人在住の埼玉南部で強い積乱雲が発生して、スマホに豪雨警報メールが届きました。

その文面を見て笑っちゃいましたよ。なんだこれ、って。

だって、10分毎の降水量予想で、最高が時間雨量175mmだったものですから。

時間雨量175ミリとは、1平方メートルの底面積を持つ容器に、1時間で175mmの水が溜まる雨量ということです。これ、実際にはあり得ない雨量なんですよ。それどころか、実際には時間雨量100ミリ程度の雨さえ、現実にはほとんどありません。いわゆるバケツをひっくり返したような雨でも、せいぜい時間雨量70~80ミリくらいなものです。

なのに、レーダーの解析によるとという前置きの下、時間雨量100ミリを超える雨量が予想されたり、実際に降ったことにされています。一体何故なのでしょうか。


誤解がまかりとおる?


おなじみのレーダーの解析によるとという場合のレーダーとは、降雨域に電波を照射して、その反射波を捉えるドップラーレーダーのことです。

とはいえ特に特殊なものではなく、気象や航空分野などで使われているレーダーのほとんどは、電波のドップラー効果を応用した、ドップラーレーダーなのです。

そのドップラーレーダーで降雨量を観測する場合、原理的に大きな弱点があるということは、あまり知られていません。だから、多くの人は175ミリなんて雨が本当に降ると思ってしまう。

ドップラーレーダーは、雨粒の密度が高くなるか雨粒が大きくなるほどプラスの誤差が大きくなるのです。

すなわち、強い雨雲から降る豪雨ほどどんどんプラス方向に誤差が増えて行くという、原理的な特性があります。だからレーダーの解析によると175ミリの雨などという、あり得ない数値が出て来るのです。

管理人は電波やレーダーに関する専門的知識などありませんが、これは事実。

これから、豪雨の際の報道を注意してみてください。レーダーの解析によると、という数値が百何十ミリという数値でも、同じ場所でも○○町が設置した雨量計にによるとという前置きの数値は、はるかに小さくなっているはずです。実際に雨量ますに雨を溜めて測る雨量計の数値は、誤差が出ようのない絶対値だからです。


補正はできないのか?


ということは事実なのですが、ではどうしたら現実的な数値になるかと言う方法は、管理人ごときにはわかりません。

でも、現実にはあり得ない雨量でも、とんでもない数値が実際に流されているのを見ると、そう簡単に補正はできない、ということのようですね。

いずれにしても、どんな理由にしろ現実ではない数値が公開、報道され、そんなことが当たり前になっていることを、管理人は危惧しています。

だって、175ミリみたいな雨が実際に降ると信じ込まされていたら、80ミリの雨なんて大したことない、などという誤解を生みかねませんよね。80ミリでも、実際には滅多に起きない超豪雨なのですが。


狼少年だよね


先ほど管理人のスマホに届いた時間雨量175ミリの警報メール後、実際にはどうだったかというと、感覚的には精々50ミリにも満たないくらいの雨でした。

もちろんそれでもすごい雨でですし、気象レーダーアプリで見る降雨域画像は濃い赤色、すなわち時間雨量80ミリを超える降雨域として表示されていました。でも実際には、まあありがちな強い雷雨くらいなものだったのです。

でも、事情を知らない人はあれが80ミリ超、ましてや175ミリの雨だとか誤解しそうというか、確実にそういう誤解を生んでいるわけですよ。

そんな豪雨でも、なんだ大したことないな、という。これは、あまりにも危険な状況ではないでしょうか。誰もが無条件に信じやすい公式情報が、まるで狼少年のようなことをやっている。

このレーダー誤差については、是非とも専門家やお詳しい方からの解説をいただければと思うのですが。

とにかく、ドップラーレーダーは豪雨になるほどプラス誤差が大きくなる、すなわちとんでもない数値が発表されるほど、その地域の雨が強い、ということは覚えておかなければなりません。

発表された数値はともかく、レーダーの解析によるとという数値でも、それが100ミリを超えるような場合は、災害に直結するレベルの豪雨だ、ということも覚えておくべきです。

とにかく専門家の皆様、とんでもない数値を補正なしで発表するの、いいかげんなんとかしてくれませんか?


