異常運転事故が急増しています(#1312)
福岡で起きた、タクシーの病院突入事故のドライバーが責任能力ありとして起訴され、運転中にポケモンGOをやっていて路肩にいた人をひき殺したトラックドライバーが、懲役3年6月の判決を受けました。
他人事ではない
ここ何年も、交通事故による死者数は減少の一途です。しかしその一方で、上記のような、かつてはあまり見られなかった、理不尽な交通事故が確実に増えており、それが死亡事故につながることも少なくありません。
注目度が高いとはいえ、高齢ドライバーによる突入事故がほとんど数日おきに報道されていますが、それも人的、物的に大きめの被害が出た場合であり、その類のちょっとした物損事故は、報道される何十倍も起きています。
そしてそのどれもが、いとも簡単に死亡事故に繋がる可能性を秘めているのです。
危険が大きいのは、昼間の駐車場。スーパーマーケット(ショッピングセンター)、病院辺りが筆頭でしょう。皆様はそういう場所で、暴走車に対しての警戒をしていますか?
もちろん、駐車場だけでなく、街中どこでにでも危険があります。
管理人は昼間の車移動が多いのですが、最近、“いつやってもおかしくない”と思える高齢ドライバーが、激増しているのを感じています。車の動き、ドライバーの表情、運転姿勢などから、そう判断できるのです。
実際に信号、一時停止無視や意味不明の運転操作などを目にすることも、少なくありません。
暴走車の危険は、もうあなたの周りのどこにでも迫っているのです。
想像以上のことが起きている
管理人の知り合いに、小さな自動車整備工場をやっている人がいます。
どちらかというとスポーツ系に強いので、スポーツカー改造需要の減少とともに経営は苦しくなり、そろそろ店をたたもうかと考えていたそうです。
ところが、ここ2年ほどの間に事故車修理の依頼が急増してきて、それだけで商売が回り出したので、まだしばらく店を続けることにしたと。
急増した修理依頼の多くが、高齢ドライバーによる事故に絡んだものなのだそうです。
それほど広い商圏や多くの顧客を持つわけではない小さな整備工場が、いわゆる“若者のクルマ離れ”をはねのけて、高齢者の事故修理需要で潤うといのも皮肉ですが、それくらいの勢いで高齢者絡みの事故が増えているという、想像以上の現実があるのです。
では、この2年ほどの間に、何が変わったのか。
いわゆる『団塊の世代』が一斉に高齢化したのです。
プライドと衰えと
管理人は、ここで高齢者問題を語るつもりは毛頭ありません。問題は、ただ危険なドライバーが急増しているという一点のみです。
歳をとればとるほど、車があると便利です。基本的に、いつまでも乗っていたい。
そして、いわゆる『団塊の世代』の、特に男性は免許を持っていること、車に乗れること、車を持っていること、運転が上手いことを、ある種のステイタスと感じていることが多い世代です。
これは自動車教習所の教官に聞いた話ですが、75歳以上の免許更新時に義務付けられている高齢者更新時講習は、かなりウンザリするような状況だそうです。
まだ現在ほど車も多くなく、荒っぽく飛ばす運転が上手いと勘違いした人も多かった時代そのままだと。
狭い道ほど加速する、ブレーキを遅らせる(単純に反応が遅いことも)、急ハンドルを切る、しかし周囲の確認は適当か全くやらないというような、要は“自分はまだまだ運転が上手いんだアピール”がひどいと。
もちろん、そんなのはただの下手くそ迷惑ドライバーに過ぎません。でも自分は上手いつもりという。
しかしそれを指摘しても、まず“自分のスタイル”を変えないと。
その一方で、これで公道が走れるのかと思えるほどの高齢者も多いそうですが、多少縁石に乗ってもパイロンに当たっても超低速でも、とりあえず交通法規を守っていれば、落第にはならないのです。
でも、教習所で言われませんでしたか?縁石の向こうは崖、パイロンは人間だって。卒業検定なら一発で試験中止ですよね。
もちろん、すべてがそうでは無いでしょう。でも、毎日のようにそんなドライバーに対応している教官のウンザリ具合からは、否定のしようがない現実が見えてきます。
どうすりゃいいのか?
正直なところ、こうすれば危険を避けられる、という単純な方法はありません。
ただ絶対に必要なことは、あらゆる場面での予測です。
例えばコンビニの前にいる時、入って来る車から視線を外さない、交差点を渡る時、信号、一時停止無視がいるという前提で確認する、信号待ちなどでは最前列に出ないか、周囲から視線を切らない、など。
車を運転している時なら、動きのおかしい車がいたら自分から離れる、見通しの悪い交差点を渡る時にはアクセルを抜き、特に左側から来る車を確認しながら渡るなど。これは自分の側が青信号や優先道路の場合に必須です。
このような対策は理屈ではなく、異常運転の車が怖いと思えば、自然にそうなるものです。
しかし街中では、自分だけならともかく例えば子供連れの方でも、あまりに周りを見ていない人が多く見られますし、フラフラ走る車との車間を詰めたり、真横に並んだり(相手ドライバーはまず見ていません)する車も普通にいます。
現実には、ひとたび街に出たら、どこから“攻撃”されるかわからない、それくらいの覚悟でいないと異常運転の事故に巻き込まれる可能性が高まっており、その状況は今後さらに悪化することは疑いないのです。
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