■当記事は、カテゴリ【気象災害】です。

2017年7月11日 (火)

【告知つき】変わったけれど、まだまだだ(#1330)

各地で震度5クラスの地震が連続し、台風が通過したと思ったら、西日本では特別警報クラスの豪雨が続きます。

と、思ったら鹿児島で震度5強が発生。まさに“災害列島”そのもの、という状況です。

それでも、いずれも直接の影響を受けていない、例えば関東では、その恐ろしさを我が事として実感するのは、なかなか難しいのです。

すると早速、お約束のように『首都圏で直下型地震の可能性』というようなアオり記事が登場して、メディア芸者化した『専門家』がしゃしゃり出て来ては、アオりの片棒を担いでいます。

災害への恐怖感が高まっている今は、ああいう連中にとっては実にオイシイ状況なのですよ。全く、暗澹たる気持ちになります。


速報的記事はお休みします


これまで、当ブログでは震度5弱以上の地震や大規模気象災害などが起きた、または起きそうな場合、できるだけ早いタイミングで速報的記事をお送りしてきましたが、最近は管理人の本業が多忙のため、なかなかすぐにアップができない状況です。

このため、今後は原則として速報的記事はお休みとさせていただき、お伝えしたいことがある場合は、別の形での記事をアップさせていただくことにさせていただきます。


何度目でしょうか


島根県地方と北九州地方が数十年に一度レベルとされる豪雨に襲われ、大雨特別警報が発表されました。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

管理人はNHKの報道しか視聴していないのですが、大雨避難に関しての情報が、何度も繰り返されていました。

これまでの(それでも2013年頃からですが)
■風雨が酷くなる前に安全な場所へ避難せよ
ということに加えて、

■特に夜間は周囲の状況や前兆がわからないから慎重に動け。
■ひとりで屋外行動をするな。
■屋外に出るのが危険な状況ならば、無理に動かず二階以上や崖などと反対側の部屋に避難せよ。

というようなことが、以前にも増して繰り返されていました。それは、全く正しいのです。

豪雨による土砂災害による犠牲は、家が丸ごと押し流されたり押しつぶされたりする場合以外は、そのほとんどが土砂が流れ込む一階部分で起きているからです。

しかも夜間ならば、雨の轟音や雷鳴に満たされた中では視界も音も閉ざされたも同然であり、屋外に出ても、土砂災害の前兆などほとんどわかりません。

そして、危険な中を移動する場合には、何か起きた場合に支援や伝令の役を担う者と行動を共にせよという、例えばスキューバダイビングのバディシステムと同様の考え方です。

でも、ついこの間までは、報道でもそんなことには一言も触れられていませんでした。

大雨や土砂災害と言えば、川や沢の濁り、斜面からの水の噴出、斜面の亀裂、小崩落の音、悪臭などの前兆を感じたら避難しろと、その避難も屋外行動可能な状況かどうかということは無視され、とりあえず避難場所へ行け、という非現実極まりないものだったのです。

そのことを指摘する記事、もう何度目かになりますが、今回も敢えて書きます。


なんとか言えよ


それな何故か。メディアの肩を一方的に持つわけではありませんが、最大の責任は、災害報道にコメントしたり観衆したりする『商業ベースの防災の専門家』が、できもしない、当然ながら自分でやったこともない理屈をこねて、それが無検証でたれ流されていたからなのです。

毎度手前味噌ではありますが、管理人及び当ブログでは、そのことをずっと前から指摘しておりました。過去の関連記事の一部はこちらです。

【緊急特集】豪雨から生き残れ!【3】(2012年7月)

豪雨のときにできること(2013年6月)
豪雨災害に警戒を!(2013年6月)
今まで何をやっていたんだ(2014年8月)


地震などよりずっと発生する頻度が高い豪雨と土砂災害に関して、前兆を感じたら避難しろなどという大ウソがまかり通っていたのか。言っていることが間違いでなければ、本当は役に立たなくても責任は無いのか。何故誰も批判しなかったのか。

もちろん、誤りに気づいている人もいたでしょう。『商業ベースの防災の専門家』は、狭い”業界”の大御所、もしくは同業者に難癖をつけると面倒だ、とかいう理屈が先に立つのでしょうけどね。

あとは、所詮はメディアに迎合した商売だから、本来の専門家からすれば批判する対象でもない、というところでしょうか。

いままで、できもしない本当は役に立たない情報をたれ流して商売してきた『防災の専門家』ども、なんとか言えよ。

そして、この大規模災害を前にして、まだエラそうに『水害避難時は長靴を履くなスニーカーなどを履け』と言えるのか?

管理人は一部の報道しか視聴していないのでなんとも言えませんが、あのくだらない話、今回の豪雨災害ではすっかりナリを潜めたような気もしますが。

被害が甚大ならば引っ込めるような、キャッチーなだけの“本当は役に立たないこと”を拡散して商売している『防災の専門家』に任せておけるのですかメディアの方々。

まあ、メディア側の責任逃れと賑やかしには必要な『メディア芸者』なんでしょうけどね。


本当のことはひとつ


それにしても、NHKでの内容や言い回しは、実に当ブログ過去記事のものと似ています(他局は視聴していないのでわかりません)。これ、3年くらい前にもそう書いたけど、あの頃よりさらに似ている。報道内容と、リンク先過去記事の内容を見比べてみてください。

では、NHKもしくは監修した『防災の専門家』が、当ブログの記事をパクったのか。なんてことは全然考えていません。そんなことを無断でされていたのなら、著作権侵害を主張しますよwww

冗談はさておき、豪雨や土砂災害が起きる状況を正しく分析し、過去の被害状況をきちんと検証すれば、導き出される効果的な避難方法は、自ずから同じことに絞られてきます。似ていて当たり前なのです。

自身の被災体験も無い管理人が正しい方法を導き出せたのは、そういうプロセスを踏んだ結論だからです。決して、誰かの受け売りではありません。

すなわち、きちんと考えれば誰にでもわかることであり、実際に被災されたり、現場の状況を見ている方ならば、もっと良くわかることに過ぎません。もっとも、『防災の専門家』が皆そういうプロセスを踏んだかは、大いに疑問ですけどね。

基本、その多くが一般に公開された情報の集積して、アソートして『専門家』名乗っているだけですから。

同様の方法で知識を集めた管理人は、あの連中が言うくらいのことは、大抵のことはわかりますよ。それこそ、知識を集積したプロセスはほぼ同じですから。

大きな違いは、少なくとも管理人は、そういう方法論で『専門家』を名乗るほど恥知らずではないし、他人のふんどしをデコって、それを売って商売する気は無いということです。

それにしても、メディアに出るから、『専門家』が言うからと、“本当は役に立たない”知識を信じ込まされていた一般視聴者こそ、いい面の皮ということですね。

もし、ずっと前から正しい情報が伝えられていたならば、特に、土砂崩れでは二階に上がれば多くのケースで生き残れる、という知識が広まっていたら、失われなくて済んだ命はひとつやふたつではない、ということは確かなのです。


こういう記事を書くと、結局自慢したいんだろ、という見方をされるかもしれませんが、それは致し方ないでしょう。

ただ、ひとつ確かなことは、管理人は『専門家』ヅラして適当なことをたれ流す連中に、心底頭に来ている、ということです。


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2016年12月12日 (月)

【太陽さんガンバレ】マウンダー極小期の再来か?(#1299)

今朝(2016年12月12日)の関東地方は、今年一番の冷え込みという、寒い朝です。

北海道では昨日から大雪や吹雪に見舞われ、大きな影響が出ています。

管理人、かつての札幌在住時代に経験した、一晩で63cmという積雪になった日を思い出しております。

当時は雪絡みの仕事をしていたので、石狩地方に豪雪をもたらす『石狩湾小低気圧』の発生を心待ちにしていたりして、雪がドカっと降ると大喜びだったのです(現地の皆様すいません)

それにしても、今年はなんだか冬の到来が早くて厳しいなとお感じの方、多いかと思います。

もしかしたら、なのですが、こういうことの影響があるかもしれない、というのが今回の話。


太陽がヤバい?


一般に、太陽は約11年周期で活動の強弱を繰り返していると言われます。

それは、地球からは黒点(太陽表面の低温部)の数からも観測でき、活動が活発な時、すなわち放出するエネルギー量が多い時ほど、黒点が多く見られます。

ところが最近の太陽さんは、前回の活動極大期から11年が過ぎても黒点が増えないどころかどんどん減っていて、今はもうほとんど観測されなくなってしまっているという。

普段の極小期ならば、それでも黒点はたくさん観測されているのに、です。

Latest
この画像は、宇宙天気情報センター様のサイトからお借りした2016年12月12日の黒点観測画像ですが、ご覧のようにほとんどゼロ。

実際に、2016年6月以降は黒点ゼロを観測する日も多く、出現してもごく小さなものが十数個、という日が普通なのです。


太陽の活動が普段以上の極小期に入ってしまったのは、どうやら間違いなさそうです。

では、このまま太陽さんが衰弱し続けて氷河期のようになってしまうかというと、そうでもなさそうです。


実は昔もあった


この状況、人類の観測史上では2度目のことです。どうやら、太陽には約11年という活動周期の他に、数百年タームの活動周期もあるようなのです。

前回は、17世紀の1645年頃から1715年頃の間、太陽黒点が著しく減少したことが観測されており、その間欧州や北米の温帯地域では、冬の酷寒や冷夏が続いたそうです。

英国ロンドンではテムズ川が全面氷結した、という記録も残っています。

この時期は、当時の太陽天文学者エドワード・マウンダーに因み、『マウンダー極小期』と呼ばれます。

では江戸時代の初期だったその頃の日本はどうだったかというと、最近の研究では『周期的に雨が多い湿潤な気候であった』(ウィキペディアより)ということがわかっています。


これからどうなる?


太陽活動と地球の気温の関係はまだわからないことが多いとのことで、活動極小期にはどこでも単純に酷寒になるかというと決してそうでもなさそうなのですが、前回の『マウンダー極小期』と同じようになるとすれば、これから気温が低い時代がしばらく続くのかもしれません。

一説に、2020年頃までかけて寒冷化が次第に進み、2030年頃に寒冷期のピークを迎えるとも言われています。

そうなると、最も大きな影響を受けるのは、中世とは比較にならない規模に拡大している農業でしょう。エネルギー問題も、また違った局面を迎えそうです。

しかし、現代は地球高温化の問題もあり、果たしてどのような影響が現れるか予測しきれません。

太陽活動の変化は、地球全体の熱分布に大きな変化をもたらしますから、全体的には寒冷化しつつも、局地的には酷寒や酷暑、さらには降水量の激減や激増、巨大嵐の発生など、過激な気象となる可能性も十分にあります。


脅しではありませんが


今年の日本がかなり寒い冬を迎えているので、こんな記事を書いております。

でも、太陽がちょっと弱くなったから今年の冬が寒い、というほど単純なものではありません。

太陽活動の変化による気候変動はあくまで中長期的なものであり、気がついたら「5年前よりかなり寒くなっているなぁ」というようなものでしょう。

ただ、現在の太陽にとても寒かった中世の時代と同じような変化が起きつつあり、どうやらまた似たような(そして当時とは確実に違う)時代が来る可能性が高まっている、ということは知っておくべきかと。

あなたの未来に、いろいろな影響を及ぼすかもしれません。

そんな気長な話以前に、とりあえず今年の冬はかなり寒いようですから、そんな中で災害に逢ってインフラ途絶や屋外避難することを想定し、特に防寒装備の強化をしておくことが大切かと。

『その時』は今日、明日かもしれないのです。


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2016年11月 6日 (日)

冬場でも安心できません(#1291)

落雷のハイシーズンは過ぎてしまったのですが、youtubeで興味深い動画を見つけましたので、ご覧ください。


これが一番怖い


とはいえ、特に日本海側では冬場でも落雷は普通ですし、近年では冬の太平洋側でも落雷が発生することが増えてきました。

冬場は夏場のように雷雨を伴うことが少ないので、木の下などで雨宿りをすることもあまり無いでしょうが、とにかく木の下はこんなに危険だという実例です。

下動画はジンバブエで撮影されたもので、雷雨の中で傘をさした女性が立木の下に入った途端に、木に落ちた雷が飛び移る側撃雷(そくげきらい)に打たれる瞬間です。

遠景ではありますが、雷に打たれた女性が倒れるショッキングなシーンですので、視聴は各自のご判断でお願いします。

動画は44秒、落雷は22秒辺りです。

なお、この動画の女性は一命を取り留めたとのことですので、ご安心ください。



覚えておきましょう


この先、地球高温化の影響で、季節を問わずに落雷がさらに増えて行くことが予想されます。

どこにいても危険な状況を早めに察知し、すぐに安全な行動ができるように、雷についての知識はデフォルトとして覚えておきたいものです。

雷について書いた最新の記事をリンクしますので(『東京防災』へのツッコみです)、自然災害の中で、最も遭遇する可能性が高い落雷についての知識と、回避方法を確かめておいてください。

【東京防災ってどうよ17】ここがダメなんだよ【13】(#1238)
【東京防災ってどうよ18】ここがダメなんだよ【14】(#1239)


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